『デジカメ散策のすすめ』(柳生真悟、アスキー新書、2009年)を読み終える。
紹介されている写真(自然や植物や昆虫など)が
とても良い。
柳生さんの対象への“愛”が感じられる。
デジカメは、絞りとシャッタースピードが鍵だという。
たしかに、写真をみると、撮り方によって被写体の
雰囲気や姿がずいぶんと違う。
カメラをもう少し勉強してみようかという気になった。
このブログも、写真をもっと使っていこうかとか。
内容も、とても読みやすく、勉強にもなり、
自然をこんな角度でみれるんだ、と発見の連続。
デジカメが好きになる。何事も好奇心や感動が大切。
おすすめの1冊。
『読み上手 書き上手』(齋藤孝、ちくまプリマー新書、2009年)を読み終える。
3部構成(基礎編、応用編、実践編)となっているが、
基礎編の内容に激しく共感する。
「そうだよな~」「そうなんだよな~」「うふふふふ」など。
ということで、以下、紹介する。
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「読み上手」になるには書く行為を前提にして読む
こと、そして「書き上手」になるには読まれる前提に
して書くこと、その前提を鍛えてこそ、「読み上手、書
き上手」になれるわけです。
いいものを書くためには、ふだんから「読んでいる」
という足腰作り、鍛錬が必要です。その膨大な蓄積の
上に、書くことがあると、私は考えています。
新聞の購読率が激減しているということは、毎日日
本語力の“足腰”を鍛える訓練を楽しみにしていた世
代が消えつつあるということです。これは日本にとって、
大変危機的な状況です。(略)
私は、密かに“活字中毒”プロジェクトを推進しようと
しています。昔は私たちの周りに“活字中毒”といわれ
る人たちがたくさんいました。何を隠そう、私もその1人
です。
“活字中毒”になると、活字がないと落ち着きません。
(略)
身の回りにいつも活字があり、それを読むのをくせ
にする。そのためには、活字がたくさんつまった新聞
に、毎朝目を通す習慣はとても効果があると思います。
新聞をパラパラ見て、内容が即座に把握できるように
なれば、「読む」基礎訓練になります。活字に強い“基
礎体力”をつくるため、今日からぜひ新聞をとり、毎日、
活字メディアにふれる環境を作ってください。それが
「読む力」をつける筋トレになるでしょう。
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まずは、とにかく活字に慣れることが基本。
スポーツの練習と同じ感覚。
さらに、“活字中毒”にはとても「わかるぅ~」話を以下。
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「どうやったら本を読む時間が作れるでしょうか」と
質問する人がいます。(略)忙しさは理由にならないの
です。私からすれば、「いったいいつ本が読めないの
ですか?」と聞き返したくなります。本を読む時間がな
いという人は、改まって「読書の時間」を設定しようと
考えるから難しいのです。
そうではなくて、読書とは常に何かをしながらでもでき
るものだ、と考えてください。活字を読むことをと同時進
行で、連動してできない行為はほとんどありません。唯
一、寝ることぐらいです。(略)たとえば、食事をしながら
でも、本を読むことはできます。人と一緒に食事をする
場合は難しいかもしれませんが、1人で食事をするとき
は大丈夫です。
テレビを見ながらというのも、絶好の読書タイムです。
テレビだけを見るという過ごし方は、とてももったいない
ことです。テレビの内容はほとんどがスカスカですから、
“ながら”で見るぐらいがちょうどいいのです。
ただでさえ時間がない現代人は“ながら”を技にしな
いと、なかなか「読み上手」にはなれない、というのが
私の実感です。(略)また、“ながら読書”をするには、
本を読む姿勢も大事です。(略)どんな格好でも読める
ようにしておいたほうがいいでしょう。
そして、あらゆる時間、空間の隙間に活字を用意して
おくようにすると、それが当り前になってきて、つねに
脳が活字を要求するようになります。つまり、“活字中
毒”の状態が作り出せるわけです。
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まあ、“ながら読書”は、「そこまでしたくない」「おかしい」
「狂ってる」と思われるかもしれません(笑)。賛否あるかと。
しかし、“中毒”な人に、それは言ってもムダです(笑)。
私も、朝は食事をしながら、「赤旗」と「朝日」に
目を通しますし、きのうも、窯のご飯がたける数分間の
「待ち時間」にデジカメの新書を台所で読んでいたし、
「テレビを見ながら読書」も普通にできます(番組によるが)。
“ながら”の技と、いつも活字媒体が身のそばに「ある」
ということが大事ですね。
その気になれば、隙間時間はいくらでも見出せます。
車を運転中の信号待ちの1分間とか(めったにしないけど、
渋滞のときは非常に有効な時間の使い方)。
あと、「いつ本を読んでるの?」と私もたまに聞かれますが、
