どちらも読み応えじゅうぶん。
『道具と人類史』(戸沢充則、新泉社、2012年)
こういう本大好き。
人間のすごさとおもしろさを
確認できるから。
道具にたいする認識って、
ますます大事になっていると思う。
『憲法九条裁判闘争史-その意味をどう捉え、どう活かすか』
(内藤功、〔聞き手〕中谷雄二・川口創、かもがわ出版、2012年)
いやいやいや、
これはスゴイ、ほんとうにスゴイ本ですよ。
個人的には、野呂栄太郎賞あげたい。
(そういう性格の本ではないけど)
「はじめに」を読んだ時点で、
3,150円でも買う価値のある内容で
あること間違いなし、と思わせてくれた。
砂川事件、恵庭事件、長沼訴訟、百里基地訴訟と、
「憲法9条」を武器に、たたかわれてきた、
歴史的な裁判闘争。
この裁判闘争の教訓、そこで勝ちとられたものは、
日本の現在と未来にどう生かされるべきなのか。
そうした観点を軸に、
この裁判闘争に弁護士として関わってこられた内藤功さんに、
自衛隊イラク派兵違憲訴訟の名古屋弁護団の中心で活動された
中谷雄二弁護士・川口創弁護士がインタビューするという形式。
とにかく、話がとても具体的で抽象論はいっさいないので、
おもしろいし、ものすごく学ぶべきところの多い本。
平和運動の大事な観点も凝縮されている。
あらためて、これらの裁判の判決文を読み込んでみたいと思った。
そして、日本の裁判所にある種の絶望感を抱いていた私だけれど、
なんか目の前がパッと明るく開けた感じがある。
「平和憲法を守り活かそうとすれば、私達は、市民として、
法律家として、覚悟を決めて憲法を守り活かす闘いに
身を投じる必要があるでしょう。その時、新たな深刻な
局面だからこそ、戦後の平和憲法を活かそうとしてきた
闘いから学ぶことが大事になってくるのではないでしょうか。
その闘いの中で、困難に直面したときにヒントになる
ような一文が、この本にはきっと書かれていると思います。
この本は、憲法を武器に闘う市民、弁護士にとって、バイ
ブルになるものだと思います」
と川口創弁護士が「はじめに」で書かれていたが、
読み終えてみて、「まさに」と共感した。
これから、座右の書の1冊にくわえて、
多くのものを学び取っていきたいと思った。
内藤さんが本の中で紹介されていた
何冊かの書籍も、さっそく注文した。楽しみである。
活動家のみなさん、
必読ですよ!!!
(いくつか誤字があったのが残念だったけど、
それも初版本の味わい、ということで)
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