『マルクス エンゲルスの青年時代』(土屋保男、新日本出版社、1995年)
を読み終える。
この本が新日本新書で刊行されたのは、1974年9月。
(私が生まれた時期とドンピシャである)。
じつは、この本を読むのは初めてではない。
たぶん過去に3回ぐらい読んでいる。
不破さんの『古典への旅』とあわせて、とても好きな本である。
何年かぶりに、読みたくなった。
内容は、題名のとおり、マルクスとエンゲルスの
青年時代。『共産党宣言』書きあげるところで終わる。
物語風だが、ドキュメンタリー的な側面もある。
マルクスやエンゲルスだけでなく、いろんな活動家、革命家も
登場してきて、興味深い。
冒頭にオーエンのことも出てくるが、貧しい人へのまなざし、
理想社会をつくることへの情熱にかけては、
マルクスやエンゲルスに負けてない。すごいぞオーエン!
なぜ、この本が好きなんだろう。
たんに勉強になるというよりは、
マルクスやエンゲルスの昇り竜のような発展過程、
ほとばしり出る熱き思いにふれられるからかもしれない。
マルクスとエンゲルスの生涯にわたる共同と友情の出発点となった、
パリのコーヒー店での出会い(1844年8月)は、読んでいて胸熱くなる。
「おひさしぶりです、マ、マルクスさん」
土屋さんは、「興奮すると、どもるのがエンゲルスの癖だ」と
書いているが、ほんとうだろうか? 思わず「ぷっ」と笑ってしまった。
土屋さんは、「あとがき」のなかで、
この本を書くにあたっての、一番の力点について、
こう述べている。
「この人びとのいちばん根本的な、大事な考えと実行を
浮き彫りにするということ。そしてその考えと実行とは、
それができあがった『雛形(ひながた)』のようなものと
してあったのではなくて、ゆきつもどりつのまどいの中で、
新しい道をきりひらく『創造』のたたかいの道であった
ことを明らかにするということ。その『創造』の精神をくみ
とって、基本的な考えをつかみとるならば、私たちの今
日の生き方にもきっと役だつのではないかと思うのです」
たぶんまた何年か後に、
私は、この本を手に取るにちがいない。
お仕事と子育てで、たしかに時間がなかなか取れないかもしれませんね。
時間をなんとかつくりだして、ぜひ読んでみてください
投稿情報: 長久 | 2009年3 月25日 (水) 16:05
面白そうだと目をつけている本ですが、まだ読んでいません。長久さんのコメントを見て、読んでみたいと思います。しかしその時間がないのが残念です。
投稿情報: 鹿児島K | 2009年3 月25日 (水) 10:34