お堅い記事タイトルですが、そのような講義をしてきました。
きょう(8日)の午前10時より、民青同盟岡山県委員会にて。
事務所2階から、空をながめてみる。初夏の陽気。
事務所の1階は、GW中の整理整頓・掃除で劇的な変化をとげていた。
よかったよかった、すばらしい。
さて、今回の学習会は、
民青同盟の県委員・倉敷地区委員を対象に、
ひとり残らず受けてもらう学習会です。
あと何回か、同じ内容の学習会を対象を変えながら、
繰り返し行う予定となります。
その1回目。今日の参加は5名。
こういうテーマでの話は初めてでしたし、
組織外部の人間が(元同盟員の先輩であったとしても)、
どこまで語るかな~ということも配慮しながら、
話をしました。休憩をはさんで2時間みっちりの学びです。
かなり盛り込みすぎ。
そして、まだ荒削りの部分、抽象的な話になった部分もふくめて、
今後より改善されていくでしょう。たぶん。
次は、倉敷地区委員会の代表者会議で、ほぼ同じ内容を語ります。
以下、長いですが(レジュメは10ページになった)、
内容の概要を紹介したいと思います。参考になる部分があれば
一。青年期とは何か、青年運動の必然性
1。人間は2度生まれる
◇「1回目は存在するために、2回目は生きるために」
(ルソー『エミール』)
◇人間にだけ明確に存在する「青年期」
<青年期ーウィキペディア日本語版の説明>
青年期(せいねんき、Adolescence)は、発達心理学で14、15歳
から24、25歳頃までの性的成熟を伴う急激な身体的変化が現れ、
心理的には内省的傾向、自我意識の高まりがみられる時期。
不安・いらだち・反抗など精神の動揺が著しい。思春期と呼ばれ
る前半では身体的・性的に成熟し、後半では、自我意識・社会的
意識が発達する。近年では、社会環境、生活状況の変化などから
30~35歳頃までを(広義の)青年期とする傾向も強い。
ルソーはこれを「第二の誕生」と呼び、ゲーテは「疾風怒濤の時代」、
レヴィンは「境界人」(マージナル=マン)と呼んだ。
◇「自分を知る」ことは難しい
*人間は社会的存在
「人間的本質は、個々の個人に内在するいかなる抽象物でもない。
人間的本質は、その現実性においては、社会的諸関係の総体である」
(カール・マルクス「フォイエルバッハにかんするテーゼ(6)」)
*「自分にもできる」&「自分にしかできない」ことの有機的結合
2。自分とは何ものか?(1)ー職業選択、働くことをつうじての自分づくり
◇近代以前には、「青年期」は今より明確ではなかった
*身分制がしかれていた封建制社会
*働くこと=生きること。職業選択という自由は基本的にはなかった。
*社会の圧倒的多数だった農民は、土地という生産手段にしばられ
ていた
◇資本主義社会の生成と発展のなかでー職業の選択
*二重の意味での自由な「労働者」
-人格的な自由、生産手段からの自由
*「自分はどんな仕事につくのか」という問いかけの発生
*平和であるからこそ、職業を選択する自由もある。
選択の自由の本質と現象。
*青年期の「模索」の深まり、新たな苦悩。しかし、より自由になる
途上の悩み。
「進路ということは、それぞれの人が社会に出てどういう仕事を
自分のものにするかということです。どういう仕事に自分の生き
方を託すかということです。そして、その仕事に必要な学力、体
力、技術、資格などを身につけることが要求されるのです」
「進路の問題を考えるに当たってやはり核心になることは、人間
の労働とは何か、職業とはいかにして本当に職業たり得るのか
ということ」
「若いうちはとかく目当ての技術や知識などだけに関心が走り
がちですが、プロという道にはそれだけでなく、もっともっと大き
な人間的成長が必要」
(田代三良『高校生の進路』新日本新書、1985年)
*「働くこと」「人間らしく生きること」を真剣に模索するなかで、
「ほんとうの学びの目的」も体得されてゆく。「学ぶ目的」を
めぐっての対決。
◇働くことをつうじての自分づくり
*経済的自立と精神的自立、社会の役に立つ(必要とされる自分)、
自分自身の成長
◇しかし、「資本主義社会のなかで働く」ということは、矛盾がある、
ということ。
*就職難、過酷な労働実態(ブラック企業)、自立できない賃金、
使い捨て労働…
*女性差別、パワハラ、セクハラ、人間関係もたいへん・・・
*描けない自分の将来像
「1950年代の後半から始まった『高度経済成長』の約15年間
