きょう(12日)は、関西勤労者教育協会の
吉井清文会長をおむかえしての学習会2日目。
参加11名(涙)。
テーマは、
「労働時間とは何か、なぜ伸びるのか」
~労働時間短縮闘争の教訓を『資本論』から学ぶ~
ということでした。
参加が少なかったのは、学習協の力量不足が根本に
ありますが、こういうテーマの学びが
なかなか課題になっていない現状もあると思います。うーむむむ。
根本的に大事な問題なんですけどね。
会場はおなじみ勤労者福祉センターです。
10時~12時半まで講義。その後昼食休憩をはさんで15時まで。
講義は、きのうと同じで、
レジュメどおりにはまったくすすまず(笑)、
『資本論』学習での大事な話、知っておいてほしい話で
ほとんど2時間半ついやしました(笑)。
昼食休憩後、
ようやく今日の本題である「第8章 労働日」の話に本格的に。
吉井さんの3時間半のまったくすごい熱弁でした。
でもね、これも大事なことなのだ、とつくづく感じました。
「何を語るのか」と同時に、「語りの本気さ」が参加者に
あたえる影響ということ。
吉井さん自身、
「きのう今日と、興奮状態ですわ。無政府状態の講義ですな」
と言われていましたが(笑)、
学習運動、『資本論』学習の経験を正面から聞きたいという今回の
テーマが、とても珍しかったようで、そうとうな発奮をされていました。
ありがたいことです。主催者としてこんな嬉しいことはありません。
そして、その吉井さんが放つ“熱”は、
参加者にビンビン伝わっているのであります。
いや~、ほんとに、迫力の講義ありがとうございました!
みなさん新たな決意を固める学習会になったようです。
以下、吉井さんの「一応こんな話を考えていたんだけどねレジュメ」です。
1、労働日の諸限界(ページは原著)
労働時間の延長とは、剰余労働時間の延長のこと
労働日の最小限度(必要労働)とはなにか
労働日の最大限度 肉体的制限・休息・睡眠・食事などの肉体的欲求問題
社会的慣行的制限 知的欲求 社会的欲求
限度の弾力性 相異なる労働時間の存在
資本家の権利 1労働日のすべて 労働者の自由処理は「盗み」
労働者の権利 労働力の健康・維持・発達・平均寿命の権利
過度労働は盗み
標準労働日の要求
権利の二律背反 両階級の標準化をめぐる闘争
2、工場主とボヤールの「渇望」比較
レグルマン・オルガニク(国家基本法)と工場法の比較
剰余労働への渇望の積極的表現と消極的表現
労働者は人格化された労働時間 パート労働者とフルタイマーとはなにか
3、搾取の法的制限のないイギリスの産業諸部門
8つの部門 共通性は短命
最後はベンジャミン・リチャードソン(枢密院医務官の文章)37才で死亡
4、標準労働日獲得のための闘争
『資本論』第一巻序文の記述 詳しい叙述のページをさいた
ドイツ社会民主党の国会議員の誕生 『資本論』を学べ(マルクス)
不破哲三氏「革命論研究」・多数者革命と議会選挙での前進
フランス・ドイツ・イギリスの共通性と独自性
イギリス労働者の偉大さとはなにか 13章3節a 原著P419 註123参照
年表作成の問題 13章につながる(8・9節が重要)
機械の作用の二面性 労働者の発達と犠牲の二面性
搾取増大と社会進歩の併行
5、ルールある経済社会の問題
以上。
参加者の感想文です。
「興味深く受講できあっという間の時間でした。特に
印象に残っているのは戦前・戦後の話で、歴史的
背景を知ることができとても衝撃を受けました。私は
今主婦で家事を主にしていますが、24時間をうまく
活用し、自由に使える時間を作り生活できるように
したいと思います。資本論はとてもむずかしいと感じ
ていますが興味はあります。繰り返し勉強することの
大切さを知り、少しずつ生かせたらと思っています。
ありがとうございました」
「日本の労働組合は、時短闘争に関してはサッパリ
ということにどきっとしました。運動方針、要求からも
すっかり忘れてしまっています。時短闘争がすべての
労働組合運動の基礎だということを認識しました。
時短しても、自由時間を活用する習慣がないのは
実態だと思いました。ILO条約の活用、有給教育休暇
の実現の運動が必要だと思います」
「イタリアの詩人、シルバーノ・アゴスティが『1日3時間
しか働かない国』というモデル社会を考えていました。
単に労働時間が短いというだけでなく、学ぶ、家族、友人
というものがとても重要とされています。学ぶことがやはり
人間を形成することになるのでしょうか。まだまだ学習
不足なので、これからより学びを深めたいです」
「『飛ばしよみはくり返す出発点、くり返し読むことで学習
は定着する』という言葉に元気がでました。『資本論を
くり返し読むことで怒りが出てくる』という言葉。私はこれ
まで何も疑問に思わず流されるタイプだったのですが、
資本論を学ぶことで今の労働や政治の実態に怒りを覚え、
変えていく力にできるのかな、と思いました。
石川先生の講義も、今日の吉井先生の講義も、熱~い
学習運動家の話をきくことは、資本論の内容そのものを
学ぶ以上の意味があることなのだと実感しました」
「資本家が伸びていったところから労働者が犠牲になる
歴史を深く知れました。19世紀のイギリスで過労死が
続出していつぁということが印象に残っています。今は、
過労死が日本独特のものだという認識が広がっていま
すが、運動が発達してヨーロッパではなくなっていった
のだと気がつきました」
「資本論の労働日をテキストに講義されると聞いていた
ので、いつ本論に入るのかと待っていたのだが、資本論
を学習するための準備の時間がたっぷりあって資本論に
対する興味がわいた。レナード・ホーナー、品川正治さん、
またソニーの社長等のルールある資本主義の話、興味
深く、午前・午後にわたる講義もあっというまに終わった」
「昨日の講義で時短がキモだ! ということが分かり、
今日のお話を聞き、いろんな仲間の働き方を思い浮かべ
ると・・・めらっと怒りが・・・! 長すぎる労働時間に、
仲間と勉強する時間や、家族との時間、自分が自分で
あるための時がうばわれているとは悔しいことですね!
ついに、いよいよ資本論よむぞ、と決意です」
「労働時間の延長によって労働者が人間性を失い
闘う意欲さえ削がれている状態を何とかしたいと毎日
考えています。運動への参加を呼びかけることで
前を向いて闘いたいと思っていましたが、一定の
前進を見たものの、成功にはいたっていません。
労働時間短縮のたたかいにどれだけ参加する労働者
を増やすことができるのか、これからの課題です。
先生が言うように怒りをもって生きることが、まだ
労働者に向いています。未熟だなと思っていますが、
労働者が置かれている状態に怒りをもって前に進み
たいです」
「周囲がこうだから、仕事量が、時間がと、毎日
ずるずる職場にいることを反省しました。労働時間を
守ることの大切さを自覚し続けることは難しいな・・・。
だからこそ学習をこまめにしていかなくてはならない
んだなと思いました。資本論を読んでほしいという
熱い熱い講義をありがとうございました」
この2日間、参加されたみなさん、
たいへんありがとうございました。
またやりたいですね。吉井さんの白熱講義。
とっても充実! した時間になりました。
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