岡山県学習協のダッシュ企画2日目(21日)は、
「大衆的学習教育運動と私」というテーマで、
引き続き、労働者教育協会の山田敬男会長を
おむかえしての学習と交流でした。
参加は13名と、ちょっと少なかった。
事前確認では、2日目のほうが多かったのに・・・。
さて、この日の学習内容は、
ずばり山田会長の学習運動との関わりの歩みを
語ってもらおうというもの。
会長も、
「断片的に話をしたり、お酒の席で話をした
ことはあるが、まとまってこういった形で
自分のことを話すのは初めて」
と言われていました。
そして、想像どおり、とてもとても興味深く、
またそのなかにも普遍的な学習運動の意義と魅力がわかる
お話でした!!
いまは科学的社会主義の理論普及の先頭にたつ
山田会長ですが、
高校時代、好きだった日本史の先生の影響で、
高校生までは「右翼的青年」だったんです!
教室で民青の学生と対決したり・・・。
とにかくそのエピソードがおもしろいおもしろい。
大学(早稲田)に入ってからのエピソードも、
おもしろすぎです。
そしてそのなかに、ベトナム反戦運動や、差別、貧困などの
社会問題と出会って、怒りや疑問をもったこと、
さまざまな人との出会いと関わりによって、
自分の考えが変わっていったことをリアルに語られました。
そして、家永三郎さんの裁判のとき、
ボディガードとしてつきそい、
その家永さんとのエピソードも、たいへん興味深いものでした。
学習運動との出会いと、
東京労働学校で運営委員と学生に総批判を受けたこと、
それを高田求さんに「おめでとう」と言われたこと、
労働学校の講師をすることで得られたこと、などなど。
そうした自分の歩みと経験をふまえたうえで、
いま学習運動に求められている課題・・・。
という流れでした。
ぜひまとめて活字にしていただきたい内容でした。
山田会長のレジュメは以下。
1 大衆的学習教育運動と私
①真実を知ることと人生の転機
・保守的で右翼的傾向の強かった10代の自分
*大学時代の転機
*人間はかわる
②科学的社会主義をどう吸収してきたか
・ある自由主義者との交流
*歴史を支える人々とは
*自由主義者からの提起
・学習教育運動への関わりと試練
*学生や運営委員からの批判と高田求
*総合基礎教室の担当と科学的社会主義の理解
2 今、どのような問題意識を持っているか
①開かれた創造的な科学的社会主義にこだわる
・我々の依拠する科学的社会主義は
「開かれた創造的な科学的社会主義」
*科学的社会主義の基礎理論は、閉鎖的で、硬直化した学説ではない
─人類の知的財産とも言える諸潮流と内在的に格闘し、その成果を
継承し、発展させた科学としての社会主義であり、「開かれた創造的
な理論」
*不断に発展することが特質
*創始者(マルクスやエンゲルス)たちの言説を絶対化して丸暗記
するのではなく、彼らの「科学の目」と「変革の精神」を吸収すること
*創始者たちも誤ることがある。常に批判的精神が必要。それが彼らの
精神。真理の反映という視点からマルクス・エンゲルスを評価する。
真理をどれだけ反映しているかが基準
②人間の可能性と変革にこだわる
・階級的自覚と民主的人格形成
*問われる民主主義的な権利意識と人間観
③現実の闘いに寄与する開かれた組織
・学習教育運動組織の性格
*第一に、労働者教育協会や学習組織は、学習教育団体であること。
政治団体でもなく、イデオロギー一般を扱う思想団体でもなく、学習
教育によって「広範な労働者と人民大衆の階級的自覚の形成と発
展」に寄与することをめざす学習教育団体である
*第二に、したがって、何をどのように学習教育するかが問われる。
この学習教育内容、学習教育の理論や方法が科学的社会主義に
もとづくもの。「科学的社会主義の立場」とはこのことを意味している
*第三に、以上のことに賛同できれば、誰でも参加できる大衆的な
運動と組織である。
以上。
いつものように、感想交流です。
参加者の感想は以下。
「自分がどう生きてきたかを語ることが、それだけで
学習となるんだなと思いました。学んで、知って、
変わることが、今生きている1人ひとりに本当に重要
だと思います。討論の中で出てきた、閉塞館を打破
するために、間違った選択をしてしまう人が多い中で、
学習協や民青などで大衆的に学ぶ活動の意味が
大きいなと思います」
「右翼的から変わった人を身近な同世代議員で知って
いるので、やっぱりおられるよなーと思った。
山田会長が労働学校の講師で、運営委員に総批判