の間に日本の社会と人々の生活は大きく変化した。その大き
な変化の一つに、ほとんど誰も、生まれ育った地域で、それま
でに結んだ人間関係を大切にしながら、その地域で職業を見
つけて、一生をまっとうするという人生のイメージを描けなくなっ
たということがある。そして、1990年代に入って『バブル経済』
が崩壊した後には、生まれ育った地域を離れ、都会や他の地
域へ出ていっても、まともな仕事が待っているわけではないと
いう厳しい現実が広がっている。
(中略)本当に自分がやりたいことを見つけられるのであろう
か、やりたいことを仕事として生きていけるだろうか、自分は一
体どこで誰とどんな暮らしをしていくのだろうかといった、進路
選択・職業選択・人生選択にかかわる不安感が強くなってい
る。そして、それには社会的根拠があるのである。
こうした社会的根拠のある不安を抱いている子どもたちに対
して、『人生の目標を持ちなさい』『もっとしっかりしなさい』など
と説教したり叱責したりしているだけでは、彼らを支えることに
はならない。君たちが、自分の将来に対して、どうしていいか
わからない、どうなっていくのかわからないという不安をいだく
のは、君たちが未熟だからなのではなくて、理由のあることな
のである。それは、日本の社会の重大な問題なのだから、一
緒に考えようではないか。このように、子どもたちの前に、彼ら
の不安を受けとめ、共に考えようとするおとなが姿を現さない
限り、彼らの生存・成長を支えることはできないであろう」
(田中孝彦『生き方を問う子どもたち』岩波書店、2003年)
3。自分とは何ものか?(2)ー友情・恋愛(結婚)
◇「友人がほしい」というのは、強い願い
「友だち関係の問題は、いつの時代にも子どもにとって重要で
あったが、今の日本の子どもたちにとっては、とりわけ緊張に
満ちて気がかりなことになっている」
「ふりかえって見れば、日本の子どもたちの間に、友だち関係
をめぐる新しい緊張が強まってきたのは、1970年代の末から
80年代の初頭にかけての頃からであった。その頃から、友だ
ちから外されることをひどく恐れ、友だちと一緒にいようとする
のだが、そのために、友だち関係の表面を支配している雰囲
気や言葉や文化やファッションにあわせようとして気遣って、
本当のことが言えないで疲れてしまう、そうした子どもたちの
姿が目立ちはじめた。そうした傾向は、その後一層顕著にな
り、今、子どもたちの世界では、友だちから外されることを恐れ、
友だちと一緒にいるが、その友だち関係のなかで不自由を覚
えるという状況が広がり、煮詰まってきているのである」
「私たちは、そうした子どもたちの姿そのもののなかに、友だち
と一緒に遊びたい、学びたい、成長したいという、人間としての
当然の要求を感じとる必要がある。それは、簡単には圧服さ
れない子どもたちの『社会的本能』といっても差し支えないで
あろう。(中略)より自由で安心できる友だち関係がほしいとい
う彼らの強い要求を感じ取る必要もある」
(田中孝彦、前掲書)
*友の存在や支えの大きさ・・・生きていく土台のひとつ
*自分づくりの大きな要素。
*友情はどのように生まれるか
◇コミュニケーションの戦場、スキル化
・・・教育空間だけでなく、職場でも
「子どもたちの生活空間が、居場所を求めて必死に自分を演
出し、あるいは他者を支配し、『スクールカースト』の中での生
き残りをかけた戦略的コミュニケーションの戦場になっている。
…子どもたちは…自分の能力としてのコミュニケーション力を
最大に駆使して必死で生き残りを図ろうと苦闘している。コミュ
ニケーションは、この二つの空間を生き延びる力として競われ、
コミュニケーション力のないものは生きられない悲哀を味わわ
される。その結果、弱者をますます貶(おとし)め、その底辺に
引きこもりや不登校、各種の精神的トラブルや病理を生み出し
ている。人をつなげるコミュニケーションが、人を支配と従属の
関係に組み込む方法として機能し、子どもはそこに生み出され
た関係の中で一層孤立感と不安感をつのらせている」
(佐貫浩『学力と新自由主義-「自己責任」から
「共に生きる」学力へ』大月書店、2009年)
◇恋愛、結婚のあり方も変化している
*結婚の自由が実際的に認められたのは、戦後、日本国憲法が
できてから。
*人類の恋愛・結婚のあり方は、どのように変化してきた?
