先週の金曜日(4日)の夜は、82期岡山労働学校の第4講義。
参加はちょっと減って16名でしたが、
引き続き中身は熱く盛りあがったようです。
ようです、というのは、まあ、私が山口に行っていて、
いなかったからなんですが、はい。
でも、まかせられる体制があるので、安心して不在にしました。
第4講義の講師はこの方! 私が大尊敬する、崎本敏子さんでした。
昨年まで岡山市議を務められており、
いまは看護学校講師、という肩書きで活動されています。
この日のテーマは、
「女性を活用する国、しない国」
まあ、崎本さんなので、はずれなし、
とてもいいお話になったのではないかと思います。
もうちょっと参加がほしかったところ。残念!
通常の木曜日でなく、金曜日だったこともあったのでしょうか?
でも、参加されたみなさん、ありがとうございます1
崎本さんのレジュメは、以下です。
「女性を活用する国、しない国」
-日本は「女性活用小国」、欧米諸国と何が違うのか
1。はじめに
2。日本の現実と向き合う
(1)ジェンダー統計「日本の女性と男性」(2009年)
国立女性教育会館作成
(2)「ジェンダー・エンパワーメント指数」(GEM)
…国連が出している女性活動度指数
1995年134カ国中27位 2005年40位台 2008年58位 2009年57位
(3)「世界ジェンダー格差指数」(GGGI)
「世界経済フォーラム」が発表している指数
2007年134カ国中91位 2008年98位 2009年101位
政治分野110位、経済分野108位、教育分野84位
(4)海外から出されている懸念の声
・国連「女性差別撤廃委員会」の指摘(2009年7月)
・「雇用主、学校、夫がこれまでの態度を改める必要がある。だが、
こうした変化については、日本人のほとんどがまだまじめに考えて
いない」 バージニア大学準教授 レオナード・ショパン氏
3。なぜ海外では「女性の活用」「女性の意思決定への参加」に
関心が高いか
(1)「女性の活用」「は産業再生に不可欠な要素
・欧米もかつては「男は仕事、女は家庭」だった
・「欧米は80年代の産業の構造転換の危機を、女性という新しい
人材の活用で乗り切った」
米スタンフォード大学日本センター所長 アンドリュー・ホルバート氏
・国際社会は女性の活用競争に入っている
(2)「女性の活用」は今後社会を生き延びらせるために必要不可欠な要素
-スウェーデンの例、オランダの転換
(3)「女性の活用」でなく「女性自身を活かす」社会は「発言権の確保」と
平行して推進された-議員や企業管理職に「定率性」の導入
4。女性を活かす「仕組み」をつくる-「女性活用小国」からの脱出を!
(1)「妻つき男性モデル」の破綻の自覚を
・人口の多さに依存して、人口の半分を無償労働に据え置くことは
行き詰まっている。
・「男性中心社会」のままでは男性も女性も苦しい
(2)女性の経済力を高めて、新しい納税者を育てる方向への転換のとき
(3)女性の活躍に見合った意思決定権を!
女性が声をあげることが大切-バックフラッシュ(揺り戻し)の動きは、
矛盾を転嫁するもの…逆流です
(4)女性を都合よく利用するための活用ではなく、
女性自身をよりよく活かすための活用へ
-憲法を活かし、必要な法律を作り、それを日常に活かしていくこと
そのために「意思決定権」を確保しながらいっそうの仕組みづくりを!
(EX) 岡山市さんかく計画 岡山県ウィズプラン
5。おわりに
人生いつでもスタートライン! 自分らしく生き抜きたい!
「あたりまえ」を問い直して!
ジェンダーを学んで「自分が変わる」「社会を変える」
(参考文献) 男女共同参画統計データブック2009 女性教育会館
『女性を活用する国、しない国』
竹信三重子、岩波ブックレット
新さんかくプラン(岡山市)
第3次おかやまウィズプラン(岡山県)
以上。
ひきつづき、熱いトークが交わされた、グループ討論のようす。
以下、参加者の感想です(一部)。
「女性が政治や社会に進出する、ということが
具体的にどういうことか、女性の声を届けるという
ことでどう変えていけるのか、ということがイメージ
できました」
「日本は、女性にとってはすごい後進国なんだという
事が、数字を見てよくわかりましたが、そこまでの
自覚がありませんでした。一生、仕事を続けてゆこう
と思う時、子育てはネックになると思います。安心して
子どもを預けられる場所がもっと必要」
「周りにいる女性たちは、とても能力があると
講義を聞きながら思った。そういう能力が活かさ
れない日本ではダメだと思うし、より豊かな社会は
つくれない」
「日本の女性議員の割合が低い、ということを
今まで知らなくて、今の現状が普通だと思って
いました。今日の講義を聞いて、日本は女性が
社会進出が低いということを実感しました」
「『女性の活用』を重視する社会を、どうしたら
実現できるのか。女性がもっと自覚を高める
ことなのか、社会が変わることなのか、1人
1人(男性も女性も)が、考える必要があると
思います」
「働く女性=新しい納税者という視点が目から
ウロコ!!」
なごみ。いつもの風景だね~。
参加できませんでしたが、楽しそうであります。
82期岡山労働学校「女と男のジェンダー論教室」は、
中盤にさしかかってきました☆
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