きのう(10日)は、82期岡山労働学校の第5講義。
17名の参加でした! 引き続き、盛り上がっています。
講師は、第2講義でも
お話いただいた、
長安めぐみさんでした。
(香川大学男女共同参画
推進室コーディネーター)
たいへんソフトな語り口
であるとともに、
ぐっと入ってくる内容でした。
またも、参加者にお菓子の差し入れ…。感謝感激です。
そうそう、長安さん言われてましたが、
「こんな毎週毎週、ジェンダーを学んでいるところって、
日本中探してもここしかないですよ」と。
たぶん、そうだと思います(笑)
「卒業する頃には、みなさんジェンダーオタクですね☆」
と長安さん。
でも、それぐらい大切な、
重視すべき課題であると思っています。
さて、この日は、
「恋愛・結婚のなかのジェンダー」というテーマ。
中心のお話は、DV問題です。
「女性に対する暴力の撤廃にかんする宣言」が
国際社会で確認されたのが、1993年。
史上最大の女性会議と言われた、
1995年第4回北京世界女性会議でも、
大きくクローズアップされたのが、この「暴力」の問題です。
2000年7月に、内閣の男女共同参画室が、
「女性に対する暴力に関する基本的方策について」
という文章のなかで、
「女性に対する暴力は、個人的問題として矮小化される
こともあるが、むしろ、家庭や職場など社会における女性の
固定的な役割分担、経済力の格差、上下関係など、わが
国の男女が置かれている状況や過去からの女性差別意識
の残存に根ざした構造的問題として把握し、対処していく
べきである。女性に対する暴力については、この問題が
被害者の人権を侵害するものであることから、被害者の
立場に立った対応が求められている」
とし、ジェンダーに起因する
社会構造的な問題であると指摘しています。
そして、2001年には、
「配偶者暴力からの 暴力の防止及び保護に関する法律」
いわゆる「DV防止法」が日本でもつくられました。
この法律ができたことで、「やはり大きく変わってきた」と
長安さんは指摘しました。
それまでは、「家庭」「夫婦間」の問題には、公的な機関が
介入できないとされていましたが、
いまでは、通報ひとつで警察が飛んでくる、というところまで、
なってきているそうです。
DVは、
「親密な関係にあるパートナーに繰り返される暴力的で高圧的な態度」
のことです。
その範囲はとても広く、
・配偶者間暴力
・虐待につながる子どもを巻き込んだ暴力
・内縁関係での暴力
・高齢者間での暴力
・同性愛者間の暴力
・若者の恋愛関係における暴力(デートDV)
→すぐに別れられるはずの恋人からの暴力
などをふくんでいます。
なんと岡山のDV相談件数(2009年)は、
2827件で、全国7位。あとの上位は大都市ばかりです。
これは、もちろんDV自体の件数も多いのですが、
「岡山では、ちゃんとそれを言える人が多い。啓蒙活動や
相談体制などが、岡山ではすすんでいる結果でもある」
と長安さんは指摘されました。
ただ、岡山県内でも、相談の集中しているのは、
やはり岡山や倉敷などの都市部。
県北などは、やはり難しいところがあるそうです。
ここから、DV問題の詳細に講義は入っていくのですが、
じゃっかん割愛。
長安さんは、後半、デートDVの問題を詳しくお話されました。
デートDVも、
「精神的な暴力」「身体的な暴力」「束縛による暴力」
「性的な暴力」「経済的暴力」などが、幾重にも
重なりあって、被害者を孤立化・無力化させていることを、
じっさいの相談事例なども紹介されながら、解説されました。
DVは、ありふれた問題であり、自分の身の回りの、
家族・友人・知人、どこかで起きるかもしれない。
そんなとき、あなたはどんな対応をするか?
そういう心持ちで、この問題に向き合ってほしい、と。
とくに、被害者は、自分のみじめな気持ちや、
もうどうしようもない複雑な感情を持ちながら、
相談してくるということ。
そんな被害をうちあけられたときには、
①「正直にうちあけてくれてよかった」
「正直にうちあけてくれてありがとう」
②「あなたは悪くない」
③「あなたは一人ぼっちではない」
④「力になりたい」
というメッセージを伝える(どれかひとつでもいいので)ことが、
大事ということが話されました。
他にも、いろいろ、いろいろ、
大切なお話をされましたが、つきないので、このへんで。
そうそう、
ケータイ文化が、デートDVにかなり影響を及ぼしている、
ことは、他にもいろんなことを考えてしまう指摘でした。
「いつでもどこでも、つながる」ということは、
支配・被支配関係の場合だと、とても危険な状態に
なるということですからね。うーむです。
ほんとうに、いろいろな気づきにもなった、
長安さんの講義でした。
2回の講義、大好評でした。ありがとうございました!
講義のようす。わかりやすいパワーポイントでのお話でした。
討論のようす。
いろいろ、疑問やら、自分の経験やら、
わんさか議論になっています。話はつきません!
ジェンダーを、どう構造問題としてつかむのか、
それが今後の解決の大きなテーマになってくるのかな、
と思いました。
以下、参加者の感想文です(一部)。
「非常に深い、難しい問題だと、改めて、考え
させられました。身近な人にもいましたが、
今、どうしているのか、心配になりだしました。
人のつながりを大切にしなくてはいけないと、反省」
「デートDVがこんなに深刻だとは思ってなかった
ので、ショーゲキ!!でした。 DV加害者の特性で
ある『未熟な』人間は、どうやって生みだされるのか?
ギモン浮上。相手(ひとりひとりの人間)を尊重しあ
える関係・社会がいいですが…」
「なぜ、デートDVで、暴力にいたるのか、ちょっと
わかってきたような気がします。特権意識を守ろう
とする意識が、強い態度、暴力的な行為となる
ように思います」
「DV。身近な問題でした。ウンウンとうなずきながら
聞いていました。若い人たちの間でデートDVが多い
のはなぜなんだろうと思いました」
「相手に要求する気持ち、相手にもっと~してほしい
とか支配的な考え、私はしてないかなー、大丈夫
かな・・・とふりかえってしまった。DVは連鎖しない
という言葉に少しホッとした」
「今日も深く、濃い講義でした。わが身(親、自分、
相方、子ども)をふりかえってみました」
以上。
私はこの日、体調が万全でなかったため、
「なごみ」は欠席!
赤っ恥話は聞けませんでしたが、たぶん盛り上がったでしょう
コメント
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