ということで、
タイトルが石川先生と内田先生の“あの本”のパクリですが、
ちょっとこのタイトルで「上・中・下」と
3回ほど書いていきたいと思います。
もちろん、大人も再読しよう! という意味も
ふくめて書きたいと思います(笑)
まず最初に、この記事は、
長久の個人的解釈、独断的趣向・思い込みが
かなり入っていることをお断りしておきます(笑)。
さて、最近評価が難しくなっているレーニン(1870~1924)ですが、
私はレーニン大好きです。
どこが一番好きかというと、とにかく熱い男、ということです(笑)。
それと比例する言葉の力強さ。
じっさいにロシアで革命を指導し、やってのけた実践力。
そして、青年への態度がとにかくすばらしいことです。
彼の書いたものはもちろん膨大にありますが(あんまり読んでないけど)、
私に一番深い影響をおよぼしている本は、
『カール・マルクス』でも『帝国主義論』でも『唯物論と経験批判論』
でもなく、
『青年学生論』(大月書店)です。
しかしこれは、レーニンがそういうまとまった本を書いたのではなく、
1974年(私が生まれた年に)、日本共産党の中央委員会青年学生部が、
レーニンが書いた、あるいは演説したもののなかで、
青年・学生にかんするものを集め、編集し、出版したものです。
じゃーん、こんな表紙の
文庫本です。
何回手にとったことか。
いちばん有名な、
「青年同盟の任務」も、
またとりあげたいと思いますが、
まずはその他のところから。
ほんとうは絶対によくないのですが、
時代背景、語りかける対象がどんな人か、前後の文脈を
完全に無視して(笑)、
心躍るフレーズのみ紹介していきますね。
「若い力が必要である。私だったら、人がいないなどと
あえて言うような人間をその場で銃殺するよう、率直に
忠告するだろう。ロシアにはいくらでも人がいる。ただ、
青年をおそれることなく、もっとひろく大胆に、もっと大胆に
ひろく、もう一度ひろく、もう一度大胆に、青年をつのる
ことが必要である。(略)彼らをはげまして力いっぱい
働かせよ。(略)すべての革命的創意に富む人々を
猛烈な速さで統合し、うごきださせなければならない。
彼らの訓練不足をおそれるな。彼らの未経験と未熟に
ついてびくびくするな」
(『ア・ア・ボグダーノフとエス・イ・グセフへの手紙』から)
・・・まあ、「銃殺」はぜったい間違いですけど
(冗談か本気かは、文脈からは読み取れません)、
なんと力強い言葉でしょうか。さすが熱い男レーニン。
大胆に、ひろく、青年をつのる。
思いは持っていても、ほんとうに難しい課題です。
青年問題は、理論問題ではなく、すぐれて実践的な課題なのです。
そして、レーニンは口癖のように、
青年がいろいろ誤ったとしても、それはたいしたことではない、と言っています。
そういう青年への熱い信頼が、レーニンの根底にはあります。
それは、「青年同盟の任務」でも繰り返し語られていますが、
次の社会の建設者として「青年」をとらえるレーニンがいるからです。
わがほう陣営の青年論の最近の特徴は、青年の困難・苦しみについて、
自己責任論への反駁(はんばく)、現状と時代背景の分析、教育のゆがみ、
そしてその痛みに心を寄せることの大事さを強調します。
それはもちろん必要で大事だし、そこが出発点になるのだけれど、
「21世紀の建設者」として青年をとらえる見方が不足している
のではないでしょうか。
歴史は前に進まざるをえません。
チュニジアからエジプトなどに連鎖的に波及している
民衆のたたかいをみればよくわかります。
もちろん一直線に進むわけではなく、ジグザグしながらも、
前進の方向が貫かれる、ということなんですが。
新しい世代は、つねに古い世代をのりこえる存在として
歴史に登場してくるのです。
それをレーニンは誰よりもよく知っていました。
だからこそ、レーニンは青年にもっとも熱い信頼を寄せたのだと思います。
しかし、こういう態度は、本当に難しい。
でも、絶対に必要なんです。
若い人を、自分(たち)を乗り越える存在として見れるか。
それが大人世代には問われているのだと思います。
「青年は、必然的に、彼らの父親たちとは違った仕方で、
違った道によって、違った形で、違った状況のもとで、
社会主義に近づいてゆくほかないのである」
(青年インタナショナル<覚え書>)
「われわれの集会では、新人の発言が非常に少ない。
新人の発言は、きわめてのぞましい。なぜなら、彼らの
ことばには溌剌(はつらつ)とした調子があるからである」
(同調者グループの組織についてなされた
モスクワ党委員会の会議での演説)
「人はたくさんいる。ただ必要なことは、追随主義的な
思想や教えを投げすてることであり、創意や発意、『計
画』や『企画』に自由な活動の舞台をあたえることである」
(『ア・ア・ボグダーノフとエス・イ・グセフへの手紙』から)
つづく。
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