最近読み終えた本。
『学問、楽しくなくちゃ』(益川敏英、新日本出版社、2009年)
この人は、ほんものの唯物論者ですね。
考え方がとても合理的かつ柔軟。
「そうだ、そうだ」と共感することばかりです。
なにより、普通じゃない性格なので、
それが面白いです(笑)。
『「フラフラ」のすすめ』(益川敏英、講談社、2009年)
同じく益川さんの本。
こちらは15歳に向けて書かれていて、
とてもわかりやすい。
「夢中になる対象はそのときそのときで
変わっていいから、なんにでも首を突っ
込んでフラフラしてください。フラフラの
対象は、自分はこうなりたいと思う人物
であっても、あるいは音楽でもアニメでも
スポーツでも、なんだってかまいません」(11P)
「興味をもち、われを忘れて情熱を傾けることが
できる何かに出会えば、必ずそのことについて
もって知りたくなり、知れば知るほど、より深い
興味がわいてきます。そうなればしめたもので、
みなさんのすすむ道は自然と目の前に開けて
くるはずです」(11P)
基礎の大切さをわかりやすく説くと同時に、
本の乱読をすすめる。まったく同感です。
「本はみなさんの中に眠っているものを呼びさまし、
人生の案内人の役目を果たしてくれます。それから、
ちょっとむずかしいなと思う本を読んで、背伸びを
したり、知ったかぶりをしたりすることも大切なこと
ですよ。みなさんにはぜひ、少しでも多くの本を読む
習慣を身につけてほしいと思います」(29P)
『激動の世界はどこに向かうか-日中理論会談の報告』
(不破哲三、新日本出版社、2009年)
不破さんの本のすごいところは、
知的発見の喜びというか、
心底「はぁ~」「ほぉ~」という
知る喜びを感じさせてくれるところ。
これだけ複雑で変化の激しい21世紀の
世界のおおまかな特徴点をざっくりと
つかまえられる本が、
たった1,600円(税別)ですよ。うーむ(笑)。
『私はヒロシマ、ナガサキに原爆を投下した』
(チャールズ・W・スウィーニー、黒田剛訳、原書房、2000年)
「核ZERO教室」の講義準備のために
買った本で、読めていないものが結構あり…。
「おれも読め!」と泣いている、
そんな本たちをこれからも読んでいくことにします。
広島と長崎の原爆投下の任務に2回とも
参加したスウィーニー少佐の回顧録。
きのこ雲の上からの原爆描写と、
下の惨状とのギャップがあまりにも
大きく、それにあらためてショックを受ける。
スウィーニー少佐は、
一貫して「原爆神話」の考え方を貫いている。
日本の侵略戦争への厳しい糾弾(これ自体は正当であるが)。
そして、自国兵士の命を救うためという原爆使用理由。
しかし、
自分の任務に対する晴々しさは感じられない。
戦後、焼け野原の長崎に降りたったときの心情も興味深い。
益川さんの平和への意識の強さも、
すごく共感できることろですね。
社会的な視野の広さ、熱い人間性を感じる人です。
投稿情報: 長久 | 2009年10 月28日 (水) 16:20
益川氏の凄いところは、ノーベル賞を貰った論文と並行して当時在籍していた大学の事務員さんが解雇されるのを阻止しようと奮闘されてたことですよね。
カゲ茶もこうなりたい と思う今日この頃・・・
投稿情報: カゲ茶 | 2009年10 月28日 (水) 01:35