7日、8日に行なわれた、
岡山県学習協の2011年新春学習会の報告です。
金曜日(7日)は、18時30分から、
県学習協の伊原会長から開会のあいさつ。
18時40分から、
「民主党政権の経済政策とたたかいの課題」という
テーマで石川康宏さん(神戸女学院大学教授)の講演。
石川先生の講演レジュメ(パワポをPDFにしてます)は
こちら Keizaiseisakuをダウンロード 。
参加は45名でした。みなさん熱心に聴いておられました。
途中まで、会場がけっこう寒かったことに気づかず(会場外にいたので)、
失礼しました(汗)。
石川先生のお話は、テンポと迫力、わかりやすさが抜群です。
ときどきしっかり笑いもとる。
というか、いまの政治のアホさかげんが、笑いの対象ですね…。
熱く語る石川先生。
みなさんの印象に特に残ったのは、「思想を鍛えることが重要」という、
最近石川先生が強調されているお話だったようです。
ほんとうに、人権とか、民主主義とか、まだ日本人の体にしみついてない。
資本主義の生まれ方の性格の違い、積み上げたものの量的な違いも。
でも、この「遅れ」は、ずっとこれからも宿命づけられているわけではない。
私たちは、いま、そこを切りひらく闘いをはじめているところだと思います。
講演は予定通り(笑)時間オーバーとなり、
質疑応答は5分間のみとなってしまいましたが、
「車を運転しているときに勉強はできないものか」
「菅首相はなぜあそこまで軽いのか」
という質問がでまして、石川先生のお答えもおもしろかったです。
信号待ちでグラムシですか・・・。すごい人がいるもんです。
私も雑誌を信号待ちや渋滞時に読んだりはたまにしますが(笑)。
石川先生のお話は、参加者のみなさんに大好評で、
終わったあとの会場の雰囲気が、「熱」をおびているというか、
たたかいも独習もがんばるぞ的空気感が生まれているのです。
すごいことです。
以下、参加者の感想のいくつかを。
「今の民主党政権の経済政策にとても興味があり、どうにかしたい、
勉強したい気持ちで来ました。具体的でわかりやすいお話でした。
特に『どういう日本をつくるべきか』を語りあうことの大切さ、
『どういう理由であれ、生活に困り食えなくなった人が死ぬ、それを
見過ごす社会でいいのか』、そのためにはどうしたらいいのか、
とても考えさせられた。はっきりと今のままではいけないことを、
言える、また語れる自分でありたいと思った。賢くなる努力のため
勉強をしていきたい」
「“自分の知的成長”のところでは耳の痛い、大変思いあたる
ことをずばずば言われて、逆にすっきりしました。会議と会議の
間にある時間を学習の時間、自らの学びの時間として確保する
ことこそが手帳の正しい使い方だというご指摘、がんばって実行
します。『新しい話題を持ちつつ、大きな声で自分の思想を語る!』
(打倒自己責任論)」
「久々に講演をきいたような気がします。人の話をきいて、力を
もらえました。だけど、自分の力にはならないということもわかり
ました。独習こそが自分の力になるのですね。自分の中で、
テーマを決めて独習したいと思います」
「大企業に振り回されている現実が分かりました。“国民が
賢くなる”“思想を語る”、思想を語れるようにしたい。時間を
さいて本を読みます!」
「『思想』の話がいちばん心に残り(つきささり…)ました。思想と
いうとめっちゃ勉強しないと語れないとか、それって共産主義者
って宣言すること?!とか思ってました。でも、何で自分が活動
してるか、大事にしたいことは何か、ということなんですね。
ふりまかれる自己責任論など弱い者いじめの思想にまどわされ
たり、びびったりせず、私は今の社会に納得できない、どうしても、
お金のあるなしで命まで左右されることなんて嫌だって、ちゃんと
言える人間になりたい。石川先生のお話に理論的にも、気持ち的
にも背中をおされ(刺され…?)ました。ありがとうございました」
「“国民が賢くなること”は本当に大切だと思いました。マルクスを
読んで、独習して、自分だけのカリキュラムを作りたいと思いました。
自分の思想を持ち、他者へ伝えられるようになりたいと思いました」
「自分の中で知りたいことがあったので参加しました。TPPのこと
など、イマイチ理解できていなかったのですが、わかりやすくて、
自分の学びとつながり、とてもタイムリーでした。今まで、学ぶ時間
があったのに、いかにムダにしていたかを実感し、これからは、
時間を少しみつけたら、本を開く、勉強(学ぶ)ということを実行して
いきたいと思います。新春学習会に参加して、とても有意義な時間
でした。今年1年成長できるようにがんばります」
「いろいろな所から入ってくる情報がぎゅっとコンパクトかつ濃密に
まとめられていて、わかりやすかった。政府予算案には、ほんとに
怒り心頭。財界と政権のごまかしを、知れば知るほどみんなに
分かってほしいと思うけど、石川先生が言われてたように。分かり
やすく魅力ある言葉で、自分の思いもこめて伝えないとなーと。
『思想を語る』というのは、誰にでも始めやすいし、1人ひとりの
個性も出るからすごくおもしろそうだと思った。民青は自己責任論を
のりこえようとずっとやってきているけど、改めてそれはすごく大事な
ことだなと思えた。手帳を変えたので、スキマ時間~がんばります」
講演会終了後、
石川先生交えての、懇親会。近くの居酒屋さんへ。
主に若い人中心に声をかけ、参加してもらいました。
それぞれ自己紹介と、講演の感想を語ってもらいました。
石川先生への質問もあれこれ。
ということで、7日の報告は以上。
はい、8日になりました。
9時30から、「若者よ、マルクスを読もう」です。
2日間とも、目立つ横断幕が。
医労連のI本さん、ありがとうございました。
