最近読み終えた本。
W杯と選挙が終わり、ペースが上がってきたかも!?
『私は見た! ルポ 看護という仕事』
(早野ZITO真佐子、日本看護協会出版会、2010年)
これまで、看護師自身が看護を語る、
あるいは医師が看護を語る、そういう本は
たくさん読んできましたが、医療者ではない、
外部の医療ジャーナリストが、見事に多面的な
視点で、看護の仕事を掘り下げた逸品です。
これからは、「看護の仕事を知るには?」と
聞かれたら、迷わずこの本を紹介します。
とくに、「看護って、すごい!」と思う実践が随所に
紹介されていて、うなります。プロです、プロ。プロフェッショナル。
患者が語る「いい看護師」「ちょっと・・・な看護師」も説得力があります。
看護師自身の座談会もおもしろい。
また、医師や薬剤師、リハビリなどの専門職を
縦糸に例え、それをつなぐ横糸としての看護職の役割を
見事に浮き彫りにしています。
そして、一般の人が持っている「お世話係」「医師の補助的な仕事」という
イメージを払拭するためには、看護師自身が、看護の物語を
豊かに語ることが求められいる、と提言しています。
看護って、すごいんですよ! あらためて。
一般の人向けに書かれた「看護紹介入門書」なので、
どんな人が読んでも、おもしろいです。
『手のうごきと 脳のはたらき』(香原志勢、築地書館、1980年)
もみの木保育園の学習会用の学びです。
30年前の本だけど、やっぱり本質的なものは、
変わらなく、学び応えがあります。
「手」の学びは、際限がありませんね。
動物は、移動生物である。なるほどそうだ!
居場所を変えることができるのが、動物。
だから、「前」と「後ろ」が必ずある。そして、「前」が顔になる。
植物は動けない。だから、基本、前後がない。上下はあっても。
簡単な定義だけど、深く納得!
人間の手は、親指にその特徴がある、ということは知って
いたけど、あらためてその意義について学びました。
おとといの晩、お風呂につかりながら、まじまじと
自分の手をみて、「おまえ、すごいなあ」と、ひとり感慨に
ふけってしまいました。
『戦後平和主義を問い直す-戦犯裁判、憲法九条、東アジア関係をめぐって』
(林博史、かもがわ出版、2008年)
やっぱり林博史さんの著書は、
視野がパッと広がって、
かつ実践のヒントになることがたくさんあります☆
ぼくも常日頃感じていた、日本の平和主義に対する
積極的評価を前提とした「違和感」について、
林さんがズバッと指摘してくれていて、
そうだ!と納得することが多かったですね。
とくに、「9条」や「平和」を一般的に賛美するのではなく、
具体的に具体的に考えることが大事だと、あらためて感じさせてくれました。
9条を獲得したことによって、犠牲になったものがある。
戦争責任の問題、沖縄の切捨て、周辺諸国の軍事化・・・。
そのことをぬきに、「9条バンザイ!」と単純に考えている
かぎり、21世紀にまで引きつがれた重い課題を克服していく
ことはできないなと。
また、「戦争」についても、「戦争一般」という捉え方ではなく、
具体的に具体的にその戦争の原因や性格や背景、責任を考えていくこと。
林博史さんの、具体的に具体的に問題をとらえ、
課題を明確にし、考えていく姿勢・・・。
簡単ではありませんし、相当な努力が必要ですが、見習いたいです。
沖縄戦の全体像を学べる、最新決定版、かつ入門書。
膨大な膨大な資料にあたりながら、
林さんがコンパクトにまとめてくれています。
林さんの『沖縄戦と民衆』(同じく大月)を数年前読みましたが、
けっこう忘れていたことも多く・・・。何回も学ばねば、です。
今回は、「米軍と心理戦」の部分がなぜかすごく印象に。
「さいごに」の、戦没者の追悼のあり方についての
林さんの指摘は、私もはっきりと意識し考えてきたことで、
すごく納得するのと同時に、これを乗り越えることの課題の
大きさも、ひしひしと感じました。
林さんの沖縄戦研究は、はっきりと「いま」を意識しながらの
ものなので、より自分のこととして迫ってきます。
沖縄戦を学ぶことは、現在の基地問題、安保問題はもちろん、
日本社会の「いま」を問うことに、まっすぐつながる、ということです。
沖縄戦、ぜひ多くの人に学んでほしいと思います。
中身は、相当しんどいですけどね。日本軍むちゃくちゃですから。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。