きょう(24日)の夜は、足守のもみの木保育園へ。
「ものの見方・考え方」職員学習会の11回目。
昨年5月からはじまって、2回飛ばした月がありましたが、
今年の5月まで、1年間、系統的な学びをしてきました。
明るいうちに園庭をながめられる季節になりました。
昨年、はじめて来たときは、本当に衝撃でした、この広い園庭。
遊具もほとんど保護者のみなさんと一緒に手づくりしたものです。
もうすぐ、この手づくりプールにも、ブルーシートがはられ、
水が入れられ、泳げる季節となるのでしょう。
ここの園庭は、子どもたちが生き生き遊ぶ姿が浮かんでくる、
ほんとうに最高の環境だと思います。
この飼われているウサギたちは、初めて近くで見ました。
園児たちのよい友だちなのでしょう。
これは・・・・・にわとり、ですかね。卵も産んでくれるのかな?
園で飼われている犬。ジャックというらしい。
ちょっと、視界が悪そうな風貌をしていますね(笑)
はい、ここで1年間、学習をしてきました。
いつものように、手づくりの夕食をいただいてからの学習です。
夕食のときの会話、「今日はあれをして」「これをして」
というのが、また興味深いのですけどね。
裏の山にたけのこを採りに・・・、ヘビが出て・・・、
近くの山菜が・・・、
この保育園は、いままでの私の「保育園へのイメージ」を
見事に打ち破ってくれました。感謝です。
さて、
さいごの学習テーマは「ものの見方・考え方-まとめ」
ということでした。
*「新自由主義的子ども観」と対決する現場
*ものの見方をみがきつづける
・「ものさし」の大切さ
・これまでの、ざっくりとしたまとめ
・自分へのものの見方も豊かに-人間の無限の可能性
・保育者に問われる5つのY(浅井春夫『保育の底力』より)
*「歴史的にみる」「原因と背景をみる」-本質をつかむために
*学び続ける保育者に
という内容でした。
さいごに紹介した、井尻正二さんと斎藤公子さんの
「学びへの叱咤激励」の言葉を紹介します。
「お母さんたちは、牛乳飲むでしょう。焼酎は、飲んで
5分もたつとよくきいてきますね。牛乳はどうでしょう?
飲みはじめてから、3ヶ月もたたないと、体にきいてこな
いといわれます。勉強というものは、どうも牛乳のような
ものらしいです。
この保育園の売店で売っている本を買ってきて、さあ
っと読んでみて、すぐ『わかった』、なんていうのは、まあ
焼酎を飲むような人です(笑)。ところが、このような本を
何冊も何冊も、1日に10分でもいいから、読んでいると、
1年2年とたつうちに、牛乳と同じように、本に書いてあ
ることがだんだん頭にしみこんでくるわけです。そうなる
と、やがていい勘がわいてくるわけです。だからどうして
も、気ながに勉強をしなくてはならないことになります。
(中略)1週間のうちに6日を遊んでしまい、日曜日に
ダーッと100ページ読む、というのではだめなようです。
それは、日曜日に牛乳をまとめて7本飲むようなもので
す(笑)。これでは効果がなく下痢をするだけです。やっ
ぱりすこしずつ牛乳を飲んでこそ、やがてきいてくるわ
けです。
(中略)時間をかけて、毎日すこしずつでいいから勉強、
つまり、歴史的な物の見方の書いてある本を勉強する
ことが大切だ、と思います」
(井尻正二『ひとの先祖と子どものおいたち』
築地書館、1979年)
「私たちは朝早くから晩まで、一瞬も目をはなすことが
できない乳幼児の保育という肉体労働と精神労働に心
身ともにつかれきって従事しているものたちである。した
がって、読書ほどつらいことはない、とよく保母たちはい
う。本をひらけばもう両まぶたはふさがってしまう、とい
うのである。しかも女性がほとんどの職場であり、家に
かえれば家事、育児とからだをやすめるひまがない。私
自身がそうであった。それゆえに、保育の現場は、明治・
大正時代とあまりかわりばえのしない保育方法がとられ
ているところも、実際いって少なくない。おまけに日本の
保育者養成所が、旧態依然とした内容で教育し、日進
月歩の科学をとりいれることにむしろブレーキをかける現
状もある。しかし日本の将来を考える時、人間の土台を
つくる教育にたずさわるものが現在の学問の最高の科
