どのような死をむかえるか、子どもはどのように育つのか。
人間の生老病死は、とてもとても、奥が深い。また、課題も多い。
『「平穏死」のすすめ-口から食べられなくなったらどうしますか』
(石飛幸三、講談社、2010年)
特別養護老人ホームの配置医からの
シビアな現場報告と問題提起。
いま、日本人の8割は、病院で死んでいる。
私も知らなかったのだけれど、
「最期はここで」と希望し、入所している特養でも、
結局、最期の瞬間は病院に運ばれてしまう。
そして、日本の医療現場では、
「どのように安らかな死を迎えさせるか」という
共通認識は確立されておらず、いまもって、
「延命至上主義」とも呼ばれる過度の医療行為が行なわれている。
「治せないこと=敗北」「死ぬこと=敗北」なのだ。
本書では、認知症の方々が、口から食べれなくなったとき、
おおかたの対処方法は、点滴、経鼻胃管、胃ろう、などで
栄養を直接体に注入する方法が紹介されている。
そしてそのことによって、失われてしまった、「安らかな死」。
「食べれなくなる=死」という前提が、変わってきている。
20世紀の医療技術の飛躍的進歩により、
私たちは多くのものを手に入れた。
しかし、おだやかな、「看取りの文化」は、変質した。
それを取り戻すことが、
21世紀の医療のひとつの大きな課題になる。
『ひとの先祖と子どものおいたち』(井尻正二、築地書館、1977年)
「みんなの保育大学」シリーズの1冊目。
先日、足守のもみの木保育園に行ったさい、
そのルーツが「さくさ・さくらんぼ保育園」に
あると知って、読み始めた。
本書は、さくらんぼ保育園に招かれて
行なわれた地質学者の井尻さんの
講演会をまとめたもの。
古い本だからどうかなーと思っていたけど、
なんのなんの、めちゃくちゃ面白いじゃないですか!
井尻さんは文章もおもしろいけど、
こんなに砕けた講演スタイルとは・・・、びっくり。
いやいや、保育をつうじて、
「ものの見方・考え方」も豊かにすることができる。
この本は、よい。
『生物の進化に学ぶ乳幼児期の子育て』(斎藤公子、かもがわ出版、2007年)
その「さくら・さくらんぼ保育園」の
保育士であり、指導者、斎藤公子さんの本。
じつは、数日前に自宅の書斎から発見した。
いつのまにか、ちゃんと買っていたんだぁ。
もちろん、内容もそれはそれはすばらしい。
子どもの発達と描く絵の違いには、驚き。
もっと早く読んでおくべきでした。
子どもへの尽きることのない愛情。実践から導かれた保育理論。
自分や保育士、親へのきびしさ(大人へのきびしさ)。
子どもの環境を脅かすものへの怒り。
斉藤さんは、ナイチンゲールのようなお人でありました。
いや、すごい人がいるもんですね。もっと勉強したいです。
ほんと、すべての子どもたちに、よりよい環境を
保障してあげたいです。大人の責任です。
すぎたさん、ありがとうございます。
本は、渡せるようにしますね。
また、いろいろとお世話になります☆
投稿情報: 長久 | 2010年6 月 6日 (日) 22:32
こんにちは
「生物の進化に学ぶ乳幼児期の子育て」それと「ひとの先祖と子どもの生い立ち」読んでみたいです。お貸し願いませんか?
ナイロビのスラムで学校運営をされている早川千晶さん講演会&コンサートがあります。
岡山でランドセル80個を集めて現地に手渡した新成人の活動も報告します。
よろしかったら参加ください。
6月18日
18:30~西川アイプラザ
詳細は市職労まで
投稿情報: すぎた | 2010年6 月 6日 (日) 14:55