きょう(28日)は、午前中、
生協労組おかやま、生協関連・一般労組の
組織拡大月間に向けたスタート集会。
昨年まで埼玉労連の議長をされていた、原冨悟さんの
講演をお聞きしました。
お話の内容からは、原冨さんの人柄が伝わってきました。
活動スタイルはまったく原則的。でもこれは、簡単なことではない。
いちばん感じたことは、
原冨さんの言葉からは夢を感じとれること(知的な)。
労働組合の組織拡大は、夢いっぱいの活動ですよ、ほんと。
仲間がふえるって、とくべつ嬉しいことですからね。
今週読んだ原冨さんの著書の内容が、かなりふんだんに
語られていて、深い復習と新たな発見ができました。
ありがとうございました。
以下、講演中にパソコンでポチポチととった
メモをそのまま貼り付け(文責はすべて私にあります)
原冨講演 「楽しくがんばる組織拡大運動 その極意」
要求を実現するために、みんなでがんばるのが労働組合、
ということだけれど。数がないと。
だから仲間を増やす。その力で要求を実現する。
埼玉土建の出身。
建設関係は、それぞれの現場で働いていて、職場で組織できない。
組織拡大も、基本は家庭訪問。
埼玉土建は、1971年に4,000人。いま75,000人。ほぼ20倍。
埼玉土建の大宮支部で、9年間活動。
600人から2400人まで増やした。大宮支部の書記長。
埼玉労連は86,000人で発足。最高13万をこえた。いま12万ほど。
埼玉の連合が発足当時で18万、いま16万。
それでも埼玉の組織率は17%ぐらい。
たくさんの人が労働組合を知らない。
仲間をたくさん増やす、簡単にはできないけど、簡単なこと。
最近書いた著書のタイトル『微笑みかげん』、
というのはニヤニヤしながら運動する、ということではなく。
電車に乗ると、メール、居眠り、難しい顔。
楽しいそう、という顔が少ない。
でもときどき、なにか、次の瞬間笑顔になるような、そんな人がいる。
まだ微笑んでないけど、微笑むかもしれないなあという人。
そんな人がいっぱいる社会になればいいなあと。
群馬で、「組織拡大は楽しい、という話をしてくれ」と言われた。
その頼んだ人たちは、楽しくないのかな、と思った。
組織拡大の話をするときは、楽しく話したい。
「こうやれば楽しい」、という方法ももちろんあるんだけれど、
「組織拡大自体が楽しい」「仲間が増えれば楽しい」と
思えるような人づくり。そういう条件をつくる。
労働組合の活動家には2つのタイプがある。
活動家の2つのタイプ。
困難なときこそたじろかず。「危機感で燃える人」。階級闘争の闘士。
昔の労働組合づくりの典型は、まず非公然での組織づくり。
もしその動きが会社にばれたら、つぶそうとする。
でも、相手が攻撃してきたら、「なにくそ」とさらに燃えるタイプ。
もうひとつは、「展望や楽しさでがんばれる人」
このタイプは、労働組合に気楽に参加してもらおう
という観点から、形成されてきた。
非公然でコツコツなんて、ゆうちょなことを言ってられない。
気軽に誰もが参加をし、参加することによって、楽しいと思える運動でないと。
こういう2つタイプの組み合わせで、組合運動が発展していく。
大事にしてほしいのは、
労働組合運動が本質的に発展をする運動なのだという確信。
社会的な合法則性(必然性)
でもなかなか発展しないのは、労働組合が強くなると
困る人たちが権力をもって、策動する。
でも、私たちの強みは、
労働者の「元気に働き続けたい」という要求が根本的にあるところ。
その人が人間らしく生きようという、その本姓に依拠した運動。
だから必ず発展できる。夢のある活動になる。
強くて大きな敵に勝つときにどうすればいいか。
労働組合が大きくなるときに、困る人がいる。
それを強力な相手こえて、すすむときに、何を考えないといけないか。
武田信玄が、山本勘助という軍師に聞いた。
「大きくて強い敵に勝つためにはどうすればいいか」
1つに手だてのはかりごと、2つにそなえの立てよう、3つにみきり。
1は「戦術」。労働組合の方針、宣伝物、計画。
みんなでこういうふうに動こうね。
2は「体制」。推進月間。推進委員会。
委員長にはあのひとが、など。陣形。そのなかで全体が動けるように。
3は「情勢をみきる」。困難な人たちに集中的に働きかける。
労働者の8割が未組織。埼玉では210万の未組織が対象。
こんどはこういう人にあたっていこうという「みきり」。
建設労働者600万にいたが、いま500万人を割り込んだ。
仕事をよこせ、作戦。
情勢を分析をして、おれたちの組合はこんなふうにたたかうから、
だから仲間になってくれ。
情勢をみきって、作戦をたてる。
誰がするのか。
できるだけ、たくさんの組合員に、
戦術も体制も、情勢のみきりも、参加してもらう。
でも、中央の偉い人が決めてしまうことが多い。
労働組合というのは、そういう欠陥をもっている。
そうではなくて、みんなで議論し、みんなで決めて、みんなで実践。
幹部が走りまわって拡大するんじゃなくて、
組合員自身が「おれこの組合に入って助かってるんだ」と声をかける。
200~300人を拡大しようと思えば、
200~300人の人が動く、というのがだいたいの私の経験的教訓。
労働組合の存在と発展の合法則性
埼玉ユニオンのN君のつぶやき
もめごとの問題だけでなく。新しいところでも、力になる。
議論しているあいだに、いろいろ見えてきた。
この人たちとつきあっていれば、人生、生きていける。
理屈より感性の問題。
中小企業経営者からの手紙
労働者を大切にしないといけないことがわかりました。
パートさんにも計画的に有給をとってもらうようにしました。