され、相談した高田求さんに『おめでとう』と言われた
話はよかった。信頼されてるからというのは、そのと
おりだと思った。そういう人間関係が大切だと思う。
『人間らしさを追求する』というテーマは、今の時代に
とても大切なテーマだと思う」
「会長の自分史は楽しく聞かせていただきました。
豊かな成長をされていると思います。そういう成長を
みんなとしていきたいと今でも思います。日々学びを
深めたいですが日常におわれる事が多く、昨日・今日と
楽しくすごさせていただきました」
「人にとって『真実』と『知る』ことは、大切。『批判』
とは、方法を考え直す機会、相手を考えるよい機会」
「会長のお話、60年代・70年代を思い起こすきっかけ
でした。『あの頃はあんなこともあったなあ』などなど。
さ、前へ進もう!」
「科学的社会観の欠如が政治を混乱におちいらせて
いることを学びました。いい話を聞かせていただきました」
「人にはやっぱり歴史があるんだなと、すごく楽しく
お話を聞くことができました。人との出会い、転機、
人間は変われるんだとあらためて感じました。
学習運動の活動をしていての、批判とそれに対する
高田さんの答えが、すごく身にしみました。あらためて
労働学校、学習運動の大切さ、学ぶことの大切さを
知ることができました」
「学んで、学んで、自分の限界を越えたい。最近、
行き詰まりを感じていますが、何とかそこを越えて
行きたい。それが自分の限界を越えることで、
成長になると思う」
「おもしろい話でした。笑った。節目でめざす人が
いるっていいなと思った。仲間の大切さとか
あたたかさを感じた。自分も、『あの人みたいに
なりたい!』と思ってもらえるように。日々学んで
いきたい」
「真実を知ることが人生をかえる、ということが
印象に残りました。自分や周りの若い人を
ふりかえっても、本当にそうだなあ、と。
昨日のお話とも関連して、3.11以降、『本当の
ことってなんだろう』『真実にもとづいて行動したい』
という思いをもつ人は増えていると思います。
討論の中で、人によってはその真実が大阪市長の
橋下さんが言っていることと感じてしまうこと、
複雑な情勢のなかでおこっています。だからこそ、
労働学校などの学ぶ場と仲間が求められている、
がんばらな、って思いました。先パイのウヨキョクセツ
ありの話をきけるのは若い人にとって貴重な機会
ですね」
「私は『学習』することのイメージを最初、一定の
考えを教えこむ、洗脳することなんじゃないかと、
誤解していたことがありました。
でも、山田さんの自分史を聞いて、上に書いた
ことは学習ではないなと、思いました。たくさんの
人に出会って、様々な考えにふれて、議論し、
たたかっていく中で、今の山田さんがつくられて
いることを知って、特定の考えにしばられるのでは
なく、科学的な考え方を身につけ、みんなで話し
合い、よりよい社会、生き方を身につけていくことが
『学習』だと思いました。
自分は異なる考えの人と議論をかわすことが
とても苦手で日和ってしまうのですが、今ネット右翼
だったり橋下支持の人にも学習運動に出会うことが
大切だと思うので、労組やたくさんの若い人たちを
倉敷集会に誘いたいと思いました」
「山田先生の生い立ちの話がものすごく面白かった。
真実を知ることによって人は変わる、真実はひとつ
(コナンの名ゼリフ)。色々な人との出会いやその人
とのやりとりで、事実から運動を作っていくことと、
科学的社会主義を学び発展させていくという創造的な
仕事に1人ひとりが関わっていくことのすごさを感じた…」
以上。
2日間にわたってのダッシュ企画でしたが、
内容はものすごく充実していたと思います。
山田会長も、「若い人が多く、たくさん勉強になった、
倉敷集会に向けて期待がふくらんだし、元気が出ました」
と語っておられました
山田会長、ありがとうございました!
2012年、勢いよく、ダッシュします
岡山の平和委員会の名誉会長の中尾さんも、バリバリの軍国少年でした。
そういう人、ほんとうに多いですよね。
たしかに逆の人もいますが(汗)。
読売のナベツネさんもそうですよね、たしか。
投稿情報: 長久 | 2012年1 月24日 (火) 09:16
不破哲三さんも、軍国少年だったそうです。逆に若いころはマルクス主義者だったのにいまでは軍国主義者みたいになった人もいます。新しい歴史教科書をつくる会には、そういう人がたくさんいるそうです。
投稿情報: 路傍の人 | 2012年1 月23日 (月) 23:43