きのう晩は、「社会進歩と女性講座」の3回目。
テーマは、
「女性の『公的産業への復帰』~今日の世界における女性の地位」
でした。
時間がきても、会場にはひとりだけ・・・。
がびょーん。どーしようと思っていたら、
その後2人参加で計3名。
なんとか学習会ができました。ほっ。
きのうは、ノルウェーのニュースの
ビデオもみました。
日本とかなーり違う雰囲気に、みなさん驚き。
が、全体的には、やはり準備不足。
なかなか難しいです。
中身は、4回講座のなかで一番おもしろいところですが。
学習後の感想交流は、新婦人のT田さん、I村さんから、
おもしろい(?)話がでるわでるわ。女性はすごいなぁ。
以下、講義の概略です。
一。女性の「公的産業への復帰」-世界の到達点
1。参政権(別紙)
2。政治(国会議員・閣僚)への進出
◇国会議員に占める女性比率(上位国と主要国、07年11月末現在)
*ルワンダ(56.3%)、スウェーデン(47.3%)、フィンランド(42.0%)、
コスタリカ(38.6%)、ノルウェー(37.9%)、ドイツ(31.6%)、イギリス(19.7%)、
フランス(18.5%)、アメリカ(16.3%)、韓国(13.4%)、日本(9.4%)
*189か国の全国会議員のうち、女性議員の占める割合が、07年1月
時点で過去最高の16.9%に(列国議会同盟<IPU>調べ)。女性議長
も最多を記録。
◇閣僚に占める女性比率(上位国と主要国、07年)
*フィンランド(60%)、ノルウェー(47.4%)、フランス(46.7%)、
スウェーデン(45.5%)、ドイツ(38.5%)、イギリス(34.8%)、アメリカ(29.4%)、
オーストラリア(16.7%)、日本(11.1%)、韓国(5.0%)
3。たとえば、高等教育やスポーツ
◇高等教育
*全女性のなかでの、高等教育を受けている女性の割合
・ヨーロッパ(1970年11%→1990年代後半46%)
・世界全体(1970年7%→1990年代後半17%)
*大学教員のなかに占める女性の割合(上位国と主要国、1990年代あるい
は入手可能な最新データ)
・チェコ(52%)、キューバ(45%)、モンゴル(43%)、ニュージーランド(42%)、
アメリカ(39%)、ノルウェー(36%)、スウェーデン(35%)、フランス(34%)、
イギリス(30%)、イタリア(29%)、韓国(28%)、ドイツ(25%)、日本(22%)
◇オリンピックへの女性選手の参加(参加選手のうち女性の割合)
*1896年アテネ大会(女性の参加は禁止)、1924年パリ大会(4%)、1964年
東京大会(13%)、1988年ソウル大会(25%)、2008年北京大会(45%)
*女子マラソンは1984年から(女性には長距離は無理だと思われていた)
4。労働力-そのための社会的条件づくり
◇主要資本主義国の、女性の労働力率の推移(別紙)
◇職場での差別をなくす問題
①同一労働同一報酬、②均等待遇、③「間接差別」を認めない
◇女性が働くための社会条件づくり
*1960年代~1970年代にかけて、「公的産業への復帰」を保障する条件
づくりの進展。その到達点としての、国連「女性差別撤廃条約」(1979年)。
①社会からの支援体制(出産、育児、家事など)
②私的領域における差別撤廃の立場を推進
*EUの取り組み
・欧州委員会の政策とイニシアチブ
・欧州議会には「女性の権利委員会」という常任委員会
*先進国では、労働力率が高いほど、出生率が高いという傾向
*出産・子育て比較、ジェンダー比較のおもしろい本
『子供の生きる国-産んで育てて、ニッポン・イギリス・フランス』
(薗部容子、新風舎、2005年)
『産める国フランスの子育て事情-出生率はなぜ高いのか』
(牧陽子、明石書店、2008年)
二。躍動する世界の女性たち-人権はたたかいとるもの
1。世界の女性たちの歩み-画期となった「女性差別撤廃条約」
◇国際女性デー
*起源は1910年。さまざまな曲折をへて1921年から3月8日に統一されていく。
*1977年、国連総会で、3月8日は「国連の日」と決議(日本は棄権)。
◇世界人権宣言(1948年)
◇人権条約としての社会権規約、自由権規約(1966年)
◇1967年国連総会で「女性にたいする差別撤廃宣言」
◇ウーマンリブ運動
*1960年代後半から70年代前半にかけて、欧米を中心としたウーマンリブ
運動(女性解放運動)の高揚。
◇1975年、国連は、第27回総会で「国際女性年」を決議
*同年、メキシコで第1回世界女性会議を開催(133か国、6000名参加)し、
「世界行動計画」(メキシコ宣言)を発表。第2回コペンハーゲン(1980年)、
第3回ナイロビ(1985年)。
◇1979年「女性差別撤廃条約」(日本は1985年に批准)
*条約とは何か?
*その内容をみる
*条約を批准した国に内容を守らせるしくみ
◇1995年第4回世界女性会議(189か国、30000人参加)と「行動綱領」
*エンパワーメント(力をつける)がキーワード
*12の重大関心領域
①女性と貧困、②女性と教育、③女性と健康、④女性にたいする暴力、
⑤武力紛争下の女性、⑥経済と女性、⑦権力および政策決定における
女性、⑧女性の地位向上のための制度的メカニズム、⑨女性と人権、
⑩女性とメディア、⑪女性と環境、⑫少女
2。北欧の女性たちのたたかいに学ぶ-人権意識の高さと行動力、創造性
◇スウェーデン「次は女の番」(政府報告書のタイトル)
◇フィンランド「国会に100人の女を」
◇アイスランド「女のストライキ」(1975年、1985年)
◇ノルウェー女性の社会進出の最新到達(ビデオ学習)
3。世界にはまだまだ女性問題が山積
◇貧困と女性、女性にたいする暴力
*少女に結婚を強いる早期婚、DV、セクハラ、レイプ、隔離、人身売買・・・
◇伝統的なジェンダー意識も根深い
★しかし、これらの問題と世界は向き合い続け、解決への確かな歩みを
続ける。
◇女性が躍動し、輝く21世紀-「女性の権利は人権である」
*すべての人が人間らしい発達と営みを保障されるとき、世界は新しい
姿をみせる。
さいごに:ジャンダー問題への視点を私たちの運動にも
◇「女性なくして発展なし」を、私たちの運動視点にすえる
◇そのためにも、学ぶ活動を重視する。女性自身が力をつける。
以上。
講義録はこちら(約1時間40分)。
090303_001.mp3をダウンロード
(始まるまで時間がかかるかもしれません)
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