ペリーの「日本遠征記」は、中断することも多く、
ようやく2巻目の後半に入ったところ。
まだ黒船は小笠原諸島あたりをウロウロしています(笑)
大河ドラマ「龍馬伝」では、もう黒船に遭遇しているのに…!
『ルポ 貧困大国アメリカⅡ』(堤未果、岩波新書、2010年)
前作と同じく、アメリカの
現状のすさまじさに驚きます。
「資本主義はここまで
社会を腐敗させるのか…!」
てな感じです。
とくに囚人労働の章にはビックリ。
しかし、ここで告発されている内容は、
日本でも共通する、私たちのたたかいの課題でもあります。
『インターネット新時代』(村井純、岩波新書、2010年)
この分野にはまったく
疎(うと)いので、疎いなりに
学ぼうと思い…。
でもやっぱり感覚的にしか
つかめないという状況です。
抜本的に強くなるためには、
基礎からの学びが必要です(涙)。
『居住福祉資源発見の旅Ⅱ-地域の福祉力・教育力・防災力』
(早川和男、居住福祉ブックレット15、東信堂、2008年)
たしか「Ⅰ」を読んだときも、
目からウロコ的な発見があったのですが、
「Ⅱ」も地域社会、自分の住んでいる空間を
みつめ直すことができました。
居住福祉の観点からみると、
ほんとうに日本の「まちづくり」「空間づくり」は
間違った方向に進んでいるとしか思えません。
『子ども理解-臨床教育学の試み』(田中孝彦、岩波書店、2009年)
前も書いたことがあると
思いますが、労働者「教育」に関わる
ハシクレとして、教育関係者の
蓄積されてきた理論と実践を
貪欲に学びたいとつねに思っています。
で、でですよ。
田中孝彦さんの論文などはこれまでも
読んできたのですが、本書は現時点での
田中さんの研究の集大成的なものとなっていて、
ものすごく示唆に富む内容でした。
これは今年のベスト5に間違いなく入ってくる本ですね。
(ちょっと早いけど)
こういう本を読むとき、私は、どんな問題意識を
もって臨むかというと、
ひとつは、
自分の周りにいる子どもたち(親戚の子とか近所の子とか)を
念頭に置きながら、「その子たちにとって、自分はどんな
大人として存在しようとするのか」という意識。
もうひとつは、
「この教育実践と研究蓄積を、学習運動にどう活かすか」
ということ。
本書は、どちらの問題意識にも、
見事に応えてくれ、たいへん刺激的でした。
「子どもの声を聴く」
「子ども理解のカンファレンス」
「子どもの人生イメージ」
「“共通理解”と“個性的理解”を同時に深めていく場」
といった、大切なワードをしっかり胸に刻んで血肉とし、
応用・活用していきたいと思いました。
あと、
「1人ひとりの子どもの学習が、他の子どもの学習を
促すような、『知的共同』を組織する」という言葉が、
すごく気にいりました。
学習運動の集団学習の場も、こうした「知的共同」の
場にいかにしていくか、それが問われています。
本書は、私の立場で、私なりの読み方を
したわけですが、教育に関わる人、子どもに関わる人、
子育て世代の人、それぞれの立場や問題意識によって、
また違った栄養をくみ取ることができるはずです。
いや、そうした枠にはめず、できるだけ多くの人に
手にとってもらいたい本です。
日本の教育実践、教育研究の蓄積は、
やはり底力があるなと痛感しました。
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