第2回理事会での私の発言内容を掲載します。(以下)
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岡山県学習協の長久です。まず始めに、先月、倉敷で
行われました全国学習交流集会in倉敷に、全国の学習
組織や多くの労働組合から、ご参加とご協力をいただき、
大きく成功させることができたことを、この場をお借りして、
感謝申しあげたいと思います。ほんとうにありがとうござ
いました。
倉敷集会の最終的な総括は、より突っ込んでしないと
いけないと考えていますが、さしあたり、現地実行委員会
の総括もふまえて、考えていることについて発言したいと
思います。
今回の倉敷集会で心がけたことの1つとして、学習運
動にしかできない全国集会をやる、ということがあります。
その中心は、学ぶことの大切さとおもしろさを実感して心
がふるえること、そして仲間との交流のなかでその学び
がさらに深まり広がりをもつこと、この2つにあると思いま
す。
そのためには、学びの内容の質、そして学びの効果を
ふくらませる交流、この2つが特に大事だと考えました。
学びの質の面では、「学習運動らしい内容と切り口」に
こだわって、企画をねっていきました。
記念講演講師の尾崎恵子さんと関野秀明さんは、講演
内容とともに、学ぶことの意味と大切さをわかりやすく情
熱的に語れる講師として、また学習運動に深い理解のあ
る講師として、最適な人であったと心から思うお話をして
いただきました。お二人には私のほうからも事前に直接
お会いして、この集会の目的と、どんな内容の話をしてほ
しいのかをお伝えし、当日はまさに期待どおりの、すばら
しい講演をしていただき、こんどの全国集会の成功に力を
あたえてくださいました。
2日目の分科会やオプショナル企画の内容についても、
一貫して「学習運動らしいものに」ということで追求してき
ました。さまざまな力量不足や準備不足もあり、「もっとこ
うしていれば」という運営面・準備面での反省点はたくさ
んありましたが、それぞれの講師や問題提起の方が、そ
の力を存分に発揮していただき、どの学習会も、内容的な
充実を勝ちとることができたと思います。
このように、学びの質の面で、「学習運動の場だからこ
そ学びあえた内容」というものを準備できたこと、これが倉
敷集会成功の大きな要因だったと思います。これは、全国
の日常的な学習運動でも活きてくる教訓だと思います。
さらに、その学びの効果をふくらませる効果を果たしたの
が、全国の仲間との交流の場と時間を十分に準備すると
いうことでした。1日目の尾崎恵子さんの講演のあとは、
各地の労働学校などでもやられているグループ感想交流
を行いました。これは、この規模の全国集会ではほとんど
やらないことで、ここにも学習運動らしさがあらわれたと思
います。
また、岡山の青年たちで準備した1日目夜の「出会う・
つながる交流会」には約130名が参加し、文字どおり全国
の仲間と出会い・つながる交流を行い、たいへんな盛りあ
がりと一体感を初日からつくりだすことができました。2日
目夜の「深まる交流会」にも、若者を中心に80名の方が参
加し、さらに交流を深めることができました。
私たちは、1人で本を読み独習することの大切さとともに、
仲間とともに学ぶすばらしさを、この運動で伝えていかなく
てはなりません。その意味で、3日間をつうじて、たくさんの
仲間と学びあい、語りあい、つながりあったということは、学
習運動の魅力を伝える絶好の機会となったし、集会での
学びの質を豊かにさせてくれたと確信しています。
なおつけくわえて言うならば、今回の倉敷集会の準備に
あたっては、これまで岡山県学習協で行なってきた労働学
校を中心とした日常的な集団学習の実践とその教訓が、も
のすごく役立っています。やはり、日常的な学習運動の実
践をみがくなかで、全国的な集会を成功させる力量がつち
かわれていくのだと思います。
つぎに、募集の取り組みをつうじて感じたことを述べたい
と思います。私たち学習運動は、率直に申しますと、宣伝
活動が上手ではありません。その悪しき伝統を乗り越える
ためにも、今回の集会の募集にあたっては、この集会の魅
力をどう打ち出すのか、どう伝えるかという、宣伝方法や媒
体の工夫にも、特別力を入れてきました。
今回の倉敷集会のチラシは、『学習の友』でイラストを描
いていただいている岡田しおりさんに直接お会いして集会
のイメージもお伝えし、「この集会に向けてぜひチラシのイ
ラストを描いてほしい」とお願いしました。そして、期待以上
の、すばらしいイラストを描いてもらえました。どこに行って
も「このチラシかわいいね」「楽しそうな雰囲気が伝わって
くる」と大好評で、集会の魅力を押し出す大きな力になった
と思います。そしてチラシのキャッチコピーにもなった「みん
なでつくろう、でっかい感動」と「あつまれば、うまれる」は、
この集会のイメージを伝えるものとして、みんなの合言葉に
