全国学習交流集会in倉敷に3日間参加して
くださった、JAL裁判原告団のおひとり、
神瀬麻里子さんが、facebookに「学んだこと・思ったこと」を
書いてくださったので、ご本人の了解のもと、
ブログでも紹介させていただきます☆
* * * * * * * * * *
「2012全国交流集会in倉敷」(10月6日~8日)で
学んだこと、思ったこと。
10月9日 神瀬麻里子
*関西勤労協が用意してくださった倉敷行きのバス。
35名が乗り込みました。森ノ宮を8時に出発するやい
なや、さっそく学習会(関西勤労協ニュース読み合わ
せ)が始まったのには驚いた。さすが労働学校!
時間を大切に使う。
団長・事務局長そして来年設立60年迎える記念の
Tシャツ手ぬぐいクリアファイルが紹介されて、楽しい
雰囲気づくり。学ぶ仲間を大切にする、さすが労働学
校!
労働学校に初めて行ったのは、たぶん25年くらい前。
1987年に成田から伊丹に転勤してきたものの、日本
航空客乗組合大阪支部には事務所は貸与されていま
せんでした。そのころ飛ぶ鳥を落とす勢いだった全日
空労組が広い事務所に私たちのデスクを置いてくだ
さって、そこで活動していたのです。そこで初めて知っ
た労働学校&関西勤労協の名前。
勤労協のみなさんは私たちCAの勤務形態を理解し
て、「総合教室のどの曜日に行っても良い」という扱い
をしてくださり、今日は高槻来週は枚方という通学の
仕方で、私と友人はみごとに卒業したのです!
そのあと経済とか女性のクラスを受けたけど、それ
ももう10年とか15年前の話。久しぶりの参加です。
*今回「参加しよう!」と思ったのは、岡山県労働者
学習協会の長久さんのおかげ。尾崎恵子さんに紹介
されて、7月岡山でちょっと会い、8月31日大阪での
集会「私は変える WITH YOU JAL不当解雇撤回!
仲間にエールを!怒るみんなの大集会」に参加くだ
さった。彼が毎日集会成功に向けて頑張っているの
をブログやfacebookで知り、だんだんと「私も行きた
い!」という気持ちが高まってきたのです。
*尾崎恵子さん(現役客室乗務員)記念講演「輝い
て生きたい。仲間とともに」。
ANAの尾崎さんは私が成田から大阪に転勤してき
た25年前に初めてお会いした(のだと思う)。その前
からずっと大阪で働くJALの客室乗務員を励まし、
ひっぱってきてくれた存在だった。なのに、講演を聞
くのは初めてだった。
集会事務局の長久さんが「尾崎さんの講演は何回
も聞きたくなる。岡山ではぜひ記念講演をして欲しい」
と言っていそうだけれど、素晴らしい話だった。
経験に根付く話は本当に説得力がある。元気が
あって、イキイキとした話。生きていることが楽しくな
る話だった。忘れていた航空の歴史できごとを思い
出し、知らなかったことを知れた。
尾崎さんは私の4つ年上で、私より4年前に入社さ
れた。当時は結婚退職制度がありしかも30歳定年
だったという。その4年で得たものの大きさ。そして
労働組合で闘ったからこそ得ることができた、客室
乗務員の60才定年などもろもろの条件。なにも経営
者が「はいどうぞ」と言って30歳定年制や結婚退職・
懐妊退職を撤廃してくれたわけではない。
働くことの意味、労働組合の意義。な~~んにも
わからなかった尾崎さんが、労働組合で学ぶことで
変わっていった。学ぶことは「見誤らないこと」につ
ながる。学ぶことでいろいろなことを変えていける。
そしてもうひとつ重要なのは、産別運動を実現してき
たわれわれ航空労働者。企業を越えて、職種別に
つながって、労働条件を勝ち取ってきた。その中に
いた私は当たり前すぎて気が付いていなかったが、
今企業を越えて闘うことが求められている。
私たちが闘ってきた歴史を振り返って未来に迎え
る内容だった。最後はJAL不当解雇に触れてくれて、
涙が出ました。、ほかの原告も連れてくれば良かっ
た!大阪の仲間にも聞かせたい!と思った。ぜひ
実現しよう。
現役が自分の歴史を語れるANAと、もう一人も尾
崎さんなみのベテランがいなくなってしまったJAL。
大きな矛盾。
*中田進さん「人間らしく働きたい~ディーセント
ワーク」
ディーセントワークという言葉ができたのは、1999
年。「人間らしく適切な働き方」(ILO日本事務所訳)。
日本では女性の労働者の7割が非正規。そして7割
が結婚・出産で退職する。スウェーデンでは9割が
ずっと働く。
ものごとにはすべて理由がある。世の中が勝手に
悪くなるのではなく、法律がそうさせている。たとえ
ば派遣法。1985年にできた時には限られた業種だ
けだったのに、どんどん規制緩和されて、とうとう
2003年には製造業まで派遣OKに。1999年の業種
拡大の時に反対したのは共産党だけだった。政治
を語り、憲法を語るところから始めよう。
*石川康宏さん「マルクスがガツンと教えてくれる
こと~学び、たたかい、自信の持てる生き方を」。
副題どおり「学び、たたかい、自信の持てる生き
方」を学べた講演会だった。60枚もあるパワポを使
いながらぐいぐい話していく石川さん。かぶりつきで
聴きました。あ~、楽しかった。
マルクスは資本論を書いたヒトです。そのくらいの
知識しかなかったけれど、マルクスって素敵な人
じゃありませんか!そして石川さんも!