青年期にみられる恋愛の特徴は?
*愛情って何? どんな人とつき合う? つき合い方は?
別れ方は? 結婚って、そもそも何? 結婚相手の基準は?
離婚への考え方は? 2人とまわりの人との関係性は?
・・・模索はつきない。
*恋愛・結婚をめぐっての意識や実態も、資本主義的な色合いが、
強く反映される。
*勝ち組み・負け組み論、性的関係への矮小化、ジャンダー意識、
収入別結婚率の格差、DV問題…
*私たちにとって、恋愛や結婚のあり方も、社会的諸関係とは
切り離せない
4。自分とは何ものか?(3)-社会的・文化的に
◇これも、近代になってから大きく開花した
◇たとえばファッション
「服は『自分』という人間を示す重要な要素のひとつになるん
ですよね。見知らぬ人はもちろん、友達にたいしても、服を身
にまとうことで、『自分はこういう人間なんだよ』と伝えることが
できるんです。
(中略)着る服に迷うということ。それは、『自分がどう見られて
いるか』『自分がどう思われたいか』を考えている証拠です。
(中略)それは、素晴らしいことです。自分のことだけではなく、
他のだれかのことを考える、想像する。それは素敵な大人へ
の第1歩です。そして同時に、『ファッション』という、楽しくて素
晴らしい世界への入り口なのです」
(高村是州『ファッション・ライフのはじめ方』
岩波ジュニア新書、2010年)
◇たとえばスポーツ・・・スポーツへの関わりは千差万別だけど
*人権としてのスポーツ
「体育・スポーツの実践はすべての人にとって基本的権利
である」
(「体育およびスポーツに関する国際憲章」第1条、
1978年11月21日 ユネスコ総会採択)
*自己表現、他者との協力・交流としてのスポーツ
◇たとえば文化・・・みなさん、文化的に生きていますか?
*日本国憲法でも、「健康で文化的」に生きる権利が保障されて
いる、とある。
*英語で文化は「culture(カルチャ)」
・その動詞形は「cultivate(カルティヴェイト)」
・その意味は、「~を耕す」「~を栽培する」「~を養う(育てる)」
*人間らしさをつくるものとしての文化。
「文化とは、もっぱら人間の心を耕すこと、心をつちかい育てる
いとなみをいう」
(高田求『学習のある生活』学習の友社、1988年)
「人間以外の動物の場合、文化がはたす役割はそれほど大き
なものではありません。人間は、文化が決定的な役割をはた
すにいたった唯一の生物」(同前)
◇たとえば旅行・・・わかものよ、旅に出よう!
◇「ゆとり時間」が必要
*時間、お金、空間、体力etc
*「ゆとり」を奪われている社会・・・なぜ?
