ほんとうに残念です。
井上さんの9条の会などでの発言などは、
あらかた読んでいたと思いますが、いつも面白く、
思わぬ視点で憲法を語られていて、すごいなあと思っておりました。
たとえば、井上さんが大好きな憲法の条項は22条の2項、という話。
こんな条文→「何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない」
へえって思いました。そんなところに注目するなんてって感じでした。
(詳しくは、『私の座標軸-憲法のいま②』かもがわ出版)
でもやっぱり、私が一番印象に残っているのは、
たぶん高校生のときに読んだ『吉里吉里人』(新潮文庫)です。
これはたしか高校の現国の先生のオススメで、読んだ記憶があります。
すごく強烈なインパクトを読後にもった記憶が(内容はほとんど忘れた)。
いま読めば、まったく新しい発見があるんだろうなぁ。
あとは、『父と暮らせば』(新潮文庫)ですかね、やっぱり。
生き残った被爆者の心のうちに寄り添う作品でした。
また、
『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』(新潮文庫)は、
人に読んでもらえる文章づくりの基本テキストとして、
たいへん教えられるところの多い本です
「文章とは何か。これは、簡単です。作文の秘訣を一言で
いえば、自分にしか書けないことを、だれにでもわかる文章で
書くということだけなんですね。
いい文章とは何か、さんざん考えましたら、結局は自分に
しか書けないことを、どんな人にでも読めるように書く。これに
尽きるんですね。
だからこそ、書いたものが面白いというのは、その人にしか
起っていない、その人しか考えないこと、その人しか思いつか
ないことが、とても読みやすい文章で書いてある。だから、そ
れがみんなの心を動かすわけです。
単純に、単純に、相手にわかりやすいように書く。これが出
来ればいい。もう、これでわたしの『作文教室』を終えてもいい
んです(笑)」(32P)
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