79期岡山労働学校「こんな人に会っちゃった教室」の第8講義、
ついに最終講義となりました。参加は14名でした。
講師は、岡山が全国に誇る平和活動家、
中尾元重さん(県平和委員会名誉会長)でした。
テーマは「精神の遍歴と行動の戦後65年」。
平和委員会と学習協は事務所が
おなじ部屋なので、中尾さんの活動ぶりに
日常的に接していますが、すごいですよ~。
パソコンを使いこなし、英語も堪能。
なにより、平和運動への情熱と理論の緻密さ。
ほんと、尊敬できる人であります。
中尾さんは、15歳で終戦を迎えるのですが、
生粋(きっすい)の軍国少年だったこと、
「天皇陛下のために、いかに死ぬか」ということが、
最高最大の道徳であり、生き方だったことを話をされました。
戦後、そうした教育を受けてきた自分の頭は、
「基本的人権」「民主主義」というものを受け入れることができず、
「般若心経」の「空」の意味を追い求めたり、
真理とは何か?と哲学の本を読みあさったりしたことを話されました。
そうしたなかで、だんだんと、軍国少年時代の自分の思想を
のりこえてくることができたといいます。
哲学の独習をすすめると同時に、
電電公社の社員として歩みはじめ、
さまざまな研究・提言を電電公社に行なうなど、
すごくエリートだったということです。
哲学の学びでは、哲学史にグッと入りこみ、
パスカル、タレス、ベーコン、ヘーゲルから、
最終的にはマルクス、エンゲルスの
唯物論と史的唯物論に行きつき、
『資本論』を読破するようになったと、説明されました。
また政治的には安保闘争の大波のなかへ入り込みます。
その後も、企業労働と平和運動を
ものすごい努力で両立され、
さまざまな論文も数多く書かれました。
軍国少年から、宗教的模索、哲学の学び、
そして平和活動家へ。
その中尾さんの歩みは、
参加した人の胸をうったようであります。
こうした話を聞くことで、若い人たちは、
その考え方、生き方の芯のようなものを受けとって、
前にすすむエネルギーを着実に育てています。
グループ討論も、たいへん盛り上がったようでした。
79期も、この討論の時間は、楽しく、学びをおおいに深める
ものになっていましたね。
さて、79期労働学校も、17日の修了式&修了コンパを
残すのみ。受講生のどんな思いがきけるのか、楽しみです!
以下、参加者の感想文です。
「哲学をあらためて勉強したいと思いました!」
「人ってこんなに学んで変わるんだと教わりました。
学びつづける意味について考えさせられました」
「哲学をきちんと学んだうえでの平和活動があるん
だと思った。すごい!! 哲学、学ばねば」
「骨の髄まで軍国少年。それから平和活動家への
転身は、相当な学習が必要だったと思います。
当時の青年は早熟ですネ。それとも中尾さんが
賢すぎた?学習の内容はレベル高かったです。
仏教・哲学・数学・英語・・・多くの分野の学びが
真理への探求につながるのだと思いました」
「教育はすごいを通りこして怖いなと感じた。中尾
さんのすごいところは、自分の知りたいと思った
ことを自分で学んで、自分の世界を変えたこと
だと思います。自分の世界からとびだせー!!
知は力!!をそのまま体現した人だなーと」
「人生(自分)をつくるための学びを語ってくださり、
迫力があったです!疑うことは難しい、大変・・・
でも、『真理とは何か』を求めて、すごーい量・質の
学びが、今の中尾さん、活動をつくってきたんですね。
深夜2時まで活動しても、朝8時半にはなにくわぬ
顔で一人前の仕事。大事なことですね。私もこう
ありたいです。・・・頑張ります。 変革の人中尾さん☆
お話が聞けてよかったです。早く著作集を・・・!」
「中尾さんの、想像をはるかに越えるインテリジェンス
っぷりに中尾さんファンとしては、もう目が☆☆になって
しまった次第です。素適すぎです。中尾さんが自分を
成長させるような学びを、ひとつひとつ納得しながら
積み重ねてきた様が伝わり、本当にすごいなあと思い
ました。しかも行動のための哲学に自ら育てていってて、
素晴しすぎです」
「『天皇のために命をささげる』という考えからなかなか
抜け出すことができず、宗教・哲学の学びを経て、よう
やく資本論から安保闘争、平和運動の考えにたどり
ついた、という中尾さんの学びの歴史がとても印象に
のこりました。学ぶことが平和運動に大切だといいます
が、本当にその言葉が中尾さんの生き方に表れている
と思います。私はあんなすばらしい研究や論文はかけ
ないし、知らないことも多いですが、一緒に学び合える
仲間はいます!!仲間とともに学習しあって、何か
動かしていけたら、と思います」
さいごの「なごみ」には12名が参加(すごい出席率)。
「今期どうだった?」の感想を交流しあいました。
Mじゅんくん、いいこと言うたなあ。他の人の感想も、
「なるほどなー」というものばかり。
そんな意義ある労働学校に今期もすることができて、嬉しいです。
運営委員会のがんばりと魅力が、大きかったなあ。
いやあ、修了式、ほんとに楽しみですな。
今期は、通し受講が少なかったのが、大きな課題として
残りましたが、単発参加もふくめると、79期の労働学校で
学んだ人は50名ちょい。若い人を中心とした学びの場として、
引き続き定着しています。
でも、まだまだ。もっともっと広げたい。
私の頭は、80期に向けて、激しく動き始めています。
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