喫茶店(カフェ)にまつわる本を2冊読了。
というのも、『学習の友』の6月号から4回連載で、
「カフェ」を切り口にした2ページミニエッセイを
書くことになったため(読んでね☆)。その下準備です。
『珈琲記』(黒井千次、紀伊國屋書店、1997年)
といっても、これは再読了本。
前回読んだのは、この本が出た年の14年前。
なつかしいな~ やっぱ黒井さんの
文章センスはさいこうだな~と思いつつ。
珈琲や喫茶店の魅力を共感しつつ、
味わえる1冊。
『日本カフェ興亡記』(高井尚之、日本経済新聞出版社、2009年)
まず装丁が素晴らしい。
中の紙も薄い珈琲色。
なんと字まで濃いコーヒー色です。
ステキすぎます。
手にとるだけ、持っているだけで
幸せな気分になれました。
中身も、とても興味深く、勉強になりました。
もくじ
第1章 手軽さのドトール vs 楽しさのスタバ
第2章 鳥羽博通氏 vs ハワード・シュルツ氏
第3章 「居心地」を提案した喫茶文化の歴史
第4章 現代型「セルフカフェ」 vs 昔ながらの「喫茶店」
第5章 多様性重視の「総合型」 vs 絞り込んだ「テーマ型」
第6章 カフェ vs コーヒー飲料
第7章 ドトール、スタバの「次にくる」のは?
≪以下、ふむふむと思ったところメモ。≫
カフェや喫茶店は国内で約8万店。コンビニの倍。
「喫茶店」と「カフェ」の定義の違いは、じつは“ない”。
店舗数で見れば、個人経営の喫茶店が多いが、
売り上げという観点から見れば、現在元気なのは
セルフサービス形式のカフェ(ドトール、スタバなど)。
セルフカフェが優位となった理由はいくつかあるが、
前提となるのは、「店のコンセプトがはっきりしている」こと。
セルフカフェを最初につくったのは、ドトール。1980年。
スターバックスが日本に進出したのが1996年。
両社に代表される“カフェ戦争”の時代。
マックの100円コーヒーは、「カフェの客を取り込む
ための戦略」といわれている。味もどんどん進化。
ドトールは、「安い」「早い」「うまい」というのが特徴だった。
気ぜわしくなった時代も追い風。
スタバの功績は、「多くの女性がコーヒーを飲むようになったこと」
「カフェラテ」「キャラメルマキアート」
ドリンクを自分でアレンジできるのも魅力。
店内で飲むドリンクを紙コップで提供したのもスタバが初めて。
ファッショナブルで、テイクアウトもできる。
スターバックス「5つのデザイン要素」
・Handcrafted(手づくり感)
・Artistic(芸術性)
・Sophisticated(洗練された)
・Human(人間らしさ)
・Enduring(永続性)
スタバが掲げるのは「サードプレイス(第3の場所)」としての存在。
自宅や職場・学校以外に、快適に過ごせる場所という意味。
ドトールの創業者鳥羽博通氏の考え。
「世の中の多くの人は日々の生活に疲れているはずだ。
そうだ、一杯のコーヒーを通じて、人々にやすらぎと活力を
与えるのが喫茶店の使命だ」
日本で最初の喫茶店は、1888年に東京・下谷西黒門町
(現在の台東区上野)に開店した「可否茶館」といわれる。
「コーヒーを飲みながら知識を吸収し、文化交流をする場」
日中戦争以後は、コーヒーはぜいたく品として輸入制限。
太平洋戦争時には輸入が完全にゼロに。
輸入が再開されたのは1950年から。
もともとカフェや喫茶店は、「人と人が出会い交流する場」でもあった。
音楽喫茶、うたごえ喫茶。
漫画喫茶、ネットカフェの登場。
そもそもカフェや喫茶店には、フォーマットがあるようでない。
逆にいえば、ドリンクとフードを提供する基本さえ押さえれば、
さまざまなジャンルが成立つ。これまで120年の歴史が
そうだったし、現在の店にもそうした傾向が見られる。
多様化する消費者ニーズの、どこに向けて店の魅力を
訴求するのか? コーヒーや紅茶の基本性能を深彫する
店もあれば、遊び心のあるテーマ性といった付加価値を
追求する店もある。それぞれに知恵をしぼっている。
1世帯あたりの年間喫茶代が全国一高いのは、岐阜市。
フェアトレードの取り組みも業界内では広がってきている。
喫茶店(カフェ)に対して求める条件(全日本コーヒー協会調べ)
・コーヒーがおいしい(男性68.8%、女性63.6%)
・気楽に行ける、入りやすい(男性34.4%、女性29.2%)
・居心地がよい(男性24.8%、女性24.0%)
・立ち寄るのに便利な場所(男性25.2%、女性21.6%)
・リラックスできる、落ちつける(男性21.2%、女性23.2%)
・食べものがおいしい(男性14.0%、女性19.2%)
・タバコを吸える(男性16.8%、女性7.2%)
カフェ・喫茶業界の場合も、業界の外に競合相手がいる。
その1つがコンビニやスーパー、
自販機で買えるソフトドリンク(清涼飲料水)。
伸び続けるチルドカップコーヒー市場。
缶コーヒーの主力も「健康志向」
「カフェは結局、お客に再来店してもらわないと店が続かない」
生き残りをかけて、「魅力づくり」は続く。
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きょう(1日)は、7時~11時まで、選挙のお手伝いをしてから、
電車で出勤(晩の会議のあとに懇親会があるため)。
この本を読んでいたところだったので、
岡山駅の改札内の「ドトールコーヒー」に初めて入ってみました。
ブレンドコーヒーSサイズ(200円)と、創業以来の
看板メニューらしい「ジャーマンドック」(200円)を注文(本日のお昼ご飯)。
これで400円ですか。たしかに安いね。
この本を読みながら、ドトール店内を視察(笑)
店内、机、椅子、全体的に狭いので、ずっと長居する感じではない。
たしかに回転率は高そう。駅内ですしね。立ち飲み用スペースもあり。
私も、20分ほど滞在しただけ。しっかり本読んだけど。
カフェ分析本を読んだおかげで、まったく新しい視点で、
楽しめました
コーヒー飲みながら本を読んでいるときは、しあわせです。
私も、さらなる探求を続けたいと思います。
カフェは奥深い魅力をもってますね。
投稿情報: 長久 | 2011年4 月 2日 (土) 09:06
珈琲も紅茶も大好きなので今日のブログはとてもふむふむ、でした(o^∀^o)
投稿情報: ミー子 | 2011年4 月 1日 (金) 20:25