最近読み終えた本。
といっても、ぜんぜん最近読めてません。
いかん!
『福島は訴える』(福島県九条の会・編、かもがわ出版、2011年)
冒頭から、涙でした。
福島の人びとの訴えを、
私は聴くことができます。
そして、聴かなければならない、
と思っています。
ぜひ、多くの人に、読んでほしい本です。
【もくじ】
*『私たちも叫びたい 訴えたい』(中学生が書いた朗読シナリオ)
*序にかえて
*プロローグ「安全神話」の果てに
*第Ⅰ部「くらし」と「子育て」の破壊
*第Ⅱ部「なりわい」の破壊
*第Ⅲ部 自治体の対応と除染に向けた住民の取り組み
*エピローグ 原発災害と地域社会
また、九条の会が、こういう本を出すことに、
とても深い意義があるように思います。
『春を恨んだりはしない-震災をめぐって考えたこと』
(池澤夏樹、中央公論社、2011年)
さすがの池澤夏樹さんでも、
震災、原発事故をめぐって、
言葉をつむぐのに、
すごく苦労し、慎重になっている感じ。
そうだよね。簡単に言葉で表現できない。
鷲尾和彦さんの写真もすばらしい。
『翻訳語成立事情』(柳父章、岩波新書、1982年)
「社会」「個人」「近代」「美」
「恋愛」「存在」は、
幕末から明治にかけて、
翻訳のために造られた造語。
「自然」「権利」「自由」「彼」は、
もともと日本語としてあったが、
同時に翻訳語として
新しい意味を与えられたのです。
これは、ジェンダー学習から派生した学び。
「恋愛」って、ずっと昔からあったわけじゃないんですよ。
日本に恋愛という言葉が生まれたのは、近代以降。
それまで、日本に恋愛はなかったんです、はい。
「それはかつて私たちの国では、『恋』とか『愛』とか、
あるいは『情』とか『色』とかいったことばで語られた
のである。が、『恋愛』ではなかった」(89P)
『婦人・女性・おんな-女性史の問い』(鹿野政直、岩波新書、1989年)
これも引き続いてのジェンダー学習。
労働学校講師の沢山美果子さんから
教えてもらった本です。
女性史、女性学の歴史などを概観できます。
いろいろ発見も。
この本で紹介されていた本を、また2冊、
注文しちゃいました。まだまだ続く学び!
なるほど。
哲学用語なんかも、翻訳でだいぶん苦労してますよね。
学習課題のひとつですね。
投稿情報: 長久 | 2011年12 月16日 (金) 09:26
nationalizationは本来「国民化」と訳さなければならないのに「国有化」と訳されたので、人民から遊離した国とか共産党官僚が財産を取り上げるかのような誤解がなされたのですね。左翼用語の翻訳事情についても学んでみるといいですよ。
投稿情報: 路傍の人 | 2011年12 月16日 (金) 00:05