鳩山前首相が、沖縄の新聞のインタビューに応えて、
“沖縄の海兵隊が抑止力”といったのは、
あとづけの「方便」だったと、あからさまに語ったということ。
菅内閣の支持率がこれだけ下がり、
国民の怒りがふきあれている最中でのこの発言。
いったい何を考えているのだろうか。
それとも、何も考えていないのか。
沖縄の人は、この発言を、どう受けとめるのだろうか。
それを想像することすらできない言葉の軽さ。
「嘘も方便」ということわざがある。
「使う目的がよこしまでなければ、必要なこともあるということ。
(略)一般に嘘が容認される状況とは、例えば病人に本当の
病名を告げないほうがよい場合もあろうし、子供を教育する
場面でも起ろう。相手が真実に耐えられなかったり、平静に
聞くことができない状況では、嘘がかえって状況を好転させる
場合がある。もちろん『方便』の嘘も、乱用すれば本物の嘘と
なるのだが・・・」(『岩波 ことわざ辞典』)
「嘘つきは泥棒の始まり」ということわざもある。
同じ岩波ことわざ辞典には、
「現代でも幼稚園や保育園でよく使われるというから、
子供が最初に接することわざのひとつと言えよう」
と書いている。
たしかに、「嘘をついちゃだめ」というのは、大人が子どもによく
使う言葉の上位にランクされるのではないだろうか。
「狼少年」の話も、子どもによく聞かせる話のトップクラスだ。
嘘をつき続けていると、
もうだれもあなたを信用してくれなくなるよ、と。
ところが、日本の政治は嘘偽りの言葉に
満ち満ちている。
マニュフェストという約束の言葉も簡単に放り投げる。
大人の世界は嘘ばかり、と子どもに思われている。
政治家の「嘘」が、
国民の政治離れをおそろしい勢いで加速させている。
どんなに良い政策や訴えをしていても、
政治家の言葉自体が、信じられなくなっているという不幸。
聞く耳をもたれない。狼少年状態。
「言葉への信頼」を取りもどすのは、
並大抵のことではない、と思う。
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