・それを、ムダ、として削る力が働くのが、資本主義社会。
・文化を格段に発展させてきたのも、資本主義社会。
・それをゆがめさせようとする力が働くのも資本主義社会。
5。社会問題への敏感さ(強弱はあるが)-『知りたい』という要求
◇震災への高い関心、ボランティア活動
◇原発問題での若者の動き
◇貧困問題、核兵器廃絶、基地問題、環境問題…
◇若者は、つねに未来を生きる存在だから(あきらめられない)
◇チュニジアでも、エジプトでも、革命の中心には若者がいた
*若者だけでは社会は変わらないが、若者が参加しない社会
変革もなかった
【さて、「青年期」の代表的表現をもういちど、見返してみましょう】
ルソー「第二の誕生」、ゲーテ「疾風怒濤の時代」、
レヴィン「境界人」
・・・・・・ 嵐の中の航海! 晴れのち豪雨!
◇青春とは
「“青”は未熟、迷い、希望の象徴」
「肉体的にも精神的にも、もっともダイナミックな自己形成が
それから展開されるのが青春期」
「だから、“年はとっても心は青春”というように、自分をできあ
がってしまったものとはみなさず、たえず可能性に挑戦してい
く姿の形容としてつかわれることもある」
(『婦人問題辞典』学習の友社)
「『未熟』とは、同時に、まだできあがってしまってはいないと
いうこと、つまり未来にむかっての可能性をもつということでも
ある」 (高田求『青春の色は何色か』新日本新書、1983年)
6。「大人になる」「一人前になる」ことをめぐっての対決
◇若者の素晴らしい「特徴」を奪っていく力が強く働く日本社会
*「大人になれよ」的、後ろ向きの現実主義。強烈な企業論理etc
*世界観・人生観、個性やアイデンティティも、資本主義的な
ゆがみを持たされる。
◇宮本百合子「ものわかりよさ」
(新日本新書『若き知性に』所収)より
「青春のかえがたい贈物である知識欲や成長への欲望、より
よい生活へ憧れるみずみずしい心の動きは、現実にぶつかっ
て一つ一つとその強さを試みられているわけだが、その現実
は、青春の思いや人間の成長をねがう善意に対して、何と荒
っぽい容赦ない体当たりをしばしばくらわせることだろう」
「愛すべき若い人生のどのくらいの部分が、この悲しいものわ
かりよさをのりこえて自身の成長の歴史をつくってゆくだろう。
現実を知るということ、また大人になったということを、このも
のわかりよさに屈服した内容でいうひとの多いことを、私たち
はまじめにとりあげなければならないと思う」
「ものわかりのよさの本質は、発見の精神ではなくて適応の
精神であり、創造の感情ではなくて、従属の感情である。も
のわかりよさは、高い人間の明知とはちがった性質のもので
ある。一方に深い質問をいだいてそれを追究して新しい何か
の価値を人生にもたらしてくるような、そういう建設の意力を、
ものわかりよさはもっていない。ものわかりよさは、いつでも
現在その人の生活する世間で通用している型どおりのもの
の上手なとりあわせを心得ているということである」
◇型にはまらない、あきらめない-それを支えるのは学びと仲間集団
二。民青同盟のアイデンティティとは?
