引き続き哲学学習の話題
先日、「自宅本棚にある哲学の本を積み上げてみた」と書いたけど、
あらためて、いや、「やっぱりか」と思ったことがひとつ。
それは、ここ10年間(そう、21世紀に入って!)、
とくに若い人に向けた、科学的社会主義の立場での
哲学の本は、ほとんどと言っていいほど出版されていない!
ということ(学習の友社にも責任がある)。
積み上がった本は、だいたい10数年~30数年前のもの。
最近の不破さんの『マルクスは生きている』でも、世界観の章があるけど、
本格的に世界観を身につけるという中身ではない。さわりだもん。
これでは、若い人がかわいそうです!!!
私は、高田求さんや、真下真一さんや、関幸夫さん、鯵坂真さんなどなど、
こうした先輩方の哲学の著書を読んで、ものの見方・考え方を
鍛えられたと思っています。
「ものごとをどう見るかは、どう生きるのかということと不可分のもの」
(高田求『人間の未来への哲学』)
で、あるはずなのだから、
若い人に向けた哲学の本がないということは、
先輩世代が、若い人に生き方を語るという、
その力量が弱まっているということだと。
きのう、『自然の弁証法』(新日本出版社の古典選書)の、
秋間実さんの「解説」を読んでいて、「そうかー」と思いました。
エンゲルスが、生涯をとおして、自然科学の成果をわがものとしようとし、
膨大なメモ書きや論考を残していたこと。そのハンパでない努力量。
この意味は、やっぱり深いな、と考えさせられたわけです。
哲学は若い時に学んだから「もういいや」なんて
勘違いしないでくださいね。
エンゲルスは(マルクスもだけど)、一生涯、自らの世界観を、
自然科学の諸成果と結びつながら鍛え上げていたんです。
などなど、いろいろ考えていたら、わたし、
「若い人むけの哲学の本を書かねばならない」。
ということを、「決意」しちゃったわけで(笑)。
長久の歴史的使命かなと思っています
もちろん、いつになるかわかりませんよ。
そんな力量はまだぜんぜんないですから。
でも、運動家として学習運動にたずさわっている経験と、
ソワニエでの講義をはじめ、医療や看護の分野での学びと、
そして、きっちりとした哲学の学びがあわされば、
私にしか書けない「哲学本」が、書けると思うんです。
といっても、「いつか書きたい」では、実現できませんので、
はっきりと宣言して、自分をそこへ向かわせる努力をしたいと思います。
ということで、「40代前半には」という目標を設定しておきます。
はい、公開目標です(笑)。がんばります
桜島に来られたときは案内しますよ。2012年の全国集会は必ず行きますよ。
投稿情報: 鹿児島K | 2010年12 月29日 (水) 19:06
鹿児島Kさんお久しぶりです☆
会報読んでもらえて、うれしいです。
なんとか「哲学本」、形にできるようガンバリマス!!
そういえば、3月から新幹線で鹿児島まで行きやすくなりますね。
今度は本格的に桜島に行ってみたいです。
2012年の全国集会は岡山で開催の方向なので、
こちらもぜひよろしくお願いします!
投稿情報: 長久 | 2010年12 月27日 (月) 15:30
明日の考察№313ありがとうございます。「高まりあいの運動文化を」読みました。「書く」ことがいかに大事かがわかりました。長久さんの「友」で「書いている」文章はほんとわかりやすいです。それを踏まえた「若者向けの哲学入門」大いに期待します!
投稿情報: 鹿児島K | 2010年12 月27日 (月) 14:03
ノックオンさんありがとうございます!
そうなんです、労働者教育協会全体の課題、使命です。
哲学学習は学習教育運動の得意分野であり、切り開いてきた境地があります。
その伝統を復活させるべく、私もがんばりたいと思います。
投稿情報: 長久 | 2010年12 月25日 (土) 22:39
「新自由主義」「自己責任論」が席巻する中で、若者が“生きづらさ”でおしつぶされ、自殺やメンタル疾患などの問題を引き起こしていることは、湯浅誠さんや雨宮処凛さんなどが告発し、哲学的にも反貧困の立場で「自己責任論」への反撃を行っていますが(書籍や講演活動等)、肝心の科学的社会主義の立場からのまとまった「哲学書」は皆無です。本当に「おそるべき空白」だと私も思います。「自己責任論」に反駁する現代の“高田求さん”を熱望します。長久さん個人の頑張りもお願いしたいと思いますが、労教協全体の緊急の課題として集団的にも力を入れてもらいたいと熱望します。
投稿情報: ノックオン | 2010年12 月25日 (土) 19:31
ふとめしんどさん、ありがとうございます!
修行を積んで、形にできるよう、がんばります。
経済学の入門書の着想、おもしろそうですね。
たしかに「労働は商品ではない」も「労働力は商品」も、
必要なものの見方ですからね。ぜひ期待しています。
医療労働者さんもありがとうございます☆
そうですか~やっぱり真下さんや高田さんの影響力って大きいですよね。
若い人に、「哲学っておもしろいぞ~」「こんな見方が大事だぞ~」
っていうメッセージを発していきたいと思います。
投稿情報: 長久 | 2010年12 月25日 (土) 11:59
私は長久さんより少し年代が上なのですが、読んできた(学んできた)ものはやっぱり同じだったんだなと思いました。
真下真一さんや高田求さんは今でも本棚の中心にあります。いいですよね。
大学生の頃に一生懸命「いかに生きるか」考えたことを思い出します。
ぜひ、今の若い人たちにも良い哲学(入門)書、生活(実践)と結びついた哲学書をお願いします。
投稿情報: 医療労働者 | 2010年12 月24日 (金) 21:49
そうです。長久さんにしか書けない「哲学入門書」があると思います。
期待しています。
ボクもふらふらしながらも、「労働は商品ではない」(ILO)から出発して、「労働力は商品である」にたどり着く経済学の入門書を書いてみたいと思っています。
投稿情報: ふとめしんど | 2010年12 月24日 (金) 21:35