きのう(30日)は、80期岡山労働学校の特別企画で、
客室乗務員の尾崎恵子さんをお迎えしての学習会と懇親会でした。
15時~国際交流センターでした。
この企画は、今日(31日)のメイン講演会とは主旨が違い、
参加対象も労働学校受講生のみ。12名が参加しました。
「航空労働者のいま」ということで、
さいきんの航空産業や働く労働者の現状にスポットをあて、
学びと交流を深めようというものでした。
最初に自己紹介を一通りしてから、
尾崎恵子さんから50分ほどお話をしていただきました。
ご自身の簡単な歩み、
客室乗務員連絡会の発足と活動。
ハイヒールの高さまで医学的・科学的に検証し、
それを要求していった活動。
会社の言うとおりに働いているかぎり、私たちの
望む働き方はできないこと。
働くものの立場に立ちきって、要求してこそプロということ。
ほんものの客室乗務員になっていくために。
会社の組合攻撃。組合の分裂や御用組合化。
などなど。
そのあと、参加者との質疑応答となり、
4つの質問に尾崎さんが答えて、
あっというまに17時半に。
この質問への尾崎さんの回答が、本当にすごかったです。
私、あらためて、思いました。
「“ほんものの労働者”が目の前にいる」と。
それは、利潤の最大化をめざす大資本と、
それと対決する闘う集団のなかで、
鍛えられ、磨かれた、労働者。
以下、尾崎さんの答えのメモ(文責長久。まとまってません)。
すべてがからまりあっている。
なぜいま日本航空はつぶされてしまったのか。
そういうことが起こると現実は、どう変わるのか。
日本の航空労働者がたたかわなければ。すべてそうなってしまう。
LCC(格安航空会社)の問題点。
それは、私たちがなぜたたかうのかの本質にもつながる。
まず日本航空の現状。
再建案。12年までに人員削減。
まっとうな会社にさせてみせますので、ということで。
日本航空がなぜこんなことになってしまったのか、
企業年金が諸悪の根源と報道された。
JALこけた、イコール年金、とされた。
からくり。それを解き明かす力。
日本中の私たちが、どうジャッジしているのか。
それが私たちの働き方をきめた。
経営の問題。日本航空がここ数年間で失策したか。働く人の責任か?
経営の状況がこんなことになるのは、国の政策も。
飛行機というものは、日本国民の財産なのに。
世界と対等におつき合いするために。
日本中の交通の代表は、鉄道だった。
だけれども、途中から、自動車。
飛行機は、日本の政府は、航空運賃を決めるだけでな。、
航空憲法。文化的で、健康のために、最低限必要だという考え。
国際線をまかせるところ。JAL。
国内線をまかせるとこと。ANA。
地方路線をまかせるのが、JASだった。
離島線は、経営が成り立たない。JAS。
国内線、3割。国際線4割の縮小。
飛行機以外の交通がないところから、飛行機が撤退していく。日本航空。
病院にいけない。かろうじて、最低限の医療がなくなる。
昔の日本政府は、飛行機でないとダメなところは飛行機を飛ばす政策だった。
その地方路線の運賃は低く設定していた。
基幹路線は高く。全体で調整していた。ポリシーをもって。
結果、JASは、つぶれずにやってこれた。
離島にも飛行機は飛んでいた。
途中で手のひらを返すように。競争があってこそ、よりよいものができると。
180度違う方針が出されてきた。
大阪⇔東京、本当に飛行機がいりますか。そこに集中。30分に1本出ている。
その都市には、なんでも揃っているのに。
かたや、離島では飛行機がなくなろうとしている。
日本航空が、世界中でもっともジャンボ機を保有している。
経営がおかしくなっているという報道があってからも。
4000億円の新型機の購入は変更なし。政府の保証つき250億円。
日本航空には、キャンセルできない理由があるとしか思えません(評論家)。
十分収益をあげる会社だった。5000億円+利子までつけて返す企業だったのに。
今年度中に、首切り。路線縮小。
このことで、いったい誰が得をして、誰が喜ぶのか。
日本航空は、つぶれなくてもよかった会社。
ホテルをつくる会社の別会社。経営者は会社側の組合のトップだった人とか。
なぜ日本航空はつぶされたのか。
日本の労働者にたいする見せしめだった。
いまもってまっとうな闘いを続けている、まれな産業。
その産業がストップするような闘いができる唯一の。
いちばん中心を担っているのが、パイロットの組合。
