島根原子力館のなかに入りました。
あ、ちなみに、参加者はぜんぶで15名でした。
まず、ちょっとした映画館のような立派な部屋で、
島根原子力発電所の説明を、館内の説明員の方から受けました。
事前に団体で申し込んでおけば、こうしたことになるようです。
なんと、「歓迎 岡山県労働学校のみなさま」と映されていました。
びっくり。でも、歓迎してくれるのは、ありがたいことです。
島根原発の説明を聞きました。
1号機は、昭和49年(1974年)3月に稼動開始(なんと私と同い年!)。
出力は46万kw/h。沸騰水型炉。
定期検査中で、現在停止中です。
2号機は、平成元年(1989年)2月に稼動開始。
こちらは、82万kw/hです。同じく沸騰水型炉です。
いま中国地方で稼動中の唯一動いている原発です。
ちなみに、中国電力は、この2号機で、
2015年からプルサーマル発電を計画しています。
ただ、原発は13か月動かすと、
定期検査を受けねばならないという法律があるそうで、
2号機も今年いっぱいは稼動する予定となっていますが、
その後は定期検査に入り、停止されます。
中国電力は、島根県と松江市と「安全協定」を結んでおり、
実質、この自治体の稼動了承が得られなければ、
来年には自動的に1号機・2号機とも停止状態になります。
あと、建設中の3号機の説明には、やはり力が入っていました。
そして、建設工程のビデオも見せてくれました。
説明員の方(50代後半ぐらいの男性)は、
福島原発の事故のことも、かなり詳しく解説してくれました。
これは、少し好感をもてた点です。
ただ、2号機のプルサーマルの説明は
ほとんどしませんでしたし、
生み出される放射性物質については、
半減期が8日と短いセシウムしか説明がありませんでした。
福島の事故を受けての島根原発の安全対策についても
かなり力説されていましたが、
活断層の存在については、説明が不十分と感じました。
もっとも違和感を感じたのは、
自然エネルギーについて、
「まだ1%」「不安定」「コストが高い」という
理由で、ほとんど否定的な説明をされたこと。
そして、「原発は電気を安くみなさんに供給できる」と。
(ここはかなりのつっこみどころですが)
結果、最終的に、
「原子力を引き続いてやらなければならない」ということを
話されていました。
国民感情と、世論とは、かなり乖離した説明でしたね、最後は。
残念でした。
説明員さんのお話は、当初40分ほどの予定だったのが、
なぜか1時間をこえる力説。
ちょっと一般常識的な話も多くて、そこは削ってもよいから、
もう少し今の安全対策についての説明がほしかったところです。
つづいて、女性の説明員さんによる、館内見学となりました。
全体の時間が1時間半の予定だったので、
もーれつに駆け足の見学になってしまって、物足りなさが・・・。
展示されているものは、報道などで連日聞いている
ものの実物模型だったりして、かなり興味深く見れました。
こちらは燃料棒の模型。
燃料棒のなかに、たくさんの燃料ペレットが350個入っている。
なるほど。
こちらは、燃料集合体。核分裂反応を起こすところです。
集合体の間に、制御棒が入ることにより、核反応がおさまります。
じっさいに、制御棒が降りる動きをする展示でした。
やっぱり、こういうものを実際にみると、
すごく実感をもって原発の仕組みが理解できました。
これはありがたかったです。
ここからは、環境コーナーという、またたいへん綺麗な部屋でした。
「地球をたすけよう」という、なんとも人間のおごりを示すフレーズです。
こちらは発電チャレンジコーナー。
発電の楽しさを味わってもらおうと、いろいろな遊べる工夫が
いたるところに施されていました。
これは、自転車をこぐと、発電するというもの。
20秒ですが、なかなか疲れるものでした。
ウラン鉱石の実物です。この鉱石から、濃縮ウランをつくり、
原発の材料にします。
原子力館の1階は、ほかにも、
建設中の3号機を紹介するコーナー、放射線コーナー、
燃料サイクルコーナー、エネルギーシアターなどありましたが、
時間がなくて省略。うーん、残念!!!
じっくりみようと思ったら、全部で最低2時間は必要ですね。
こちらは、2階から原発をみれるところ。
2階は、ゲームコーナーもあり、
親子で楽しめる空間づくりをしています。
全体的に、原子力発電を肯定する立場での
展示や説明でしたので、逆にいろいろと学ぶこともありました。
が、やはりすごく立派な施設であることは実感。
お金、相当かけてますね。
明るく、楽しく、原発を学べる。
でも、いまそんな気分で見学に来る人は、
1人もいないと思います。
しかし、ここでの学びは、たいへん有意義でした。
さて、このあと、場所を移して、
こんどは、
島根原発「30キロ」住民運動の方のお話を聞きます。
この原子力館では、けっして学べない、
島根原発と中国電力のさまざまな事実に、
ただただ驚くわけですが。
それは、またこんど。
(つづく)
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