最近読み終えた本。
新年から、やはり乱読状態。一貫性なし。
『女を装う』(駒尺喜美編、勁草書房、1985年)
さすがに30年近く前ということで、
ジェンダーの学問や視点の発展という点で
古さは感じる内容ですが、
服装におけるジェンダーの
「はめこみ」がよくわかります。
服装によって、「行動の制限」「不安定性」「無防備性」
... 「服従性」「男が求める美」の役割を「装う」ことを、
男性は女性に求めてきました。
コルセット、スカート、ハイヒール、そして着物・・・。
(これらを全面否定するつもりはモチロンありません)
AKBのみなさんがミニスカートでなく、ズボン姿で登場してくる
ことは絶対にないでしょう。彼女たちの「服装を選ぶ自由」
というのは、一定の範囲に限られ、著しく制限されています。
「女たちがズボンを獲得するまでには、苦しいたたかいの
歴史があった」の言葉が印象的でした。
ハイヒールは、17世紀のヨーロッパで生まれたそうですが、
不安定性の象徴であり(たしかにとても歩きにくそうです!)、
「女は無力的存在であること、不安定、頼りない存在であるから、
男に頼らなければ生きてゆけないことを示すため」という指摘は、
なるほどなあと思いました。
『黒革の手帖』(松本清張、上・下巻、新潮文庫、1983年)
銀座のクラブ界、欲望にまみれた人間たちの見事な描写。
心理描写も、すごくリアルで恐いほど。
さすが清張! 読みごたえがありました。
結末は必然性を感じる内容だけど、後味は最悪…。
さすが清張!
最近のコメント