生協関連・一般労組のニュース「SKIP通信」(月1回発行)に、
書かせていただいている、
「労働組合そもそも講座」の3回目(5月)と、4回目(6月)です。
相変わらず、字数とのたたかいです(汗)
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第3回 魅力的な集まりの場を
労働組合は「要求」を旗印に、労働者が団結する(ひとつ
になる)ことで力を発揮します。人間らしく働くことを「あきら
めない」ためにも、必要な組織です。
さて、労働組合がもっと魅力的に、元気になるにはどうし
たらよいでしょうか。そのためには、労働組合の本質をピカ
ピカみがく必要があります。そのなによりの方法は、「集ま
る」ことです。あたりまえなようですが、この本質をみがくこ
とが、いまこそ必要です。
集まらなければ、みなさんはバラバラです。ひとりで問題
や課題を考えたり、ひとりで行動しようとすることには、限界
があります。集まれば、さまざまな力や知恵がわいてくる。
これが労働者・労働組合の本質なのです。
しかし、労働者が集まるには、「自由な時間」「集まれる場
所や空間」「集まれる体力」「集まろうとする意志」が必要で
あり、簡単ではありません。こうした困難な条件をのりこえて
でも、「集まりたい」と思える空間性や人間関係をどうつくっ
ていくのか。これがいま、労働組合に求められています。
生協関連・一般労組のみなさんも、職場をこえての「集ま
り」となると、苦労が多いと思います。たくさんの人が集まれ
ば、それだけで元気が出ますが、人数がたとえ少なくても、
そこで新しい出会いや刺激があったり、情報の発信と受信
がきちんとできたり、「もっと学びたい」と意欲がわいたりす
れば、「またこういう場に来たい」と思えます。
そうした「集まりの場」を、てまひまかけて、ひとつひとつ
創っていく。それが労働組合が元気になる一番大事なこと
だと思っています。
第4回 要求を旗じるしに
今回は「要求」について考えたいと思います。職場に不
満がある場合、まず多くの人がしているのは「愚痴(ぐち)
を言う」ことです。
「愚痴を言う」ことは、大事なことであり、悪いことではあ
りません。人は、話を聴いてもらえるだけで、考えを落ち着
けたり、なんとかふんばれるものです。愚痴を言う相手が
いない場合は、ひとりで抱え込むことになり、ツライ状態で
す。
みなさんが愚痴を言う相手は誰ですか? 同じ職場の
気心の知れた人だったり、友だちだったり、家族だったり、
つまり身近な人ですよね。これは「愚痴」の特徴です。経
営者に「愚痴」は言いません(言えません)。また、「愚痴」
のもうひとつの特徴は、対処療法にはなっても、問題の根
本治療にはならない、ということです。職場の現実は、変
わらないのです。
そこで登場するのが、労働組合です。労働組合で、「不
満や不安」「愚痴」を「要求」へと変換作業をします。要求は、
向き合う(言う)相手が違います。経営者です。ひとりでは
無理だから、みんなで言うんです、「これ、なんとかしてく
ださい」って。
要求は、①それが、職場のみんなが感じたり願っている
ことであること(共通性)、②それが、だれがみても「正しい
願い」であること(正当性)、③けっして無理難題を言ってい
るわけではなく、経営者の努力と誠意で実現できること(実
現可能性)、という大事なポイントがあります。みんなの確
信になるまで、要求内容を議論し、練り上げる。「みんなの
要求」だと思えればこそ、その要求実現のための「行動の
エネルギー」も生み出されていくわけですから。
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