最近読み終えた本。
『がん患者、お金との闘い』(札幌テレビ放送取材班、岩波書店、2010年)
働きざかりの人の「がん発症」は、
ほんとうに自分や家族の生活を
一変させるんだなぁと。
読んでて、その苦しさ・悔しさに涙が出た。
抗がん剤治療(化学療法)は、
おそるべき高額。生活の崩壊。
公的な支えの弱さ。余命とお金を天秤に・・・。
「命を守る政治」をほんとうに現実にせねば。
『子どもの発達とヒトの進化』(井尻正二、築地書館、1980年)
さくらんぼ保育園での井尻さんの
講演会第2弾。
相変わらず、その語り口調がおもしろい。
前著ほど「おお!」とは思わなかったけど、
楽しく読めました。
大事だナーと思ったところ。
「たくさんものを見ることです。これはダーウィンが、
世界一えらい生物学者たるゆえんなのです。なに
しろ、ビーグル号に乗って世界周航にでたあいだの
5年間だけでも、毎日、毎日、四六時中、生物を
見ていたのですから。
ですから、自分はもう100人も赤ちゃんを見たから、
自分はベテランで、目に狂いがない、といった甘い
ことでは話になりません。もちろん、数に制限はない
し、保母さんにも個人差がありますが、1人でもおおく
の子どもを見ることだと信じます。これが、科学を
ふくむすべての人間的営みの基礎で、これならどん
な凡人でもできることです。
ところが、こういう基礎をなまけて、やれ弁証法だ、
やれ教育学だ、とえらそうなことをいっていたのでは、
実践に役立ちません。教育学も、弁証法も、腰ぬけ
になってしまいます」
私も、たくさんの労働者、たくさんの労働組合、
たくさんの運動を、しっかり見たり、おつきあいしないとなー。
具体的なもののなかに、普遍的なものがあるんだから。
『教育を子どもたちのために』
(益川敏英・小森陽一・木附千晶・藤田英典・本田由紀、岩波ブックレット、2009年)
益川さんの講演がメインの内容。
この人の話は、ほんとうに筋がとおっているし、
歯切れがよく、なおかつたいへん学習運動にも
参考になる内容が多い。ありがたい。
子どもたちをめぐる状況は、まったなしの深刻度。
まこと、生きづらい社会にしてしまった大人の責任。
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