勤務工程を組みやすいから、事前に有給申請してもらうように。
みんなが明るくなったような気がする。感謝。
中小の経営者はたいへん苦労している。
資本は敵だけれど、中小は敵でない場合もある。
社会の枠組みのなかでは、被害者になっている場合も多い。
経営者の意識をも変えていくという、労働組合の役割。
大震災と国民的な連帯。
人の心はあったかい、というけど、8割は労働者。
世の中は捨てたもんじゃない。
歴史に学ぶ労働組合論
労働が人間をつくる。
働くということは、生物として発展していくひとつの契機。
資本主義のはじまりのこと。工場にほうりこまれて。
酒かっくらって。健康でない。知的には獣の域。
でも、人間だから。なんとかしてほしい。
どこかで仲良くなる。この機械のスピード速いよなあとか。
抵抗闘争。打ち壊し。壊したら、罪になった。
そこからだんだん知恵が生まれてきた。
生活水準があがってくると、住宅に。
パブでのみ始める。パブの貯金箱の話。助け合いの発展。
相談のなかから、一緒にさぼったらどうか、と。
ストライキははじめは成功。でも資本も学んでいく。
労働者も、日常から仲良しになっていないと駄目だと、学ぶ。
時々の仲良しから日常的な仲良しへ。
貯金箱も、しくみとしてつくっていく(共済制度)。
団結禁止法。団結していた人たちがいる。1700年代の中頃から。
禁止してもつくられるから、認めて、コントロールしたほうがよい。合法化。
社会保障制度。あれは労働組合がつくったもの。
助け合いが生協運動の源流。
産別運動の発展。政党の誕生。
日本の場合。1882年高島炭鉱事件。
炭鉱労働者は、お天道様に会えない労働者。不健康このうえない。
イギリスでは児童労働。
コレラ。どんどん移る。高島という島。逃げられない。ころころ死んでいく。
焼き場がまに合わなくなる。浜辺で鉄板の上に死体を置いていく。
そのうち、熱が出たら、死んじゃう前に、生きたまま焼いてしまう。
それはひどい、という世論がつくられる。
雨宮製糸の女工スト。
日本の労働運動は、ヨーロッパから100年遅れたけれども、
悪いことでもない側面。先から学べる、という利点もある。
労働組合法(1945年12月)は憲法より先につくられている。
労働組合が活動することが、戦後、経済復興や民主主義を
前進させるために必要。そういう社会的存在。いまも大事な視点。
社会権は、社会的条件がともなう権利。
28条は、25・26・27を支える構成になっている。
民主主義を発展させる組織として。
労働者をつなぎ、運動と団結(組織)をつくる<誰か>が生み出される。
自然発生的に組織はできない。
<誰かを>運動のなかで、大量に生み出していく。
「自己責任」「目の前の経営者」ではなく、
「社会に」目を向けたときに、活動家一丁あがり。(湯浅)
だから、労働者はつるまないといけない。
就活。婚活。意識的にしないと、できない時代。
生きていくためにも、活動しなくちゃいけない時代に。
体験的組織論。いい組合づくりと組織拡大運動。
拡大を軸にした組織づくり。
外から見て魅力がある。内からみて自信をもてる「オレの組合」
いい組合でないと、仲間にすすめられない。
日常的に、役に立っている組合だ、という実感。
ポイントは、要求闘争と助け合い(仲間意識)
夢と展望を語りながら。
1万にいる大宮の建設労働者。
影響をあたえるには、過半数めざさないといけない。
1500人から、6年後に3,000人にしようと言い張った。
しょうがねえ、でも「なったなあ」って。
建設の場合、組合活動家、生活相談が基本任務になってくる。
「専従者が増えれば」。実利とも関連させながら、組織拡大を語る。
拡大ができたら、ともかく、喜びあう。
誰かの役に立つことは、人間にとっての喜び。
交渉力がつけば、要求も実現する。
繰り返す学習、ホンネの議論。
人は集めれば元気になる。1000人での乾杯の雰囲気。
だから集める工夫もする。
多数であることによる影響力。
数の力による財政力。行動するには金がいる。
なにもしない人もいるが、組合費を払ってくれている。
お礼を言う。いつもお世話になります。
いい組合にすることによって、組合費を払うのがいやでなくなる。
労働組合はひし形
組織拡大は、正しいひし型を維持しながら、ひしがたを大きくしていく
仲間をつなぐ要求
不満から要求へ、そして統一要求が成立する
前提としての話し合い
「ねばならぬ」から「こうしたらこうなった」だから「こうしよう」
方針(手だて、そなへ、みきり)の共有
組合の会議が楽しかったら、ビールとネオンにまけない。
誘惑に負けない楽しい会議。人間と言うのはそんなに立派にできていない。
みんな弱い部分をもっている。
新しい時代の組織化運動。すべての活動を組織拡大に結ぶ。
*労働者はときどき勝利するが、それは一時的にすぎない。彼らの
闘争の真の効果は、その直接の成果よりも、労働者の団結がま
すます拡大していくところにある(マルクス)
未組織労働者を意識する
埼玉土建の要求(政策)はいつでも未組織労働者を意識している
労働者はみんな対象者(電車、居酒屋、買い物・・・)
この人、組合入ってるかな~という意識する役員。
市民的な共感を得るような運動・・・「市民」の大部分は労働者
ホンキになれば楽しめる
苦労をともにすることで、団結の質が高まる
みんなでとりくむ拡大運動
連帯し団結する労働者の本性・・・勇気と想像力、丘の向こうの情景
以上。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。