『学習の友』7月号に掲載された、
「カフェの味わい」の2回目です。
ちなみに、岡山県学習協の事務所は、
整理整頓はできていますが、
まだカフェにはなっていません(ノン!)。
めざす頂はイメージできているのですが、2合目付近をさまよってます。
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第2回 事務所をサードプレイスに
「学習協の事務所をカフェのようにする!」
最近、こんなことを岡山の学習運動の若い仲間たちに
公言している。
でも、なんでカフェ?
問題意識は、運動団体、とくに人を組織するような運動
団体の事務所は、どんな事務所でなければならないか?
ということ。
「ちょっと近くまで来たから」と、人が気楽に集まってこ
られる場所。用事をすませるだけでなく、少し長居してお
しゃべりをしたくなる空間性。情報を発信することも、受
信することもできる交流空間。重たすぎず、知的な雰囲
気を感じられる場。そんな事務所がいい。
私たちの運動は、いろいろな人が集まって、はじめて
大きな力を発揮できるという本質をもつ。だから、「人が
集まりたくなる事務所づくり」も、とうぜん大事な運動課
題のひとつになるべきだ。
そこで、ヒントとなるのが、カフェの空間性。カフェから
学ぶのだ。
『ヨーロッパのカフェ文化』という本(*)を読むと、ヨー
ロッパのカフェは、人と人が出会う場であり、議論が起き、
知的交流のあったサロンとして機能した。イギリスのコー
ヒーハウスなどでは、政治談議が活発に行われ、世論
形成の場だった。情報収集のために人があつまり、サ
ークルや組織が生まれたりもした。カフェは、創造の場
でもあるのだ。
また、近年、日本全国にカフェ店舗を展開するスター
バックスは、「サード・プレイス(第三の場所)」という理
念をかかげている。自宅が第一の場所、職場や学校が
第二の場所、そしてそれ以外に、快適に過ごせる第三
の場所になろう、と。
事務所のカフェ化……。まず、整理され、清潔である
ことは大前提。きたない事務所はそれだけで人が寄っ
てこない。次に、自然かつ心地よい配置でイスやテー
ブルが置いてあること。珈琲やお茶、お菓子が常時用
意されていて、「まあお茶でも」と言えること。ちょっと好
奇心をくすぐる本や雑誌があり、閲覧自由であること
(できれば貸し出しも)。文化の香りがすること。などなど。
仲間どうしの出会いと交流が日常的に起こってくるよ
うな事務所は、なんとも楽しい空間だ。
「ここにくると、ほっとする」
「話を聴いてくれる人がいる」
「ちょっと長居したくなる」
「なんか楽しい」
日本中の運動団体の事務所が、そんな場所になった
ら、どんなにすてきだろう。
*クラウス・ティーレ=ドールマン著、
平田達治・友田和秀訳、大修館書店
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ちなみに、いま、『ディドロ―百科全書にかけた生涯』という
本を読んでいるのですが、
若いときのディドロ(フランス啓蒙思想家の代表者のひとり)は、
毎日のようにカフェに通って、さまざまな議論を友人たちと
交わしていたそうです。
なんと、ルソーと出会ったのも、カフェだったとか。
フランスのカフェ文化は偉大だなあ!
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