最近読み終えた本。
(ぜんぜん最近本読めてません…)
『貧しき人々の群 ほか』(宮本百合子、新日本文庫、1974年)
宮本百合子のデビュー作。
17歳のときの作品というのが、
まったく信じられない、表現力と感性。
貧しき人びとに心寄せようと、もがく、
百合子の原点が、ここにありますな。
「序にかえて」のところが、また、すごいです。
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倒れるところまで、グン、グンと行きぬける力を、
私はどんなに立派な、また有難いものだと思って
いることでございましょう。
今度倒れたら、今度こそ、もうこれっきり死んで
しまうかもしれない。
が、行かずにはいられない。行かずにはすまさ
れない心。
ほんとうにドシドシと、
ほんとうにドシドシドシと、真の「自分の足」で歩
き、真の「自分の体」で倒れ、また起き上られる
者の偉さは、限り無く畏(おそ)るべきものではご
ざいますまいか。
・・・いかほど笑われようが、くさされようが、私は
私の道を、ただ一生懸命に、命の限り進んで行く
ほかはないのでございます。
自分の卑小なことと自分の弱いことに、いつも
いつも苦しんでいるばかりいる私は、一体何度
倒れなければならないのか?
それは解らないことでございます。
けれども、私はどうぞして倒れ得る者になりとう
ございます。地響を立てて倒れ得る者になりとう
ございます。
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『NHKスペシャル 日本列島 奇跡の大自然』
(NHKスペシャル「日本列島」プロジェクト編著、NHK出版、2011年)
この番組、見ようと思って
見れなかったので、本で。
へえ!
すごい!
ということ続出ですよ。
ヒマラヤ山脈・チベット高原が高いから、日本に梅雨があるとか、
日本海の隠れた主役「キュウリエソ」は2兆匹を越えているとか、
遠くアムール川から親潮に流れ込んでいる鉄分が
プランクトンを大発生させ、黒潮の豊かな漁場が成り立っているとか。
自然は弁証法の宝庫、というのも大納得です。
見えないつながりが、たくさんあります。感動しますよ。
つながりの中で、生きている・生かされている自分。
地球という奇跡の星のなかに、
たくさんの驚きや不思議はつまっているけど、
日本列島は、その宝庫、でもあるんだと思いました。
この豊かで多様性に満ちた自然を未来に残すために、
経済利益優先のこの社会システムを、
変えていかねばならいと、強く思いました。
コメント
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