最近読み終えた本。
山口~東京の4日間で読んだもの。
『大震災後の日本経済、何をなすべきか』
(友寄英隆、学習の友社、2011年)
勉強になった。深い分析。問題意識が新鮮。
「21世紀に生きるわれわれに求められる
ことは、現実と格闘するなかで創造的に
理論を発展させたマルクスの精神を蘇らせて、
マルクスの理論的遺産を道しるべに、21世
紀の資本主義が提起している新しい理論
課題に立ち向かうこと」
『土の科学-いのちを育むパワーの秘密』
(久馬一剛、PHPサイエンス・ワールド新書、2010年)
宮崎駿監督の『天空の城ラピュタ』で、
主人公シータが、
「人間は土から離れては生きていけないのよ!」
と言うシーンがあるが、
まさに、それを立証している本。
土は、もの言わぬが、
果たしている役割は、多様で巨大である。
「地球の陸地にどれほどの生物がいるだろうか。
植物だけでもその個体数は無限大というに近いが、
これらはすべて土によって養われている。さらに、
この植物から始まる食物連鎖につながっている
すべての生きものも、元はといえば土に支えられて
いるのだ。生産者としての土の役割である。
それだけではない。生者必滅。これらの生物が
生まれては死ぬ。その遺骸がきれいに分解される
からこそ、地球にはいつも美しい生きものの世界が
広がるのだ。またそれによって元素は循環し、生き
ものの連鎖は絶えることがない。分解者としての
土の働きもまた偉大である。そして、それを支えて
いるのは土の中にいる多様で膨大な数の生きもの
たちである」(まえがき)
「地表にある土は歴史的につくられた自然の一つの
生成物である。その場所・場所の自然の多くの要素、
気候・生物・岩石・地形などが、長い時間にわたって
相互に作用しあった結果として、いま見る土をつくり
上げた。これら自然の要素は場所によって違うから、
できる土も場所によって特異的である。そして野外で
見る土は、非常にゆっくりとではあるが、時間とともに
変化する。土というのはまことにダイナミックで、かつ
ヴァラエティに富んだ魅力的な自然の産物である」
(まえがき)
『R25 男たちの闘い』(R25編集部編、日経ビジネス人文庫、2007年)
雑誌『R25』のインタビュー連載をまとめたもの。
登場するのは、阿部寛・永瀬正敏・吉井和哉・
西城秀樹・佐藤可士和・岸谷五朗・豊川悦司・
椎名桔平・原哲夫・泉谷しげる・氷室京介・ユースケ
サンタマリア・大沢たかお・比嘉栄昇・三宅祐司・
沢村一樹・細野晴臣・役所広司・石田純一・
東儀秀樹・野口悠紀雄・高橋克美・赤井英和。
それぞれの人生観・仕事観がかいまみれて、おもしろかった。
こういうの、わがほう出版関係ではないねえ。
『R25 労働者たちの闘い』って、どうかな。
『若者たち』でもいいな。
『正しいパンツのたたみ方-新しい家庭科勉強法』
(南野忠晴、岩波ジュニア新書、2011年)
たぶん、ちょっと前までの私だったら、
手に取らなかったであろう本。
82期岡山労働学校の第2講義で、講師の
長安めぐみさんが、「家庭科という教科の
発展」についてちょっとだけ語られたことが
あって、初めて聞いた話だったので、すごく
印象に残っていた。
で、たまたま本屋でウロウロしていたら、
この本が目にとまった、というわけ。
で、実際に読んでみると、
私が持っていた家庭科という教科のイメージを、
まさに一新させてくれた。
新鮮な驚きと同時に、たいへん感銘を受けた。
ぜひ、多くの人に読んでほしい1冊。
目次を見ていただければ、
「家庭科」という教科の射程の広さ、その発展が
よくわかるかと。
「生き方・暮らしをトータルに応援し、1人ひとりの
力をつけ、豊かな感性を身につける教科」となっている。
著者の授業風景もよく伝わってくるのですが、
とっても楽しそう。
こんな家庭科教育が、全国に広がればいいなあ。
【目次】
序章:家庭科を学ぶ意味
パンツのたたみ方に悩む男性に温かいアドバイスを/お互いの
違いを知る教材/あなたは家庭科が好きですか?
1章:いま、生きているワタシ
目指せ! 弁当高校生/さわやかな朝の目覚めのために/朝
ご飯が1日を変える/自立ってなんだろう?/勉強ってなんだ
ろう?/副教科は強い味方!
2章:家族の中で生きる
家族って誰のこと?/家族のかたち/わたし的家族のボーダー
ライン/自分にとっての家族/家族の食卓/食事作りの宿題/
家族の条件/「理想の結婚相手」で考える人間関係
3章:社会の中で生きている
働くということ/何のために働きますか/支え合って生きる/い
ろいろあるぞ、お金の問題/悪徳商法と消費者の問題/「なぜ、
騙されたんだろう」/かしこい消費者になろう/働くっていうことは
/アルバイトを始めてみると/お金はこわい!/経済的な自立/
労働者としての権利/ワークライフバランス/老後のことはまだ
早い?/100歳になった自分/もうひとつの感想/老後に備え
る/実習大好き!!/プロフェッショナルとパーソナル/パーソナ
ルな技術がなぜ必要か
終章:ゆたかに生きるためのスキル
あなたの遊びはどのレベル?/DVフリーの恋愛関係/メッセージ
を送り続ける/「依存」でもなく「支配」でもなく/一人でいるもの
楽しいけれど、二人でいるともっと楽しい
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