ソワニエ読書日記2冊目。
『ノーフォールト』(岡井崇、早川書房、2007年)
【読んでの、つぶやきメモ】
*アマゾンの内容紹介以下。
「城南大学病院に勤める女性産科医・柊奈智は、深夜の
当直で容態が急変した妊婦の緊急帝王切開手術を行な
う。ギリギリの判断が幸いし、子供は無事に生まれた。だ
が数日後、原因不明の出血が母親を襲った……患者を
救えなかったことでショックを受ける奈智に、さらに遺族が
起こした訴訟が追い討ちをかける!緊急手術、医療事故、
裁判、そして苛酷な勤務……現役の医師が、医療の危
機の実態を描く、感動のヒューマン・ドラマ!」
*現役医師による医療小説。とにかくリアルです。
日本の産科医療の危機、大学病院の現状、
医師のやりがいと過酷な労働実態…。
*「社会に実情を知ってもらいたい、が執筆の動機」(あとがき)
*たとえば、こういうセリフ…
「理事長!大学病院はまだいいんですよ。三人も当直し
ていて、その中にベテランが必ず一人いますから。一般
の病院は二年目、三年目の医師が一人で当直している
んですよ。もし、今回のケース、一般の病院で起こったら、
あんなに早く帝王切開はできません。“医長先生を呼び
出して”とか言っている間に胎児が死亡しています。でな
ければ、重症の仮死で生まれて、後遺症が残って……
それが問題にされる。現在の日本の産科医療はそういう
状況なんです」
*岡井さんの第2弾小説『デザイナーベイビー』も
ぜひ読んでみたいと思いました。
コメント
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