1。青年期独特の「要求」と、青年運動
◇青年の多様な要求は、社会的な客観的現実を背景に、必然的に
発生してくる
*青年運動は、たまたま、偶然に生まれたのではない。
*「不安・不満」「模索」から「要求」へ。
現象と本質。交流・調査・学習。
*さまざまな青年運動諸団体の発生ーこれも近代になってから
◇そのなかで誕生した、民青同盟(前身「日本共産青年同盟」)
「日本の資本主義が発達し、国民と青年の運動が発展してい
くもとで、はたらく青年や学生、農村の若者たちの切実な要求
にこたえるとともに、自由と民主主義、平和な日本の実現の
ためにたたかい、未来への展望をもって社会進歩をめざす青
年運動が切実に求められていました。
1923年4月5日、日本共産青年同盟が創立されます。この
共青こそ、こうした時代のもとめにこたえる青年運動の誕生
にほかなりませんでした」
(日本民主青年同盟中央委員会
『日本民主青年同盟の70年』1996年)
2。「基本的性格の力」(第3回中央委員会決議、2010.10.29)を
深め、みがく。
◇この基本的性格は、民青同盟の歴史のなかで確立されてきた
もの
*『日本民主青年同盟の70年』を学ぼう
*要求を実現していく力は、民青の科学性とヒューマニズム性
◇2011年のいま、この基本的性格の有効性や魅力はどこに
あるのか
*それをたえず、みがき直す努力が組織的に必要
*全国組織であること、学生・労働者がともに活動する組織で
あることも、他の青年組織にはない魅力のひとつと言える。
◇民青同盟は、いまの社会に何ができるのか。わかものへの約束。
*民青同盟のアイデンティティを考える
*「民青にもできること」と「民青にしかできないこと」
*自分たち(全国・県・地区・班)のアイデンティティを言語化でき
ること
「民青にしかできないこと」「自分たちの班にしかできないこと」
「なくなったらどうなるか」「なぜ必要なのか」「何が魅力か」
「どんな組織・班になっていきたいか」
「民青を大きくするとはどういうことか?」
*もやもやしている部分のふくめて、出しつくす
*書きあうこと、聴きあうこと。言語化して、さらにそれを発信する。
*魅力が伝わるには、本質をスッキリ表現できる言葉をもつこと。
◇くわえて、リーダーのみなさんは、
*民青に出会う前の自分と、出会ったあとの自分の話を必ずすること。
*相手の発展段階にあわせて、自分のその頃の悩みと葛藤を話す。
*話すことと同時に、聴き上手に。聴くことは、自分も相手も伸ばす。
◇民青同盟が発展することと、青年運動の発展について
*他の青年運動のなかに、民青同盟員がいることの意義。
三。生き生き組織活動のヒント
1。「組織は生き物」
-だから、生き生きしたり、病気になったり衰えたりもする
◇生物の本質的特徴(生物学的な)
*「自己複製・進化」という機能。つまり、遺伝子情報を次の世代
に受け継ぎ、子孫を残す機能。そしてジグザグはあっても全体
的には進化していく。
*「代謝」という機能。まわりの環境から、栄養分をとり、それを
エネルギーにかえて、生命活動をおこなっていく。
*民青同盟でいえば、「たえず新しい仲間を組織すること」。自分
たちの世代よりもすぐれた組織やリーダーを育てることが、本当
のリーダーの役割。とくに、卒業制度がある青年組織の民青は、
この課題の比重が大きい。
*なにが自分たちの組織の「栄養」となるのか。総合的に。栄養
不足、かたよった栄養の取り方では、生命活動がうまくいかない。
◇組織のバイタルサインズ(生命徴候・生き生き度)
を測定・判断する「眼」を
*基礎データを収集・整理・分析すること。会議参加率、企画・学
習会への参加率、班会の開催頻度、「民新」読者数、独習状況、
決定の読了、雑誌購読状況、拡大・脱退数、同盟費の納入数・・・
*現状をリアルにつかむことなくして、判断はできない
◇情報(伝える活動)の大切さー血液の役割
*途絶えると、その部分が壊死(えし)する
*活動報告、民青ならではの情報、目的理念(ビジョン)、
自分たちの役割
*ニュース、チラシ、ブログ、ツイッター、ミクシィ
*とくにネットの活用の必要性
-たえず組織外にも発信する目的意識を
・徳島の民青は「とくみん」と検索すれば、HPがトップにくる。
名刺がわりに。
◇活動方法・スタイル・外形の最先端をいく努力を
*組織活動、会議の仕方、学習会の場所や形態、情報交流・
発信方法・・・
2。「集まる場」をどういう質にするのか
◇事務所はなんのための場所か。
民青同盟らしい事務所とはどんな場所か。
*集まりやすい事務所とはどういう事務所か?
