久しぶりの「読書記録」。最近読み終えた本たちです。
仕事に関係なさそうな本も多いけど、じつはすごく役立ちます。
視野広く学ぶことは、ほんとうに大事だし、何より面白い。
『女性を活用する国、しない国』(竹信三恵子、岩波ブックレット、2010年)
こういう本を読んで、日本の国会中継とか
みると、ほんとうに悲しくなり、また違和感を覚えます。
男ばっかりですからね!
フェミニストの三井マリ子さんのコメントが
載っていたけど、民主党などが「女性候補」を
大物政治家の対抗馬でたてていることも、
「女性が選挙に勝つのではなく、
女性で選挙に勝つ、に過ぎなかった」ということ。
女性の現状打開を求めて女性が自力で出てきたと
いうより、党を選挙で勝たせるための「道具」として
女性が利用されてきたという見方。
そうでない人ももちろんいるだろうけど、妥当な見方かもしれません。
そうか、インドもクォーター制を導入していたのかとか、
新しい知識も得つつ、
まあこれまでの学習のおさらい、という感じの本でした。
それにしても、女性の参画が圧倒的に遅れている日本。
もう、「先進国」というのはやめましょう。
明らかに後進国ですよ、いまの日本は。それはもう、恥ずかしいぐらい。
学習運動でも、女性の割合を高める努力は絶対に必要!
21世紀の運動は、女性の力なしに前進は切りひらかれません。
『普天間基地はあなたの隣にある。だから一緒になくしたい。』
(伊波洋一、かもがわ出版、2010年)
いよいよですね。沖縄知事選。
これはとてもコンパクトに歴史や現状、
打開の方向性が示されていて、良いです。
グァム移転の意味や位置づけとかも
よくわかりました。
多くの人に読まれるべき本です。
『先生が好き学校が好き-子どもの数だけ豊かさがある』
(笠原紀久恵、国土社、1998年)
同じ著者の『友がいて ぼくがある』も
すばらしかったけど、こちらも深く面白い。
民主的な教育実践記録って、ほんとうに
学習運動にとっても学びの宝庫ですね。
たいへん役立ちます。
とくに「労働学校」のめざす姿、イメージと
重なる部分があり、大きな収穫があった1冊です。
笠原さんの前著よりもさらに、
子ども観・人間観・集団観・教育観などが豊かに
なっているように思いました。
「大西くんの金メダル」のエピソードには、涙、涙。
ほんとうに、こんな子どもたちが育つんだろうかというぐらい、
ステキな学級集団です。
『ファッション・ライフのはじめ方』(高村是州、岩波ジュニア新書、2010年)
いやいや、なかなか面白かったし、
自分自身にとってもすごく良かったです。
だって、わたし、あんまりファッションに
こだわってませんでしたから(汗)。
というか、そういう文化的土壌があまりなかった。
でも、ほんとうに「おしゃれ」「身だしなみ」って、
社会性をもってるんだなーと、改めて学べました。
そして、自分にあったおしゃれポイントも分かりやすく
書かれていて、すぐに役立ちそうです、はい。
それにしても、いまの若い世代は、おしゃれな子が多い。
これは、進歩といえますね。
自分なりのファッションがお手軽にできるなんて、
ほんとここ最近のことです。この面では、いい時代になりました。
とりあえず私も、靴をもう2足ぐらい買うところから、はじめましょうかね。
この秋・冬は、ちょっとだけおしゃれになってみたい。チャレンジです。
『ひとはなにを着てきたか』(黒川美富子、文理閣、2004年)
ということで、上の本に触発され、
「そういえば、前にこんな本買ってたよなー」と
自宅の本棚を探したら、ありました。
6年前に買っていた本です。ついに日の目をみましたね。
新聞連載をまとめたもので、読みやすいのですが、
若干深まりに欠けるかなという印象ですが、
それでも、「着ること」の歴史や文化に興味津々。
私は講師活動などで、「衣食住」という言葉を
使うことがけっこうありますが、
「食」「住」はそれなりのこだわりもあり、語る内容を
もっていましたが、「衣」についてはさっぱりでした。
でも、『ファッション・ライフのはじめ方』と、この本を読んで、
これからは「衣」についても少しだけ豊かに語れるかなーと。
そして、「歴史的にものごとをみる、とらえる」ことの大事さ。
「衣」にも豊かな歴史あり。
その時々の人間の「衣」にかんする苦労を知ると、
やっぱり機能的で、おしゃれな服にかこまれている現代って、
めぐまれているなあと。
でも、この業界って、けっこうたいへんな労働環境。
そこも見ていく必要はありますね。
『光が照らす未来-照明デザインの仕事』(石井幹子、岩波ジュニア新書、2010年)
ふだん、なにげなく見ていた、
夜の街や照明の見方がグッと変わります。
そうだよなー、1日の半分は暗いんですよね。
だから、人間は「光」「灯り」を上手に活用してきた。
この「あたりまえ」を深く考えることができました。
私の生活にも、これからは「光」の要素を
どんどん取り入れていきたいと思いました。
著者は、最近では建物などのライトアップを主な
お仕事にされている、照明デザインの日本における草分け的な人です。
有名なライトアップでは、東京タワーとか、横浜ベイブリッジとか、姫路城、
明石海峡大橋、白川郷合掌造りの集落、長野の善光寺など。
海外でも多く仕事をされています。
なんと倉敷・美観地区の夜間ライトアップも、
この石井さんのお仕事だそうです。もちろん初めて知りました。
「昼間に照明器具がみえないように」という厳しい条件を
クリアして、たしかにいま、美観地区は夜も美しい。
また今度、夜にいったときに、じっくり見てみたいと思います。
そういえば、岡山城もライトアップされてますが、
うーん、ちょっと怖い雰囲気があります。あれはイマイチですね。
まあ、街が明るすぎて星が見えなくなるなどの
否定的影響もあるとは思いますが・・・。
光と人間の関係。あたえる影響。
あたらしい関心事になりました。
『「ゆらぐ」ことのできる力-ゆらぎと社会福祉実践』(尾崎新編著、誠信書房、1999年)
これも大変役立つ学びでした。
やっぱり人間、ゆらがないと成長はないです。
もちろん、ゆらがない部分も必要ですけど。
たとえば学習運動でもそうですが、
一直線に活動家になる人なんて、まずいません。
いろんな「ゆらぎ」を経験し、またそれと向き合いながら、
だんだんと成長していくわけです。
逆にいえば、相手に「ゆらぎ」を起こさせる働きかけこそが
必要なんだ、ということも言えるのかなと。
自分自身の「ゆらぎ」を大事にし、またそれを客観的にみれる力。
他者の「ゆらぎ」に共感し、寄り添える力。
活動にとっても必要なこと、態度をたくさん学べました。
なにより、やっぱり弁証法的なんですよね、「ゆらぎ」への捉え方が。
そこもまた、おもしろいところでした。
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