パイロットは、すべてのパイロットを組織している。
会社のいいなりにならない、日本中の職場のなかの、中核。
そのなかでも、日本航空のパイロットたち。
副操縦士のたたかい。管理職(キャプテン)組合のたたかい。
機長組合。ほぼ全員がたたかう労働組合。
そういう組織があり、闘いがあり。労働条件。
それを日本の権力は許せなかった。監視ファイル。
そういうことの1つの形が、日本航空をつぶつことだったかも。
日本の労働者が、どっちの立場にたつかの岐路に。
どれだけ、会社の言うことを聞いても、
切り捨てられ、使い捨てられることが目に見えている。
それをさししめせる、たたかいをしているのが、日本航空の闘い。
しかし、予想をこえる状況。現状。
この運動をぶっつぶせれば、少々の弊害は。という考えか。
航空労働者のたたかいを甘くみているのではないか。
日本航空の内部は、すごく衝撃を受けて。
「会社のために」と、大阪の客室乗務員の職場をなくしてしまった。300人。福岡も。
会社にとっては損なのに。
撤回させることはできなかった。たくさんの人が退職をさせられた。
しかし、この整理解雇の問題からは、日本航空の闘い状況変わってきた。
ええかげんにしなさい。と。
されたものにしかわからない、教訓を身につけて。
私たちには、必ずそれができる。
ヒールの高さを問題にできる私たちだから。
ほんとうに望んでいるものを、見つけ出す力。
お弁当の違いから。法則をみつけ。
あきらめさえしなければ。自分たちが望んでいるものを手に出来る。
ぶれない方向性を手に入れて。
違う仲間との交流。そのなかにある格差に気づくこと。
その格差の原因をみつけること。そのために学ぶこと。
みんなが集まって。自分だけでは見つけられないものを。
最終的には、とても大きなゆるぎないものを、つくりだしてきた私たち。
団結の反対語は競争。
不団結ではなく、競争。
このことを通じて、より強固な団結をつくれる。
若い人。他産業は、未組織が多い。
全日空の労組は、若い人を組合に入れ、役員にさせている。
もちろん、そこでの経験は私たちのときとは違うものだけれども。
たたかいがあるから、そこで働く人は、
組合、たたかいに接する。
そのなかで、真に団結する方向になる。
そこに、たたかいがあるかないか。それが決定打。
それを身をもって知ることができたから。
LCC。客室乗務員に清掃させている。それは私たちが以前にやっていたこと。
立って乗る飛行機?
飛行機の、いちばん大事なことは、安全に飛ばすこと。
規定があるのはたしかだけれども、規定を守るための働き方が大きく左右する。
点検しましょうとという規定があっても、どんな力をもった労働者かどうか。
安全が保てなくなる。
そこで働く人が幸せでなくなる。
心をこめてもてなす。たくさんの経験と、たくさんの考えかた。
人間にとっての余分なものが、いっさいない。LCCはそれがない。
真の労働者は、たたかいの中から生まれる。
以上。
とても学びの多い時間となりました。
やっぱり航空労働者のたたかいは、
日本の労働運動の宝です。学ぶべき教訓がわんさかあります。
だからこそ、資本はそれを必死につぶそうとしているんあなぁと。
でもその中で、より労働者はその闘いのなかで鍛えられていく。
すごい。
18時から、会場を変えて、懇親会へ。
こちらは尾崎さんふくめ18名参加。
今日の感想も交流しあいながら、とても楽しい懇親会でした。
さらに尾崎さんふくめ2次会へ。13名参加。
いろーんな話題でさらに尾崎さんと交流を深めたのでありました。
23時半頃終了。
みなさん、たいへんおつかれさまでした。
でも、若い人の目が、ほんとーにキラキラとしていました。
尾崎さんは、若い人を激しく・美しく「発火」させてくれます。
人は、感動の方に向かって生きていきます。
今日の講演会も、どんな感動が生まれるか、楽しみです。
航空産業は、ほんとうに「国民生活に影響するストライキ」が
うてるほとんど唯一の産業です。
だから、たたかう労働者をつぶしたいんです。国鉄と同じように。
資本のすることは、えげつないです。
でも尾崎さんは、航空産業の労働者は、必ずそれを乗り越えてすすむ、
と言っておわれました。
投稿情報: 長久 | 2010年11 月 1日 (月) 09:33
む〜、JAL潰しの目的の一つに、「原則的な労働運動潰し」があるということですか〜。
投稿情報: 書記長 | 2010年10 月31日 (日) 21:21