ぜひこれも討論してほしい。
*全国にカフェ店舗を展開するスターバックスが掲げているのは、
「サードプレイス(第3の場所)」としての存在、という理念。自宅
や職場・学校以外に、快適に過ごせる場所という意味。ヒントに。
ヨーロッパで「パブ」や「カフェ」が果たした役割。
*民青同盟らしさを表現する事務所とは、どんな事務所か。
◇班会議、県委員会議、地区委員会議、専門部会儀etc
*それ自身が、構成員の要求実現の場であり、成長の場
*高まりあいを起こすしかけ
*「そこでどんな出会いが起こり、どんな情報が交換され、参加者
がどんな刺激を受けたのか」「さまざまなジャンルがクロスオーバ
ーする状況をつくること」「みんなが情報を発信することも、受信
することもできる場にすること」「見ず知らずの人と喋るという体験
が日常的に起こる場にすること」
(『common cafe コモンカフェ ―人と人が出会う場のつくりかた』
山納洋、西日本出版社、2007年)
3。若者が立ち上がることを阻む要因
(これだけではもちろんない。複雑。)
◇構造が見えにくい-圧倒的なマスコミの情報量
*貧富の格差というが、「富」のほうは、まだ隠されている
*内部留保、大企業優遇税制、株主配当(+証券優遇税制)・・・。
エネルギー問題も。
*アメリカへの異常な追従
・・・「抑止力」「安全保障」「経済的従属」「沖縄」
◇もちこまれる分断、自己責任論
*対立と競争をあおる(ほんらいは手をとりあう仲間どうしのなかに)
*自己責任論が容易に浸透する状況
・・・憲法(基本的人権)が体にしみこんでいない弱点
◇私たちの力不足・・・とくに「伝える力」
*サイエンスとアート(納得と共感)・・・ビラは読みやすいか、やさ
しい言葉で語っているか、どんな顔でチラシを配っているか、
デモは楽しいか、話し方、見た目
*伝える力を豊かにする「学び」の位置づけの問題
◇いま問われる、大事な「思想」
*困っている人を見過ごす社会でいいのか。人間はモノじゃない。
助けあえる。
*強力に作用している「あきらめ感」「変わらない感」
・・・変革の経験がないため。
そこを突破する3つの力は、
「歴史に学ぶ」と「人権思想」と「仲間集団」
4。これまでの先輩方の活動から貪欲に学ぶ
◇民青同盟の歴史から学ぶ
◇身近な先輩から「経験を聴く会」などで聴き取る
◇過去の大会決定集などを読む・・・経験、教訓の宝庫
→「活動経験を活字として残す」ことの大切さ
・・・後輩たちのためにも
5。民青同盟にとって、学ぶ活動の意味をあらためて確認する
◇「相対的に軽視」する傾向とのたたかい
*実践活動が忙しくなると、学習の大切さは認識していても、
どうしても目の前の課題とくらべて、「相対的軽視」になりがち。
*レーニンは、「このきわめて重要で必要な準備活動を、直接の
実践活動からできるだけ厳密に区別せよ」と青年に語った
(「中等学校生諸君にあたえる」)。
*ここであらためて、民青同盟の「基本的性格」にたちもどる。
青年の切実な要求の実現と、魅力的で旺盛な学習活動の統一。
基本的性格をみがく力は学び。
*「人をつくる」活動。「人を残す」活動。制度教育の必要性。
◇学習教育活動は計画性(目的意識性)と持続性(自分も集団も)
◇科学的な世界観を磨くことは、日々起こってくる諸課題、
諸問題の解決の力に
*学習活動を強めることで、活動の力量がアップする。
自信をもって活動できる。
*課題把握力、応用力、柔軟性・・・
◇学習の基本は独習
*毎月最低5冊は本を買って読もう
*本に線をグリグリひいて、自分の学習の足跡を残そう
ー自分だけの本に変身!
