5月10日(木)の、
83期岡山労働学校「働くって、なんだ?教室」
の入学式で、表題の本を販売します。
記念講演は、沢山美果子さん(岡山大学大学院客員研究員)が、
「自分の『不安』と向き合って~働くこと・学ぶこと」と題して講演します。
倉地克直・沢山美果子編、世界思想社、2008年
≪もくじ≫
第1講 働くことの風景(倉地克直)
第2講 憲法に見る働くこと(中富公一)
第3講 人類史のなかの働くこと(新納泉)
第4講 歴史のなかの子どもの労働
-中世の子どもの生活史序説(今津勝紀)
第5講 働くことの発見-中世から近世へ(倉地克直)
第6講 働く身体と生む身体-近世から近代へ(沢山美果子)
第7講 ライフスタイルと働くこと-おんなの戦後史(沢山美果子)
第8講 国際比較から見た男女雇用機会均等法(藤内和公)
第9講 働くことと生きること
-オランダの事例に見る「ワーク・ライフ・バランス」(中谷文美)
第10講 働く女性の現場から(青木須賀子)
あした働く君たちへ-まとめの講義(倉地克直)
学生との対話(沢山美果子)
本書は、岡山大学での同名リレー講義の講義録です。
記念講演で、沢山さんがこの本の紹介をされるので、
あわせて当日販売したいと思います。
沢山さんは、
本書の第7講「ライフスタイルと働くこと」の
最後で、こう述べられています。
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ふりかえってみると私自身も今まで「不安」と向き
合うことで、少しずつ自分の進む道を切り開いてきた
ように思います。何かをやろうとするとき、「不安」に
かられるのは、ある意味当たり前のことです。むしろ
正当な不安感を持つことは、大事なことではないで
しょうか。私は、女であることも、母であることも、妻
であることも、仕事をすることも切り捨てないで生きて
いきたいと思ってやってきました。それは裏返せば、
仕事だけ、研究だけで生きていくほどの自信がなか
ったからでもありました。自信がなくて不安だから、
自分が大事にしたいと思うことをなるべく切り捨てず
にやってきた。そのことが、言い換えれば「不安」と
向き合ったことが、むしろ自分にとってはプラスにな
ったといえるかもしれません。
自分が何をしたいのか、何に向いているのか、自
分の個性とは何かということは、自分の内面をみつ
めるだけではみえてきません。自分らしさや個性は、
人との関係や社会のなかでしかみえてこないし、自
分がしたいことも、やり続けることでみえてくるのでは
ないでしょうか。私は、とくに女子学生の方には、自
分の「不安」ときちんと向き合って、そして自分が大
事にしたいことを切り捨てないで、あきらめないで生
きてほしいと思います。
女性が人間らしく生きようとし、人間的な働き方を
求めることは、男性の人間的な生き方、働き方を求
めることにもつながるでしょう。そのためには、あきら
めないで、自分のしたいことを先延ばしにしないで、
自分で自分の周りの状況を変えていく楽天性とねば
り強さを持ってほしいと思います。また楽天的になる
ためには、自分の生きている社会がどのような社会
なのかを客観的にみつめることが必要になってきま
す。そのためにも学び続けてほしいし、この講義が、
そのささやかなきっかけになればと願っています。
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すでに沢山さんから講演レジュメと資料が
届いていますが、
上記の視点をふくめ、今期の記念講演にふさわしい、
たいへん豊かな問題提起がされる講義になることは
間違いありません。ものすごく楽しみです。
ちなみに、入学式の参加確認は、
今日現在、すでに40名となっており、
教室満杯の入学式になります。
まだ定員には余裕がありますので、
岡山のみなさんは、ぜひともご参加ください。
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