きのう(22日)の夜は、足守の、もみの木保育園での
「ものの見方・考えかた」学習会の9回目。8名の参加でした。
あれ、見たことがないものが、組み立てられて・・・。
ここの園庭は、動いています、進化しています(笑)
いつものように、学習前に、手づくり感たっぷり、栄養良しの
お食事をいただきました。ありがとうございます☆
この日は、「いのちの起源への旅(後半)」ということで、
40億年前に誕生した生命の歴史の話を一気に。
でも、やっぱりヒトまではさすがにちょっと無理で、
ヒトの進化とホモサピエンスの話は次回にまわしました。
前回の「星の生死」「物質の進化」の話どうように、
なかなか難しかったようで・・・。
日常では考えないことばかりですからね。
でも、そのなかでも、
みなさんいろいろ発見があったみたいで、良かったです。
私も、にわか勉強ぶりがひどかったですが、
タンパク質のこととか、カンブリア紀大爆発の意義とか、
あらためて「人に話す」ことでものすごく深まりました。
今回も、資料で『Newton』が大活躍してくれました。
やっぱり視覚資料があると理解が格段にすすみますね。
以下、講義の概要です。
一。生命の起源
1。地球の誕生
◇生命が誕生する環境としての地球ー46億年前に
*太陽系が生まれた、そのなかの惑星のひとつ
*チリやガスが集まって(それは、過去の「星の死」が元と
なっている)、微惑星が形成され、さらに微惑星どうしの
衝突によって惑星が生まれる。
◇水の惑星の誕生
*誕生直後の地球は、微惑星どうしの衝突がひんぱんに
繰り返され、その熱で岩石はどろどろに溶けた状態で、
「マグマオーシャン」と言われる状況だった。
*その後、太陽との距離が絶妙だった地球は、だんだん
と温度が低くなっていき、地表の温度が下がり、水蒸気
から雨滴ができ、雨が降るようになり、やがて海ができ
ていく。
2。生命とは何か
◇40億年ほど前に誕生したと言われている生命
◇生命とは何かーその本質的規定
*生物か無生物かを見わけるときは、まずは「自分の
力で動くかどうか」が目じるしになる。
*つぎに、「自己複製・進化」という機能。つまり、遺伝子
情報を次の世代に受け継ぎ子孫(コピーともいえる)を
残す機能。
*そして、「代謝」という機能。まわりの環境から、栄養分を
とり、それをエネルギーにかえて、生命活動をおこなっていく。
◇生命の構造の基本ーDNAとタンパク質
*生物の主要な部分はタンパク質でつくられている。
*タンパク質は、アミノ酸が組み合わさってできている。
20種類のアミノ酸の組み合わせで多種多様なタンパク質
が構成される。
*アミノ酸の「組み合わせ方」を決めているのがDNA。DNAの
遺伝情報にしたがってアミノ酸とその組み合わせが決められ、
タンパク質がつくられる。
◇最初の生命
*どうやってそれは生まれたのか? 無生物から生物への
「飛躍」の謎。
二。生物はみな兄弟
1。30億年間の単細胞時代
◇私たちの祖先の多細胞生物が現われたのは、6億年~7億年前
*つまり、約30億年ぐらい、生命は単細胞生物の時代が続いた
2。多細胞生物の出現
◇エディアカラ生物群
*オーストラリアのエディアカラ兵稜で発見された化石群。
◇カンブリア紀の大爆発
*見つかる多細胞生物が急増
*生物進化史の大事件
*硬い殻、歯や触手や爪や顎(あご)
*カンブリア紀初頭に現われた三葉虫が眼をそなえた
最初の動物ともいわれる。
◇魚類の起源
*脊椎動物(背骨がある)
*顎の役割ー他の生物を食べて生きる
3。陸上に進出した動物
◇生活の場を水中から陸上へ
*骨格、呼吸法、視角、聴覚、嗅覚を陸上に適したものへ
変える必要。
◇四肢動物の出現
*魚類から両生類へ。4本の足。
*両生類から爬虫類へ。
*鳥類と哺乳類は爬虫類から進化した。
◇私たち哺乳類は、2億数千年前に誕生。
*2億5100万年前に、生物の大量絶滅事件
(理由は酸素の欠乏などの説があるが、まだ未解明)。
*そのとき、爬虫類のなかの1グループを祖先として哺乳類は
生まれた。
*恐竜の起源は、およそ2億3000万年前といわれているので、
じつは恐竜と同じ頃か、もっと前に出現していたことになる。
恐竜全盛期には、影に隠れる存在。6600万年前の隕石衝突
による恐竜の絶命で、哺乳類全盛の時代が訪れる。