*本を買う余裕がない同盟員のために
ー事務所の一角を図書館にする
*何を読めばいいのかー信頼できる先輩などに聞く、書評を読む
*定期雑誌を読もう
『前衛』『経済』『月刊学習』『女性のひろば』『学習の友』
*独習を交流できる場と媒体を
◇集団学習の位置づけについて
*さまざまな集団学習の形態(それぞれの役割に応じて)
*独習のきっかけづくりー問題関心、雰囲気、楽しさ
*独習の狭さを修正する
◇学びの力で、ロールモデル(あこがれる存在)になろう
*組織の魅力とは、そこにいる「人」の魅力が大きい
(すべてではない)
*「科学の目」をもった人は魅力的。
理性と感性。あたたかさ。楽天性。
*「あんな人になりたい」「あこがれる」存在が必要。
6。あらためて、「目的」と、「目標・計画」、そして「夢」
◇組織や団体、グループには、「旗印(目的)」がある
*目的は、つねにそこに帰ってくる羅針盤のようなもの
*「そもそも何のためか?」「ここでしかできないことは?」
→組織の本質をみがく。
◇目的を達成するために、個人も集団も「目標と計画」をもつ
*目的に向かうために必要不可欠なのが、当面の「目標」
*客観的でない目標は、逆に意欲をそぐ。目標の決定プロセスは
全員参加型で。
*目標を達成するために必要不可欠なのが、「計画」。
*「目標と計画」を追求するなかで、個人も集団も高まっていく。
無理をするから。
*目標と計画のなかに、つねに「時間」という要素を組み込む。
時間を手のひらにのせる。
◇総括と会議の重要性
「まず戦略的(長い目で、広く考えた)計画を持ち、それにもと
づいて戦術的(具体的な戦い方)計画を持つ、それを行動(練
習・試合)に移す。そして、結果を点検(チェックして、修正)し、
再び行動(練習・試合)、最後に総括(行動を分析し、戦術の
修正、ときによっては戦略の修正)という循環をはっきりもつこ
と。計画→行動→点検→行動→総括。このことを個人的にも、
チームとしてもくり返すことが最も重要なことです」
(泉優二『サッカー大好き!』)
◇夢を語りあえる組織・集団に!
・・・岡山県の民青同盟の未来ビジョン
「まずリーダーは、ミッションやビジョン、想いを語るところから
スタートする。(略)たとえ小さな職場でも、リーダーが『自分た
ちの職場をこういう状態にしていきたいのだ』とメンバーにこと
あるごとに熱く語っているところは業績がよい。このとき標語
やスローガンを提示するだけでは、メンバーの心をつかむこと
ができない。リーダーの想いを『熱く』語る必要がある。これを
『ビジョンのシェア、分かち合い』という。
もちろん、ビジョンやミッションの背景にある状況なども語る
必要があるのだが、第一に、ビジョンをありありとした具象的
なイメージとして伝えなければならない。言い換えると、これ
から起きる物語(ストーリー)を語るのである」
(高間邦男『学習する組織―現場に変化のタネをまく』
光文社新書、2005年)
*科学的展望・確信が基礎になければ、
夢は語れない(願望とは違う質のもの)。
さいごに:自分や組織を「現状の枠のなか」で見ないこと。
可能性は無限。集団の可能性を信じること(歴史から学ぶ)。
以上。
大野さんありがとうございます。
がんばりまっす。若い世代と一緒に学ぶことは、とても楽しいです☆
投稿情報: 長久 | 2011年5 月 9日 (月) 12:57
いつもながら素晴らしい!
期待しています。
投稿情報: 大野 | 2011年5 月 9日 (月) 09:48
書記長さんありがとうございます。
組織建設論は、どの組織でも、重要な学習課題だと思っています。
投稿情報: 長久 | 2011年5 月 9日 (月) 09:20
む〜・・・。とうの昔に民青同盟は卒業し、いまは労組書記長をメインに活動している私にとっても、大いに参考になる内容ですな。
投稿情報: 書記長 | 2011年5 月 8日 (日) 22:40