もなりました。
また、岡山県学習協の会報では、ずっと集会の宣伝を行
い、直前の9月には3回も会報を発行するという、かつてな
い活動量で、集会の魅力を県内外へ発信しました。会報の
集会特集号では、講師からのメッセージや期待を声をあつ
め、集会のはじまる前から、じっさいの運動を組織していく
ことができました。集会3週間前からは、平日に毎日県内の
労働組合と団体向けにFAWニュースを発行し、計16回だし
ました。募集状況や集会の魅力を最後の最後まで伝えき
る努力を行いました。
さらに今回力を入れたのは、ネットの活用です。10回出し
たメールニュースはもちろんのこと、私のブログ「勉客商売」
には倉敷集会のことをばんばん載せて、全国に発信しまし
た。お気づきの方も多いと思いますが、集会のチラシには
現地の取り組みについては「これで検索を」という言葉を掲
載し、終盤はかなり検索をつうじてのブログへのアクセスが
ありました。
また今回は、ソーシャルメディアとして普及が広がってい
るフェイスブックの活用も大きな力になりました。フェイスブ
ックは基本個人でやるものですが、私は昨年の春からはじ
めて、いま全国にフェイスブックのお友だちが250人います。
そのお友だちに向かって、倉敷集会のことをどんどん発信し
ていきました。費用はいっさいかかりません。ただです。
また、フェイスブックのグループ機能をつかって、「全国学
習交流集会in倉敷」のグループを立ち上げ、最終的には60
人をこえる人がそのグループに入り、集会前から参加者ど
うしの交流が始まっていました。これは、ほんとうに大きな
力になったと思います。JAL裁判原告団のお1人で倉敷集
会に参加された神瀬さんも、8月にフェイスブックを通じてつ
ながって、それが集会参加への大きな動機となりました。
他にも、今回の集会では、「ネットで知った」「ネットを見て
いて行きたくなった」という理由での参加が、一定数いまし
た。いまや、ネットの活用か欠かせないものとなっています。
しかも、繰り返しますが、基本タダです。びんぼーな学習運
動が、これを活用しないなどということは、ナンセンスです。
この点では、労働者教育協会は大きく立ち遅れていますの
で、ぜひ特別に議論をして、この分野に強い学習運動に脱
皮していくことをお願いいたいと思います。
つづいて、岡山県内の取り組みについてご報告したいと
思います。岡山県内では、昨年11月から実行委員会を立ち
上げて、取り組みをすすめてきました。1月には山田会長を
むかえての学習企画、6月に中田進さんをむかえての2日
間のプレ企画など、ふしめでの学習も大切にしてきました。
岡山県内の参加者は273人だったのですが、そのうちの
約8割、220名が県労連加盟の組合員でした。単産別の内
訳でいうと、医労連99人、自治労連63人、生協労連34人、
国公労連10人、高教組7人、建交労3人という参加者数で
した。この参加数は、日常的な学習運動との結びつきが見
事に反映されたものであると同時に、新しく結びつきを強め
た労働組合もあり、労働組合との協力共同という面で、一
定の前進をきりひらいたものとなりました。
また、これまでまったく学習運動に関わりのなかった若い
人が、一定数参加してくれたことは、今後の運動に生きて
くる財産になったと思います。また、その新しい層に積極的
に働きかけを行った、学習運動の中心的なメンバーの成長
も、この集会で勝ち取れたのではないかと思っています。
この集会の経験を、今後の岡山県の学習運動に生かし、
つなげていく必要があると思っていますし、とくに労働組合
との協力共同の関係を、今後どう発展させていくかは、重
要な課題になっていると思います。その取り組みのひとつ
として、この6年間開校できていなかった倉敷労働学校を、
この集会で大きな力を発揮していただいた倉敷医療生協
労組さんや倉敷市職労さんと協議しながら、来年ぜひ再開
できたらと考えています。
あとこれは余談ですが、今回の全国集会は、「倉敷という
街がすごくよかった、集会の魅力をアップさせた」という声も
多くいただきました。3日間お天気にもめぐまれ、歴史情緒
と文化の香りがただよう美観地区に隣接する会場で全国集
会が行えたことは、集会の魅力をより輝かせたのではない
かと思います。今後の全国集会にあたっては、やはりその
「土地」の魅力というものも、選考基準として大事になって
くるのではないかと思います。
さいごになりますが、この集会にご協力・ご参加いただい
たみなさまに、あらためて感謝の気持ちをお伝えしたいのと
同時に、私自身がこの集会をつうじて、学習運動の奥深い
魅力と役割をより豊かに再認識できたこと、そのことを力に
し、こんごもよりいっそう奮闘していきたいということを述べ
まして、発言とさせていただきます。ありがとうございました。
以上。
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