4。霊長類・哺乳類の出現
◇哺乳類の特徴
*母親が子どもに乳を飲ませて育てる動物。現生の哺乳類の
多くは、母親の子宮内に胎盤をもち、胎児を子宮内で発育
させてから子どもを産む。
◇霊長類の出現
*恐竜が絶滅してのち、私たちの近い祖先であるサル(霊長類)が
哺乳類の進化の過程で生まれた。
<そして人類へ・・・>
次回はヒトのあゆみと、私たちホモサピエンスについて。
以下、参加者のみなさんの感想文です。
「生命が進化していく過程の中で、子孫を常に
残してきたからこそ、『今』こうして歩んでいら
れるのだなと思いました。耳の骨が魚の一部
から進化してきてできた事など、学校では学ば
なかった事もあり、『へえー』と思うことも多かっ
たです」
「人類の祖先が700万年前で、その子孫である
自分・・・と考えると、ふしぎな気がする。でも
だれ1人欠けても自分は存在しなかった事実。
すごいことだなあと思いました。『いのち』のふし
ぎと、“かけがえのなさ”をかんじました。
あと、『たんぱく質』の話は興味深かったです。
子どもの食事に良質のたんぱく質が必要である
ことが今日の話でなるほどと思えました。
この前の学習会以後、テレビニュースの中で、
『生物のいる可能性のある惑星は54個』と
アメリカの科学者が言っていました。いままで
になく、いろいろ興味が広がっています」
「地球が誕生するまでに沢山の奇跡的な出来事
で生まれたこと、また、生命が誕生するのも様々
な過程を経てできたこと、改めて聞くと、今、
自分がここにいる存在することが不思議に思え
ます。また、地球や生命の誕生をここまで詳しく
解明できていることにも驚きます。こうやって
奇跡的に良い条件で長い間かけてつくってきた
地球が、ここ数十年…?でどんどんこわれて
いっているのはかなしいことだなと改めて感じます」
「地球が46億年前に誕生した、ということは知って
いたが、やはりガスやちりから始まり様々な過程を
経て今の住みやすい地球環境になったという事実
にはどうしても理解するのに時間がかかる。結びつ
かない。人類の進化にしてもそうだ。日常の中では
ハエやきもち悪いと思う虫など、つい気軽に殺して
しまうような生き物が、本来は私たち人間なんか
よりもずいぶん先に誕生したものであり、どちらかと
いえば敬うべき存在と考えるほうが正しいのでは
ないか? と今日、今は思ったが、やはりその
あたりも結びつけるのは難しい・・・。また、タン
パク質について、それが生物の主要成分であり、
あんなにも複雑に形を変えていくものだとは、知ら
なかった」
「前回、今回と正直よくわからないというのが多く
(想像ができないから)聞いていました。ただその
なかで感じたことは、以前の弁証法の際に話さ
れた『必然性』と『偶然性』のせつ理の中で地球が
生まれ成長し、人間が生まれ、私たちが今、生き
ているんだということ。それは、とてもあたり前だ
けれども、地球の歴史の中では奇跡的なことでも
あるんだと思えました。また『生命』というと植物も
含まれたり、外界認識という目の役割、外の生物
を食べる為にあごが出来たというのはとても興味
深かったです」
「生命の起源=地球の誕生といってもいい位の
時間の経過がある。今の人間のえい知を集め
ても、まだまだ解明できぬものでしょう。
生命とは、子孫を残し、外のものを取り入れて
生命をもやしている、がわかればよしか。今日は
話が大きすぎて、おもしろいと感じる余裕なし」
「生命とは何か? 生物と無生物の違い、生物の
主要部分はタンパク質。そのタンパク質の中に
ある20種のアミノ酸。さかのぼればのぼるだけ、
むずかしく、気の遠くなる話だが、生物はみな
兄弟! 少数のものから多くの生物が誕生して
いく不思議でおもしろいつながり」
「今日の話も、前回につづいて難しかったです。
生命とは、自分の力で動く、内部の力で動くと
いうことを改めて感じました。
5億年以上も前からの生物の変化や進化が、
今を生きる私たちの体に残っているものもある
ということを例を出されてよくわかりました。
祖先がいるということを長い歴史をたどると、
わかってくるのだなぁと思いました」
コメント
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