『いのちの塔-広島赤十字・原爆病院への証言』
(「手記集」編纂委員会編、中国新聞社、1992年)を読み終える。
爆心地から南へ約1.6キロの広島赤十字病院。
軍関係の病院として設立・運営されていたが、
被爆直後から、市民の「いのちの塔」としての
役割をはたしていく。
実際に、旧広島日赤の本館には、
「塔」があったことが、写真でわかる。
旧館の取り壊しにたいする大きな反対、
保存運動もあったのだが(この本はその一貫として出版)、
結局、被爆遺構としては、部分的な保存のみとなり、
貴重な歴史の証人が、また姿を消した。
どうして日本は、大切なものを簡単に
壊してしまうのだろう。口惜しい。
本の内容は、広島日赤の救護活動の様子や、
さまざまな人の支えにこの病院がなっていたことがよくわかる。
原爆の悲惨さとともに、
こうした人々の営みも、伝えたいと思う。
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