『学習の友』6月号から、連載エッセイ(コラム?)、
「カフェの味わい」を書かせていただいています。
たぶん4回で終了です。
で、その1回目です。
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第1回 なぜ、カフェが好きかといえば
もし、ある日突然、日本中のカフェがなくなったら。
困る。おおいに困る。人とじっくり話をしたい。集中
して本を読みたい。珈琲をのみながら、ゆったりとし
た時間を過ごしたい。仕事のアイデアを出したい。
そんなとき、カフェは貴重な空間を提供してくれる。
私にとって、カフェ・喫茶店(*)は、なくてはなら
ないもの。
そもそも、いつからこんなに好きになったのだろう。
14年ほど前に、作家の黒井千次さんの『珈琲記』
(紀伊國屋書店)を読んだ。それまで漠然と考えてい
た「喫茶店」という空間の魅力を意識しはじめた。そ
れから、家や職場の近くで「ステキなカフェ・喫茶店」
を探すようになった。知らない土地で、知らない喫茶
店に入るとき、わくわくした気分を抱くようになった。
そこで過ごす時間は、私の至福の時となった。
最近では、セルフカフェのお店(ドトール、スターバッ
クスなど)も増えて、よく活用している。カフェ・喫茶店
は、全国に約8万店あるという(コンビニの倍の数)。
また、いわゆるカフェだけでなく、モスバーガーやミス
タードーナツも、カフェがわりに利用させてもらうことも。
じつにありがたく、身近な存在。
その空間性の特徴は、「すこしだけ公共的」というと
ころ。カフェは、飲み物を味わうだけでなく、しゃれた店
内や器(見た目)、珈琲の香り、気にならない程度の
心地よい音楽、親しい人との楽しい会話など、五感
全体でリラックスできる空間。でも、自宅ほどだらけ
ないのは、同じ空間に見ず知らずの他人がいるから。
とてもリラックスできるけど、すこしだけ公共的な場所。
そんなところが、カフェの魅力。
カフェは、人との出会いも育ててくれる。
1844年8月28日。おたがいのことを強く意識しはじめ
た20代中頃のマルクスとエンゲルスが、二度目の出
会いとして選んだ場所は、パリでは有名なカフェ、「カ
フェ・ド・ラ・プラース・デュ・パレ・ロワイヤル(王宮広場
喫茶店)」(現在はカフェ・ド・ラ・レジャンスに改名)。そ
こで、自分たちの考えやビジョンをおおいに語り合い、
生涯にわたる共同が開始された。そのとき、どんな会
話がなされたのだろう。想いはふくらむ。カフェという場
は、そんな歴史的瞬間も、生み出してきた空間なのだ。
*カフェと喫茶店という名前の「明確な定義の区
分」はとくにないそうです。一般的には、セルフ
カフェのお店や、若い人向けのお店をカフェと呼
んでいます。
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先日行った、徳島、うだつの町で寄った和風カフェ。
すてきな空間でした。
そうなんですか(゜o゜)!
びっくりー(°□°;)
投稿情報: ミー子 | 2011年6 月 3日 (金) 00:05
「可能」「不可」という強制力(法律などで)はないですよ。
「業界関係者に聞くと明確な区分はじつはない」というのが
実際のようです(『日本カフェ興亡紀』という本による)。
ガセネタ、とまでは言えませんが、
まあ、そういう区分ではありませんね。
投稿情報: 長久 | 2011年6 月 2日 (木) 08:38
カフェ→お酒も販売可能
喫茶店→お酒は販売不可
ってやつは、ガセネタなんですか(゜o゜)??
投稿情報: ミー子 | 2011年6 月 2日 (木) 07:28