この日は石川先生の次の移動時間を考えて、
会場は岡山駅近く。参加は27名。高教組の先生が一定数
参加されてくださいました(専従の方は4人全員参加!)☆
あと、なんと民主青年同盟の中央委員長の田中さんが、
この週末に岡山県委員会の合宿のために来岡されるついでに、
「石川先生の講演があるならぜひ聞きたい」ということで、
この日東京駅朝一番の新幹線でこられ、講演会に最初から参加されました。
私は以前に1度お会いしたことがあって、おたがい面識がありました。
ほんとうにおつかれさまです。
石川先生の講演レジュメはこちら Marukusuをダウンロード 。
私が印象に強く残ったのは、
資本主義とは何かを学ぶときに、価値論や搾取論という
断片だけでなく(それも大事な学びであることは間違いないが)、
資本主義の生成、発展、そして消滅まで、歴史の流れのなかで、
その運動法則、原動力、必然性などを学ぶことが大事だという指摘。
あらためて、石川先生のお話を直接お聞きして
新しい、でもとても求められる学習課題をいただいた感じです。
スケール大きく、資本主義をつかまえる。
そのなかで、生き方や、社会の成熟という問題も見えてくる。
また、「マルクスをなぜ今学ぶのか」ということの意味づけが、
とても整理されていて、大納得でした(以下)。
①労働者たちが苦しみ、たたかっていた当時の社会の中で、
変革者として生きたマルクスらの真剣な生き方を肌で感じる。
②切実な思いの下に探求された、その学問の深みをしっかり学ぶ。
③21世紀の現実に変革者として立ち向かう気概を受け継ぐ。
④マルクスたちが見ることのなかった新しい現代の世界を、
自分たちで分析していく理論的な導きを得ること。
お話は、マルクスの青年時代から、怒涛のような闘いと成長、
革命家として徹底的に学び、自分の頭で考え積み上げた学問の特徴、
マルクスの目で現代世界を見てみると、具体的な学び方のヒント、
などなど。
これだけの内容を一気に語る石川先生。すごすぎます。
この日も予定どおり(笑)講演時間をオーバーし、
私はさいご「新幹線の時間が・・・」とヒヤヒヤしながら講演を
聞いていましたが、なんとか新幹線出発の15分前に講演は終了。
いそいで石川先生は会場をあとにし、岡山駅に向かわれました。
(この日の午後は、広島でのお仕事だったそうです)
ということで、質疑応答の時間がまったくとれず残念でしたが、
参加者はそのあとグループに分かれて感想交流を行いました。
それぞれのグループで、話がはずんでいたようすでした。
12時には感想交流も終了。
さいごに県学習協のT内常任理事から
「2日間、とても充実した学びの時間だった」という閉会のあいさつがあり、
新春学習会が終了しました。
以下、マルクス講演の参加者の感想をいくつか。
「目からウロコが落ちました。学び方をもう一度見直し、自己の
周囲から1歩踏み出していきたいです」
「マルクスの活動や生き方を学んで、自分を振り返ることが
多かった学習会でした。マルクスが17才のときに卒論を書いた
ことや、社会変革を前に進めるために積極的に関わろうとした
生き方は共感というより、教えられる機会になったと思います」
「討論でいろんな話が聞けてよかったです。石川先生の話を
聞くだびに思うのですが、やっぱり学習は大事ですね。年の
始めに学習を計画しよう!という気持ちになりました」
「マルクスの理論を学ばなければならない、必要性をおおいに
感じつつ、翻訳本の読みにくさに足が止まってしまう毎日に、
今日はカツを入れられた思いです。今日までできなかった
『本への書き込み』を始めます。これから本棚を買いに行く
予定なのですが・・・。読む、読む、読む、→語る→広げる。
ページをめくるとそこに『読んでいる自分』が存在していると
実感できるように欄外にメモを残しつつ読んでいこう、と考え
ています。 でもマルクスって、スゴイ・・・」
「とてもわかりやすくおもしろい講演でした。マルクスの生きて
きた歴史的背景や歩んできた道をこんなに詳しく聞いたのは
初めてです。17才のマルクス『人間の本性というものは、
人々の幸福のために働くときにのみ、自己の完成を達成しうる』
というのが、原点なのだと思います。全ての目的は、『人類
みんなの幸福』だということがしっかりわかりました。単に学習
するのみではなく、運動につなげること、変革してゆくこと。
私は学生に人間観、社会観、健康観、看護観を教えていますが、
マルクスをしっかり学んで、自分の言葉で、環境を変えてゆく
ことのできる人間観についてしっかり語ってゆきたいと思います。
あとは、残った時間で学習ではなく、まず手帳の空いたスペース
に予定を書き込むことです!」
「マルクスについてほぼ初めて学習しました。マルクスの生きた
世の中の情勢の中から、マルクスの思想がどのように成熟されて
いったのかなどは、なるほどと思えることが多くあった。“空想”から
“科学”への意味が、なんとなくわかってよかった」
「マルクスが打ち立てた理論が王政という時代の状況と要請が
大きく関係して生まれたものだったという話は、とてもおもしろ
かった。やっぱり、いろんなことが歴史とつながるとおもしろい。
多数者革命の話を聞いていて、今まさに自分のやっていること
がそうだなーと思って、うれしい気持ちになった、遠回りのよう
ですごく地道でも、大事な活動だと思う。本を『読める』からでは
なく、『読める人間になりたい』から買うというのは、とてもすてきな
発想! とり入れます!」
2日間、新春学習会に参加されたみなさん、
本当にありがとうございました
学びをますます力にして、岡山の変革の運動を、
ともに前進させていく2011年にしましょう!
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