きのうの晩は、労働学校の運営委員会。
学習は、「文章の書き方」と題して
私のほうから30分ほどのミニ講座。
成長のスピード を速めるには、
ガツガツと書くことを習慣づける。これが基本。
感想でも、「とにかく書くことを積み重ねることが大事」
ということで意見が一致したようでした
以下、そのレジュメ。
一。なぜ「文章の書き方」ミニ講座をするのか
1。書く(表現する)ことは、成長の大きな要素
◇考える力(判断・分析・創造)
*文章を書くということは、考えていくということ
*「自分はこんなことを考えていたのか」ということもわかる
「全部わかって書いているーこれぐらい、つまらないことも
ありません。それなら、書かないで頭の中で考えて、あっ
全部できたと、もうそれで終わればいいんです。ものを書い
ていて文章が活き活きして自分でもおもしろいな、というの
は、周到に計算して書いているうちに、自分にも予想がつ
かないような展開になる時です。それが実は文章の本当
の値打ちです」
(井上ひさし『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』新潮文庫)
*考えを整理する、緻密に考える訓練。だから具体的に書く。
*自分の実践や学びを見つめる。向きあう。実践や学びの
意味を再発見する。
*言葉はこれからの指針になる。目標、めあて。自分をさらに
伸ばしてゆく力に。
*長久も、ブログをはじめて4年間は、それまでとは違うスピードで
成長していることを感じている・・・!
◇書くことは、体験の定着化に。公共的な要素も。
「『書く』ことの基本的機能は、体験の意味、経験の意味を
あきらかにすることである。体験の意味や経験の意味をあ
きらかにするために、スローモーションフィルムを回すように、
言葉によって体験を定着させるのである。
書き言葉はその定着力にその特徴がある。体験は、その
ままにして放っておけば、流れ去ってしまう。それを言葉に
することによって、後で読み返せる形にして、そのときの心
の状態をつかみとることができるようにするのだ。
話された言葉がその瞬間に消えていくのに対して、書か
れた言葉は定着し、時間を超えて残る。それが書き言葉の
威力である。文字の永遠性を活用して、不安定なものをそ
の都度確定していき、経験の意味を残すところに、書くこと
の基本的機能があるのだ」
(齋藤孝『原稿用紙10枚を書く力』、大和書房)
*書いたものは、基本的には、人に見られる(客観性・公共性をもつ)
*「文字が残る」ということによって、言葉が自分の身体から離れ、
客観性をもつようになる。書くことによって、「みんなでそれを共有
する」ことが可能になる。
*したがって、「書きあう」ことによって、集団の高めあいを起こす
ことができる。
◇伝える力、伝えあう力
*人に思いを伝える基本は、「言葉」によって。
*他者に自分の経験や「心のふるえ」を伝える。他者の経験や
「心のふるえ」を知ることができる。仲間を自分の心のうちに
取り入れることができる。仲間との「つながり」が生まれる。
2。運営委員として「書く」
◇運営委員会の学習課題
◇レジュメをつくる、ニュースをつくる、提案や総括を書く
◇メールを送る
二。文章を書くうえで、大事な基本
1。とにかく、書くことを習慣づける
◇スポーツと同じで、日々の練習・訓練によって、確実に上達する
*書くことを頼まれたら、断らない。
*日記、メモ、ノート
*ブログやミクシィなど、誰でも「文章」を発表できる時代に
◇いろんな本をたくさん読む。文章のうまい人の「書き方」をまねする。
2。自分にしか書けないことを、誰にでもわかるように書く
「いい文章とは何か、さんざん考えましたら、結局は自分にしか
かけないことを、どんな人でも読めるように書く。これに尽きるん
ですね。だからこそ、書いたものが面白いというのは、その人に
しか起こっていない、その人しか考えないこと、その人しか思い
つかないことが、とても読みやすい文章で書いてある。だから、
それがみんなの心を動かすわけです」
(井上ひさし『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』新潮文庫)
◇「自己本位」が作文の基本ー自分のことを考える、自分を語る
◇「読み手のことを考えること」が「だれにでもわかるように書く」の鉄則
3。一文は短く、短く。段落は、読み手のことを考えて。
◇一文のなかにあれこれ入れない。短いものを積み重ねる。
◇出だしの一文も、できるだけ短く、ずばっと書く。
◇段落も、読みやすさと強調したいところを考えて。
つまり読み手への配慮。
4。ひらがな、漢字、カタカナ
◇漢字の多用をさけるー見た目で読む意欲をそいでしまう。
*「有難う」→「ありがとう」、「そういう事で」→「そういうことで」
*ひらがなは、それ自体が世界にまれにみる、美しい文字(だと思う)
◇ひらがな7割。漢字とカタカナをうまく組み合わせて、読みやすい文章に。
◇「!」「?」のあとは、1字空けるのが鉄則。
5。上手な文章の実例(別紙資料)・・・池波正太郎、落合恵子
以上。
クラさんはじめまして。コメントありがとうございます。
そうですか、ツイッターしているなら、
あとはコツをつかめば、かならず上達すると思います。
読書が好きなら、なおのこと。
紹介している井上さんの文庫本はおすすめです。
残念ながら講義の録音はしておりません・・・。
みきさんいつもありがとう。
そう、伝えることが、大事です。
それによって、自分もまた成長していきますから。
投稿情報: 長久 | 2011年2 月23日 (水) 06:31
長久さんのblogはいつもよみやすいですよね(゜o゜)☆
わたしも講義ききたかったですー!どんなにおもっていても伝わらなくちゃ意味がないですよね\(+×+)/
投稿情報: みき | 2011年2 月22日 (火) 20:04
初コメントです。
昨日、まさに文章が書けなくて、悩んで「つぶやいた」ところです。だから、ブログのタイトルを見て、「私のツイッターをフォローしてる?」と思ってしまいました。
私は、読書は大好きなんですが、その本の内容を人に話したりするのが苦手です。
読んで、わかったつもりでいるけど、結局何もわかっていないのでしょうか?
私も「文章の書き方」ミニ講座受けたかったです。音声アップの予定ありますか?
投稿情報: クラ | 2011年2 月22日 (火) 17:01