ソワニエ読書日記9冊目。
看護崩壊させないために、
ぜひ読みましょう。医療従事者のみなさんは、特に。
著者の強い思いが伝わってきます。
とりあえず、もくじを書いただけですが、以下。
『看護崩壊-病院から看護師が消えてゆく』
(小林美希、アスキー新書、2011年)
【読んでのつぶやきメモ】
*中身はかなりシビアです。でも、目をそらさず、みなさん自身が
考えてほしいと思います。
*1章「医療崩壊を加速させる『看護師不足』の深刻さ」
医師不足の陰に隠れる看護師問題/「2025年問題」を支えきれ
ない/看護師不足から生じた病棟閉鎖/「7対1」配置基準で
起こった看護師争奪戦/全国で病床が消えている/国の甘い
需給見通し/看護師はどのくらい不足するのか/毎年10万人が
辞めていく理由/社会損失は年間600億円/2万人が過労死の
危機/働き方を激変させる4つの制度改正/夜勤の規制緩和で
産後復帰がより困難に/「特定看護師」は必要なのか/波乱含
みの労働者派遣法改正
*2章「夜勤と2交代勤務の増加が現場をむしばむ」
失われる母性保護/「職場流産」の実態/院長から妊娠する
時期を命令される/妊産婦の3~4割が夜勤を経験/権利が
あっても申請できないのが実情/ストレスで不妊に/「休むな、
倒れるまで働け」/7割の看護師が慢性疲労、6割が健康不
安/過疎地域で過労死の予感/相次ぐ若手の過労自殺/表
面化しない過労死の実態/広がる2交代制の危険/現場も2
交代を望んでいる?/長時間労働は過労死への入り口/16
時間夜勤で仮眠なしの現実/患者の医療安全が守れない/
ニッパチ闘争の原点、新潟の今/公設民営で人材流出の不
安/夜勤は病棟だけでない/
*第3章「制度に翻弄させる看護師と患者の悲劇」
制度に左右される看護労働の実態/点数のつかないオペ室
の疲弊/外来から看護師が消えた/「7対1」基準クリアのた
め「偽装勤務」も/「90日超え」患者のたらい回し/不採算医
療を切り捨てた結果/地域を支える看護師の誇り/災害医療
を担った病院がなくなる/DPC病院からの「患者追い出し」/
哲学のない大病院と受け入れ病院の苦悩/「最期は在宅で」
の理想の陰で/早く死ぬ方法を教えて・・・/在宅看護で家族
が崩壊/社会的入院を引き受けるのは精神病院
*第4章「やりがいと苦労のはざまで―看護師が消える理由」
L字カーブの就業率/激務の中、無力感―新人看護師の苦悩
/やりがいの前にバーンアウト―2年目の看護師/良い看護
ができない―中堅の悩み/リストラがベテランの力を奪う/放
置されてきた「准看護師問題」/安すぎる看護師の生涯賃金
/院内保育所の役割と問題/ベテラン看護師の言葉が患者
を変える/忙殺されては異変を見逃す
*第5章「命を守るため今こそ看護問題と向き合おう」
職場単位できることは何か/労使の新しい形を築く/労働条
件を改善する労組の役割/勤務表は師長の腕次第/夕張に
見る「ケアによる医療再生」/チーム医療で疾病予 防/
短時間正職員は普及するか/潜在看護師の掘り起こしは可
能か/国は看護問題に向き合っているか/問題に答えない
厚生労働省/特定看護師は必要なのか/現場の声は反映
されないのか/暗躍する人材紹介会社/夜勤労働を守れ/
労働基準局は動くか/ILOに倣う基準を/歴史的な団体連帯
の始まり/診療報酬改定は改善につながるか/介護との役
割分担も必要/命を守るために
*インタビュー
◇日本赤十字看護大学教授・川嶋みどり
―看護の自立は「療養上の世話」にある
◇日本医療労働組合連合会中央執行委員長・田中千恵子
―今こそ連帯し、運動の力で増員を実現する
◇済生会栗橋病院副院長・本田宏
―国民の生存権を守るため霞ヶ関と闘う
◇日本看護協会常任理事・小川忍
―ワークライフバランスで離職を減らす
◇日本医師会副会長・羽生田俊
―特定看護師でチーム医療が崩壊する
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。