学的知性を身につけなければ、その育てる子どもが、
『育てる人の文化程度によってしか育たない社会的動
物である』、という存在である以上、私たちは学ばなけ
ればならないのである」
(井尻正二前掲書、斎藤公子さんの「あとがき」より)
学習会のあと、この1年間をふりかえりつつ、
感想を交流しました。
みなさん、すごく嬉しい感想を言っていただきました。
ちょっと感激
やっぱり、継続の力ですね。
2、3回の学習会だったら、
こんな関係性と変化はつくれません。
みなさんの発言から学ぶことも、たくさんあった1年間でした。
ありがたいことです。
そして
さらに1年間、月1回の継続学習をしていくことになりました☆
今度は、「社会発展史」が全体のテーマです。
がんばって準備して、足守に通いたいと思います
終わりから始まりへ。
1年間ありがとうございました。
そして、今後1年間、またどうぞよろしくお願いいたします。
以下、参加者の本日の感想文です。
「1年間学ばせていただき、ありがとうございました。
考え方やものの見方を豊かにするために読書をすれ
ばするにこしたことはないと思いつつも、なかなか体
力が持たなかったり自分に甘えがでてしまったりで、
何ヶ月も続いている・・・という経験はまだまだないで
す。そんな中で、授業のようにこのような学習会の
場を持たせていただけたということに、感謝していま
す。唯物論、弁証法・・・など単語をだけ見てもどん
なものだったか思い出せないものも多々ありますが、
少なくとも毎回終わった後には疲れるけど徐々に
充実感に変わっていっていたし、分かっているけど
つい忘れがちなことを、その都度思い起こさせて頂
けたなあと思います。自分自身も子どもに対しても、
“ワクをはめない”、可能性を信じ、希望をもって前
向きに日々過ごしていけたらと思う。保育者に問わ
れる“5つのY”。これを常に頭に入れ、本当に実践
できたなら、どんな保育者、人間になれるのだろう?
これから楽しみです」
「今日はいつも交流している関西地域の姉妹園の
年長担任が集まり、年長部会がもみの木保育園で
行われました。普段の保育(子どもたちの当番活動、
リズム遊び、山へ行き、のこぎりで木を切るなど)を
他園の保育士の方々に見てもらいましたが、子ども
たちがより良い生活をするには、健康に育つには…
と、午後からの討議で話し合われましたが、『頭が
かたくなっている』『もっと柔軟に考えなくては』との
声もありました。今日のお話の中でも保育者に問わ
れる5つのYの話の中で、ゆらぐことのできる力は、
こういうことだなと思いました。勉強しつづけ、また
自分の環境から外へ出て周りを見て刺激を受け、
自分へ問う。こういった交流を深めるというのも非
常に大切なことだと感じます。
1年を通して勉強会ができて、少しでも学びつづけ
よう。自分を見つめようと思えたことが成長できたこ
とです。日々の保育に追われて・・・を言い訳にせず、
少しずつ知識をつんでいきたいです。1年間ありが
とうございました。また1年間よろしくお願いします」
「新自由主義の考え方は、話を聞かせていただい
ているうちに実際、そういう教育を私自身も受けて
きたのだなと思いました。企業にとって役立つため
の資格であったり、考え方であったり、進路を考える
上では一番、言われてきたことだなというふうに思
いました。自己責任という言葉は、自分の努力しだ
いという、ある意味突き放された言葉だなと思いました。
1年間を通して、ものの見方というのは、対象があって
考えるのかなと思っていたけれど、自分も外からきち
んと認識をしていかなければいけないのかなと思い
ました。昨日よりも今日の自分を見たとき、変化して
いる成長できているのかなと思いました」
「前半はほとんど参加させてもらっていたのですが、
祖父の体調が悪かったこともあって、後半(弁証法く
らいから)はほとんど参加できず、とても残念でした。
社会人になってからこんなふうに勉強する機会がある
とは思ってもいなかったので、大学の授業のようで
とても楽しかったです。以前、“物事をありのままに
受けとめること”というのを聞いてから仕事の中で、
生活の中でなるべきそういう風になれたらいいな…