最近は、「いつも読んでいる」と答えるようにしています(笑)。
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活字にふれる時間がなかなか増やせないという人は、
まずは雑誌でもいいので、読む種類を増やしてみては
どうでしょうか。(略)まずは活字に慣らすという意味で、
好きな雑誌の種類を増やしていきましょう。
おすすめなのはふだん自分が手にしないような雑誌
を見ることです。するとアンテナが広がってきます。た
とえば男性は女性誌をほとんど読みませんが、銀行に
行ったら、わずかな待ち時間の間に、女性誌をパラパ
ラめくってみるだけで、「こういう状況になっているのか」
と世の中のことがわかります。
また、いろいろな種類を読むうちに、面白そうなもの
にビビッとアンテナが立ってきます。このアンテナを立
てるという作業が「読み上手、書き上手」のいちばん根
っこにあるものです。
面白そうなものを探すアンテナが発達してくると、読
むものにハズレがなくなってきます。しかもアンテナの
幅が広ければ広いほど、読みたくなるものがたくさん
増えてきます。「読む・書く」ということの大もとにある
知的好奇心がどんどん刺激されてくるわけです。ここが
大切です。
「話す・聞く」の場合は知的好奇心がそれほどなくても、
普通にできます。しかし「読む・書く」というのは、どこか
根本に知的好奇心がないと、なかなか上達していきま
せん。
アンテナを広くするためには、まずたくさんの種類の
ものを読むことから始めてください。すると芋づる式に
世界が広がっていきます。
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これもよくわかります。
アンテナをつねに広げようと、私も意識しています。
本屋に行ったときも、時間があれば、
自分と関わりのなさそうな、関心の届いてなさそうな
コーナーに行って、「へえ、こんな本もあるんかいな」と
発見する努力をしています。
そして、そんな本を読むと、意外に自分とつながってて、
仕事に生きてくるんですよね。それがまた面白い。
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よく「広く」読むほうがいいのか、「深く」読むほうがい
いのかという質問がありますが、それに対する答えは、
「広く読むことと深く読むことは連動していて、両方でき
る」というのが正解です。
広く読んでいる人はだいたい深く読める、というのが
私の考えです。なぜなら、深く読むためには、ある程度
広く読まないと、そこまで深く掘れないからです。それは
掘る道具をイメージしてもらえれば、よくわかります。
読む力は、そこから何か意味を掘り出す力ですから、
掘り出すために、その人がどんな道具をもっているか
が重要になります。言ってみれば、手で掘る人と子供
用のシャベルで掘る人、スコップやツルハシで掘って
やる人、電動のユンボーで掘っている人、もっと大きな
ショベルカーで掘る人、はてはボーリング機械みたいな
ものを持っていて、ガンガンガンと掘り進んで、温泉や
石油を掘りあててしまう人とでは、掘り出せるものもまっ
たく違うわけです。
広くたくさん読んでいる人のほうが、掘る機械が巨大
化します。だから一気に深くまで届く機械を手に入れる
ためには、たくさんの本を読むことが大事で、冊数が増
えるたびに、機械がバーションアップしていくのだと思っ
てください。
いままで本を年間10冊しか読まなかった人は、手で
掘っている状態です。年間30冊で子どものシャベルく
らい。スコップやツルハシの段階になるには、やはり年
間50冊は必要でしょう。そして100冊まで行けば、電
動式でガリガリと掘り起こすくらいのレベルにはなるの
で、少々難しい本を読んでも大丈夫だと思ってください。
年間に100冊を毎年積み重ねていけば、10年で千
冊になります。千冊読めば、「読む力」は完全に身に
つきますので、どんなものを読んでもサラサラと目を通
しただけで、だいたいのことがわかるようになります。
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この例えが良いかどうかは、議論があると思いますが、
(読書の効能はほかにも多面的にありますので)
「広く読む」ことと、「深く読む」ことは、連動している、
というのは、そのとおりだと思います。
そしてたとえば、労働組合執行部のメンバーが、
みんな「年間50冊」本を読むような力がつけば、
相当、組合の力量も高まると思います。
50冊といっても、週1冊。その気になればできます。
資本に「素手」でたたかっても勝てません。負けます。
組織のメンバーみんなが、本を読む習慣を身につけ、
みんなが強力な武器(知力のこと。ほんものでないよ)を
持つことによって、資本とたたかえる対等の力が
つくのではないでしょうか。
齋藤さんには、岩波新書で『読書力』という
本もあります。そちらも、とても参考になると思います。
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