先週の金曜日(18日)の夜、
マルクスの思想を今に生かす講座の2回目があり、
12名が参加しました。
うーん、松浦さんのお話がすんごく面白かっただけに、
参加者が少なかったのが残念でした。
岡山のみなさん、もっともっとマルクスを学びましょう!
講師の松浦章さん(兵庫県立大学大学院博士後期課程)。
講座のふうけい。
テーマは、
「今日の労働時間問題とマルクス-損保産業の現場から」
というものでした。
松浦さんは、詳細なレジュメをもとに、
損保産業の労働経験、その実態をふまえながら、
たいへん具体的でわかりやすいお話をしていただき、
学ぶところの多い講義だったと思います。
なかなか大企業の職場のことを聴く機会というのは
少ないですから、その面でも貴重なお話でした。
講義の骨子は、以下のようなものでした。
はじめに-「働きすぎ」の正社員
◇非正規雇用比率が過去最大に
◇一方で正規労働者は
◇時間は人間発達の場
Ⅰ 労働時間問題の歴史と今日
1。8時間労働とマルクスの先見性
◇マルクスの先見性
◇日本社会の遅れ
◇今なお続く長時間労働とサービス残業
2。長時間労働・サービス残業を恒常化させたもの
◇長時間労働やサービス残業がいまだ恒常化している原因
◇「強制された自発性」
◇損害保険産業とは
Ⅱ 損保産業における「私的時間」制度
1。「私的時間」と「強制された自発性」
◇「私的時間」とは
◇「私的時間」を多く入力する第一の理由
◇「私的時間」を多く入力する第二の理由
2。「私的時間」制度の「前近代性」と「違法性」
◇その前近代性
◇その違法性
Ⅲ 「みなし労働時間制」という名の労働時間「ひったくり」
1。「ひったくり」その1「裁量労働制」
◇日本興亜損保の「企画業務型裁量労働制」
◇適用者の範囲
◇異常に多い管理監督者
2。「ひったくり」その2「事業場外労働制」
◇損保ジャパンの「事業場外労働制」
◇その適用者と管理監督者
3。「絶対的剰余価値」および「相対的剰余価値」の生産
◇正規労働者の労働時間管理の「二極分化」
◇「絶対的剰余価値」の生産
◇「相対的剰余価値の生産」
◇「必要労働時間」の短縮
◇マルクスの指摘と今日の労働時間問題
Ⅳ 社会の健全な発展と労働時間短縮
1。労働時間問題の今日的論点
◇日本経団連の思惑
◇八代尚宏氏の見解。
◇労働時間をめぐる今日の議論の中心
2。雇用問題と「企業の社会的責任」(CSR)
◇品川正治氏の見識
◇企業の社会的責任(CSR)
◇真の国際競争力とは
おわりに
◇三メガ損保体制の下で
◇今問われる雇用責任
◇Walk the talk
以上。
質疑応答では、4人の方から発言がありました。
それぞれの職場からの報告もありました。
充実の時間だったと思います。
感想文を少し。
「マルクスの思想の話をお聞きしたかったので、
とてもよかった。また、このような講座があれば、
お願いします」
「時短闘争は思想闘争だと改めて感じた。
裁量労働時間と成果主義。強制された自発性
を生むということが良くわかった」
「まったく知らないことばかりで新鮮でした」
「“企業の社会的責任の役割を担いうるのは
労働者”という言葉にはっとさせられた。
損保産業の生々しい実態や、その中でいかに
労働時間と賃金の関わりと、その一体化、
資本主義のゆくすえがわかる内容でした。
ありがとうございました」
コメント
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