と思っているものの、ワクにはめて(この子はこれく
らいしかできないだろう…とか)しまっていて、あまり
できていないなと反省しました。しかし、他人だけで
なく自分自身も変化の対象としてとらえられている
か・・・と思った時、自分自身の可能性を信じられて
いないんだなと思いました。そう思った時、あせらずに
子どもたちのことと同じく、自分自身をふり返った時に
『ここが変われたな・・・』と思えるようになりたいなと
思いました。
『育てる人の文化程度によってしか育たない社会的
動物』というのはとても心にグッときて、やっぱり自分
自身の経験の少なさ、毎日もっと勉強する心をもって
いかなければならないと感じました。1日10分でも
本を読む・・・ということを日課に、今年こそはがんばり
たいと思います。ありがとうございました」
「社会の状況が保育園にも様々なかたちで関係して
いるということ。利益を生み出せる人材を育てるという
のがよい教育とあらゆる分野に入っているのだと、
気づかないうちにそのようになっているのだなと思い
ました。毎日少しずつの読書などで、今はわからず
読んでいる本も、実践や日々の保育をふり返ることで
だんだんと、なんとなくわかってきたり、こういう意味
だったのかと思う1つの材料になっていくのだと思い
ました。地球の誕生から学んでいったり、その中で
生まれた人間、その歴史、そし日々成長していって
いるということや、物事の本質とは何だろう、見ている
ことから原因を探していくことなど、改めて考える機会
になりました。毎日少しずつ、日々考えながら、生活
していかなければと思いました」
「この週末にマイケル・ムーアの『キャピタリズム』を
見て、感じたことが今日の新自由主義の話のなかで
重なりました。自由とは何だろう?なんでもありが自由
なのか?そして利益を得られるものが優れているのか?
『自己責任』という言葉への嫌悪感が今日の、『コミュ
ニケーションを切り捨てる言葉』という説明でとても
納得できました。震災があり、少しは変わった様にも
見える世の中ですが、政治の世界は相変わらず・・・。
それに絶望してもしかたなく。周りの変化を感じつつも
自分を生きる為にも学びが必要だなぁと感じました。
1年間を通して、『ものの見方・考え方』ということで
学んできて、とても新鮮に感じました。そして、自分
自身で悩み、探して、自分なりに見つけて、身につけた
つもりでも、言葉として、書かれ、読むことで、ぶれつ
つも戻る力になるような気がします。自分がゆたかな
自分になる為に、それによって楽しく感じることができ、
生きれたら幸せかと思います」
「新自由主義の子ども観・・・経済的視点で押えてい
ましたが、『市場で利潤を生み出せる』限りでの評価、
ときっぱりとらえているところが、何とも言えない、
殺伐さがある。多くの人たちが傷つけられているのに、
どういう力で抗することができるのか、を考え続ける
学び、続ける、根気とねばりが、問われている―。
月1回、新鮮な視点や、問い直す機会となった学習会
に感謝しています」(園長先生の感想です)
おお! これが烏骨鶏か! はじめて見たかも(汗)。
全部真っ黒とは…。
まずは単発学習でも、きっかけづくりから始めてみては?
投稿情報: 長久 | 2011年5 月25日 (水) 16:14
それは烏骨鶏です。
白い羽毛に黒い身体の鳥です。
何と、お肉も内臓も骨も全部まっ黒ですw
そういう系統的な学びがうちでもしたい…
青年部がなぁ…
投稿情報: ともき | 2011年5 月25日 (水) 14:55
たしかに、保育園とは思えない園庭です(笑)
土が多いのが、ほんとうにいいな、と思います。
投稿情報: 長久 | 2011年5 月25日 (水) 09:23
保育園には見えません(^_^;)
動物園ですか(笑)
投稿情報: ゆみた | 2011年5 月25日 (水) 08:36
近づいてもまったく吠えない、
とてもおとなしい犬くんでした☆
投稿情報: 長久 | 2011年5 月25日 (水) 06:15
ジャックかわいすぎる((゜o゜)☆
あんなわんにょかいたい(≧ヘ≦)
投稿情報: ミー子 | 2011年5 月24日 (火) 22:54