倉敷のW保育園の労働組合(福祉保育労の分会)での学習会。
「労働組合とはなんだろう」というテーマでした。
今年入った新入職員さんに、労働組合に加入して
ほしいということで、企画された学習会でした。
会場は、保育園近くのコープの店舗内の会議室。
参加は最終的に13名でした。
若い保育士さんの多い保育園です。
(雇用継続という課題があるということの裏返しですが)
W保育園には、福祉保育労の学習会で何度も
おじゃましているので、初めて見る人は3分の1ぐらいでした。
労働組合の活動では、なかなか課題も多い
分会であることも事実ですが、
こうした学習会の積み重ねが、必ず力になっていくと思います。
若い人の成長に期待です。
以下、講義の概要です。
一。保育職場の労働組合を考える前提として
1。保育士としての思いと、自分を取り巻く環境
◇「いい保育がしたい」「こんな保育士になりたい」
*人と関わる仕事。他者との関わりで、自分の生の意味を確認する。
*子どもたちは1人ひとり多様で、変化の過程のなかにある。
*自分の限界にもぶつかる。子どもたちとともに自分自身も成長する。
◇自分は、どんな環境のもとで、保育をしているのか
【内部環境】
経験、理論、体力、体調、順応、ストレス…
【外部環境】
どんな保育園で?(建物、機能、空気、光、音、自然環境、地域)
どんな子どもを対象に?(年令、人数、生育過程、家庭背景、障害)
どんな人数で(何人の保育士で? 経験は?)
どんな集団のなかで?(保育方針、園の文化、集団の質、人間関係)
どんな保護者のなかで?(願い、要求、不安、不満、保護者集団)
どんな労働条件で?(賃金、労働時間、休憩、休日、雇用形態、諸権利)
どんな家庭環境で?(1人暮らし、子育てしながら、家庭事情)
私の ←―(影響)―― とりまく
保育労働 ――(変革)―→ 環境
2。専門職として成長するーその条件
◇コミュニケーション労働(人間が相手)に必要な知的熟練
*保育理論の学習と同時に、経験の蓄積がものをいう。いわば保育職人
として、現場の経験をつみ、知的熟練をものにしてくことが必要となる。
*「働き続けたい」「働き続けられる」職場か?労働条件か?
二。労働組合のはなし
1。「仲間がいるからがんばれる」(『学習の友』1995年1月号より)
◇環境を変革するには、ひとりでは難しい。集団の力が必要。
2。労働者と言われる人々の特徴は
①数が多い、②ひとりでは弱い存在
◇労働組合(ユニオンUnion)の語源は「Unite」
◇労働者なら誰でも入れる組織-いろいろな違いをこえて
*そのために、「話し合う場」がとても大切(職場討議)
*「不平・不満」と「要求」の違い
*要求は、具体的な形をとってあらわれる
三。日本国憲法に保障されている基本的人権としての労働組合
◇労働三権
*団結権・・・労働組合をつくったり、入ったりする権利
*団体交渉権・・・使用者(経営者)と対等に話し合いをもてる権利
*団体行動権・・・ストライキ、集会、ビラまきなど、たたかう権利
2。労働組合を「バトン」としてつなぎ、広げてきた人たち
◇人間らしく生きたい、憲法どおりの社会をつくりたいー職場で、地域で、全国で。
◇学習することで、みえてくるもの。知を力に。
以上。
参加者の感想文も、全員のを掲載します。
「W保育園で、働きだして約10年。夢を持ってはじめた保育士。
組合に入ることに、はじめは抵抗もあったけど、労働者の権利
ということを学び、また新たな気持ちで、日々をすごしていこうと
思います。今日は分かりやすいお話、ありがとうございました」
「まだまだ分からない所が多いですが、回を重ねるごとに、理解
できる所も増えてきて、大切さを感じることができるようになって
きました。今、平和である現状だが、いつ、何をきっかけに変化
するか分からないので、残していかないといけないんだなと思い
ました。ありがとうございました」
「何度も労組とはというテーマでお話を頂きありがとうございまし
た。働くものにとって『労組』というものは、なくてはならない、憲
法の中でも特別に、その権利を保障しているのだと改めてその
必要性、重要性を感じました。しかしながら、まだまだ、不平・不
満を出し合う段階から前に進むことができず、どうやって、いつ
要求書として出せるか、私自身の課題です。ありがとうございました」
「今日初めて、組合の会議に参加させていただいて、“労働組合”
というものが、働いていく上で本当に大切なのだということがわか
