きのう、自宅の本棚で別の探し物をしていたら、
『百合子と「資本論」』(服部文男、宮城県学習協議会、2002年)
という60ページほどのパンフレットを発見した。
「おお!こんなものがあったとは!」と喜ぶ私。
なぜなら、今年の学習テーマそのものだからである。
女性講座を終えて、
いま私は『資本論』を読み始めている。
このかん、部分読みは何度もしてきたが、
通読挑戦は2回目である(10年ぶりぐらい)。
今回は何冊かの解説本と平行して読み進めている。
1回目の通読のときは、「学ぶ」というよりは、
「文字を見る」的な印象で、
とくに2部・3部はさっぱりわからなかった。
今回は気合いを入れて、「理解する」ところまで
もっていきたいと思っている。
で、おおよそ夏ごろまでは『資本論』に集中して、
秋頃から、宮本百合子の全集を読んでみたいと
思っていたところなのであった。
というわけで、『資本論』と宮本百合子。
まさに私の問題意識にピッタリのものが出てきた。
ところで、このパンフレット、じつは6年前に
読んでいたらしい。
私は本を読んだら「読了した日」を巻末にメモる
ことにしているので、読んだ本はわかるのである。
このパンフレットも、2003年の1月に読んでいたらしい。
が、線もまったく引いていない。問題意識なく読んだのだろう。
真っ白であった。
今回は、線を引きつつ読む。
結局、百合子は『資本論』を最後まで読み通せなかった
らしいが、当時のいろいろな制約があったのだと思う。
いまは訳の問題もふくめ、学習環境が当時とはまったく違う。
服部さんは、
「百合子という作家にとって、『資本論』というのは、
天皇制国家権力の暴虐きわまる弾圧のもとで、進
歩的なヒューマニズムと科学的世界観を貫くため
の『魂の砦』だったということができると思います」
と述べている。
いろんなエピソードふくめ、
おもしろいパンフレットであった。
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