石川康宏さんの教え。「高い山に登るのに近道は
ない」。学びの基本は独習=読書。「わかる」から
読むのでなく、「わかるようになりたい」から読む。
字をながめているだけではダメ。ペンを持って、疑
問やおっ!と思ったところにマークをしたり書き込む。
自分独自の本をつくる。難しいからと言って投げ出
さない。努力が必要。一緒に学ぶ仲間をつくる。学
びについて、書く。facebookやtwitterで。学んだこ
とを友達にしゃべってみる。時間はつくるもの。人と
の約束だけを書くのがスケジュール表ではない。
本を読む時間、物を書く時間等、スケジュール表に
書き込む・・・等々。
私のような自学習の習慣がなく、ここのところさっ
ぱり本を読んでいない者でも「よし!やってみるか!」
と思えた講演会でした。
講演終了後、「マルクスのかじり方」という著書を
購入して、サインをいただきました。「はげしく学びは
げしく遊べ」と書いてくださいました。
「今日のお礼です」と言って、名刺とJAL裁判支援
バッジを差し上げたら、名刺を下さいました。可愛
らしいザ・新参ズ(5歳の息子さんと0才のお嬢さん)と
奥様へのお土産に光る指輪を差し上げたら良かった
なぁ、と思いついたのは会場を去ったあとで残念。
よおし、ペンを耳にさし、「マルクスのかじり方」読む
ぞお。
*関野秀明さん「現代の政治課題と『科学の目』」
①生活保護バッシングの台頭、さらに「社会保障・
税一体改革。なぜ弱い人が弱い人を叩くのか?②
若い労働者は自立・自助(自己責任)で生きていけ
るのか?③現代日本の貧困:新しい特徴と変わら
ぬ本質は何か?⇒マルクス「資本論」に学ぶ。
レジュメはA3×4枚。要旨8つと図表9つがよく整理
されていて、それに沿って話してもらったので、とて
もわかりやすかった。
日本・アメリカ・カナダ・イギリス・フランス・ドイツの
6か国を比べると、日本の雇用保険受給率はなんと
23%で最下位。社会保障がその程度なので、「待
遇は悪いし自分がやりたい仕事ではないけれど、食
べるために仕事に就かざるを得ない」ということにな
る。
日本は雇用保険制度を改悪し続け、受給率の低下
が貧困・生活保護受給増大、労働条件切り下げに
直結してきた。生活保護受給者を守ることは現役労
働者納税者を守る。社会保障を充実する財源は本当
にないのか?いえ、あります。①政府は先進国差代
の金融資産を保有。②家計部門は政府・企業に貸し
付け、さらに海外で250兆円運用(世界一)③家計
金融資産(ようするに個人が持ているお金です)の
約30%を1%が所要している。「あの」1%ですね。
そこに課税すれば財源は出てきます。
大企業に賃上げ・正社員化の力がないのか?いえ
あります。大企業の経常利益は25兆円に回復し、資
本剰余金は93兆円、利益余剰金は142兆円におよぶ。
サービス残業根絶で310万人の新規正社員雇用純
増が可能になる。
…等々、目からウロコのお話が一杯でした。フルタ
イムで働いても食べていけない人、貧困、非正規労
働者をつくっておきながら大企業は大儲け。自己責
任はきっぱり「ゼロ」。貧困をなくすために言うべきこ
とを言い、やるべきことをやろう。そのために、学習を
しよう。
*3日間ずっとお天気で本当に気持ちが良かった。
宿舎のアイビースクエアから会場の倉敷文芸館まで
は、美観地区をぶらぶら歩いて10分くらい。とても良
い環境で学習することができました。
*若い方を中心とするスタッフの方が元気に明るく
がんばっておられて、とても気持ちが良かった。おそ
ろいのかわいいTシャツがさらにイメージアップにつ
ながったと思います。ナイス!
*毎日発行された参加型速報新聞「ピーチ」が素晴
らしかった。4号まで発行されましたが、イキイキした
記事と写真が並んでいて、私の宝物となりました。
*最後に流れたスライドショーがナイスでした。
Youtubeにぜひアップして欲しいな~。
*今回の集会成功にはfacebookやブログという媒体
がとても役立ったのではないでしょうか?紙と電話の
時代には考えられなかったこと。インターネットの発達
に感謝です。
*学び交流することの楽しさを満喫できた3日間でした。
計画段取りなどなど、運営してくださったみなさんは、
どんなに大変だったことでしょう。
「あつまればうまれる」。うん。
なにかが生まれて、自分の中でなにかが変わった気
がしています。
北は北海道から南は沖縄まで37都道府県から参加
した600名が全国の地元に戻り。3日間のことをしゃべ
りまくっていることでしょう。その様子を想像するとワク
ワクします。私も昨夜さっそくつれあいにしゃべりまくり
ました。
学習と交流の持つ力って、すごいね。みなさん、また
どこかでお会いしましょうね。きっと会える。
以上
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