『前衛』12月号の、唐鎌直義さん論文、
「どうしたら貧困をなくせるか-貧困研究と『資本論』」
は、すごく良いです。必読です。
定期購読していない方は、この号だけでも買って読みましょう(710円)。
もとになっているのは、学生むけの講演ですが、
若い人に対しての、厳しくもあたたかい視点があります。
貧困研究への情熱を感じます。
少々難しいところがあっても、
唐鎌さんの熱を感じながら、一気に読みましょう。
以下、見出しを紹介しておきます。
はじめに-貧困問題を研究テーマとして
Ⅰ 資本と労働、失業と貧困-『資本論』から学んだ二つのこと
1、労働者階級という歴史的存在
(1)「本源的蓄積」過程における労働者の「二重の意味での自由」の獲得
*商業資本主義から産業資本主義へ
*資本主義はどのように生まれたのか
*労働者階級はどのようにつくられたか
*労働力を資本家に売ることでしか生活できない労働者
*労働力は自分の生命活動と切り離せない
(2)「労働力」はかけがえのない唯一の生活手段
(3)資本家階級と労働者階級は対等平等ではない
*労働力を販売できないときでも生活できる道をつくる
*労働者にって伝家の宝刀、ストライキ権がある
*労働者の力が弱まると「生活の自己責任」が強まる
2、資本主義的蓄積の一般的法則
(1)失業は好況期でも進行する-「資本の有機的構成の高度化」
*機械の採用
*相対的過剰人口は好況期に準備される
*相対的過剰人口は現役労働者に対して錘りの役割を果たす
*失業・貧困に対する資本主義の枠内でのたたかい
Ⅱ どうすれば貧困と格差をなくせるか
1、労働者間競争圧力を緩和する仕組みが重要
(1)団結による競争圧力の緩和-労働組合の役割
(2)社会保障制度による競争圧力の緩和
(3)「労働市場の組織化」が必要
(4)労働観を変えよう
2、貧困と格差の日本的要因
-「労働の尊重」なき「労働要求」の広範化と社会保障の後退
(1)「労働の尊重」と「労働の質」
(2)貧困の原因を個人の資質や行動様式に求める最近の貧困論
(3)「自立支援」に特化した政府の政策
-「生活の自己責任」と社会保障の後退
おわりにかえて -被災地にナショナルミニマムの実現を
(1)被災地を「ナショナルミニマム」保障の先進地域に
(2)社会保障で経済の循環が上向く社会を実現しよう
科学的社会主義は、
正しいとか正しくないとかで見るものじゃなくて、
変革のための理論ですよ。
あと、事実かどうか。
進化論も、○か×ではなく、
いろんな側面からみる必要があると思います。
投稿情報: 長久 | 2011年11 月14日 (月) 19:42
最近色々な角度から「労働」を考えています。組合活動の基礎になっている資本論・科学的社会主義・弁証法のそもそも根本的な部分が間違っていたら…。と突き詰めて考えると、進化論にたどり着きました。僕の頭の中ではある程度理論化できているのですが、進化論を「間違っている」と証明することは今の「物質」社会では不可能です。
投稿情報: ゆみた | 2011年11 月14日 (月) 17:03