りました。労働組合があるからこそ、保育の質も向上し、子ども達も
安心して通うことができる保育園になっていくのだと感じました。
働き続けて経験を蓄積していけるよう頑張りたいと思います」
「本日は長久さんのお話を聞くことができ、充実した時を久しぶりに
すごせることができよかったです。組合に入って8年目を迎えようと
していますが、いまいち組合って!?の意味が分からず、もしかして
組合やめてもいいかな・・・!?と思っていた時期もありましたが、
今日のお話を聞いて、先輩方のつくって下さった組合のありがたさを
感じ、なくしてはいけないと思い、もっと、いろんなことに目を向けて
勉強!していかないとと思いました」
「今日は初めて参加させていただいて、“組合”と言われても、全く
想像がつかない状態での参加でした。しかし、話を聞いていると
難しい話なのかな?と思っているとわかりやすく説明してくださり、
自分が毎日保育士として働けていることにも、いろいろな環境が
あり、その中で日々できていることなのだと実感しました。話にも
ありましたように、“経験”が保育をしていく上でも大事になってくる
ので、1日1日をまずは頑張っていきたいです。いろいろな話を聞き
ながら、もっと学べれたらと思います」
「普段要求を出したりはしていなくてあまり活発に活動はできてい
ない組合ですが、職員がどんどん入れかわっていく中で、やっぱり
なくしてはいけないものなのだと、改めて思いました」
「今日はありがとうございました。仕事をする上で労働条件、環境が
いやなこともあり(勤務時間や賃金、休日)不満がたまっています。
今日の話を聞いて、思っているだけではなくて実際に働きかける
ことの大切さが分かりました。W保育園は人間関係はすごくいいので、
みんなで協力していきたいと思います。またお話よろしくお願いします」
「今日の話で、いろいろな権利が憲法に保障されていることがわ
かった。よりよい環境でよりよい保育をしていくのが、子供達にとって
も、大切であるのだと思った。また、継続していく大切さを改めて感じ
働き続けられるよう自分自身もがんばっていきたい。ありがとうござ
いました」
「今日、組合とは、というお話を聞き、以前、1回聞かせてもらった事が
ありますが、月日が経ってもう1回聞いた時に、『これがそうなのか!』
と分かった部分もあり、とてもわかりやすかったです。組合に入って
3年目で、まだまだ知らない事分からない事もありますが、これからも
いろいろ知っていけたらと思います。本日はありがとうございました」
「組合に加入して、3年目になりますが、正直組合とはなんだろうという
疑問があります。今日の話を聞いて、憲法で認められていることが分
かり、さらに奥が深いものだと思いました。確かに、1人1人の意見は
小さいものでも団結することで大きくなり、職場がより良いものになる
のだと改めて実感しました。有休など当り前と思っていたものでも、立
ち上げてくれた方々がいたからこそなのだと思いました。今日は、あり
がとうございました」
「質の良い保育がしたい、こういう風にしたらいいのに・・・と思うことも
ありますが、2年目という立場で言いだしにくいことが時々あります。
また、1人暮らしをしていて、様々な面で負担が多く、悩むこともあり
ます。組合で実際、どのような活動をしているのかわからず、組合費
のことなどわからないことばかりでした。今回の説明わかりやすかった
です。今回参加させて頂いて、保育士間で協力して、職場を向上させ
ていきたいと思えました」
「保育園に就職し、何も分からない状態で組合に入り、2年目ですが、
少しずつ組合の大切さも理解できてきて、組合があるからこその今の
職場があるんだと思い、自分も、1人の組合員として、できる活動は
参加していきたいと思います。また、組合の大切さが広げられたらいい
なと思いました」
Tamyさんありがとうございます。お名前は存じあげております。
福祉保育労、もっともっとメジャーに、そして大きくなってほしいと思っています。
学習運動の側面から、力になれるよう、今後ともがんばります☆
投稿情報: 長久 | 2010年5 月14日 (金) 11:47
いつもお仲間がお世話になっています。福祉保育労青年部を「よく見ているブログ」にもリンクいただき、感謝感謝です。
今後ともよろしくお願いします。
投稿情報: Tamy | 2010年5 月14日 (金) 10:00