小林多喜二没後80年の今日、
山陽新聞1面のコラム「滴一滴」です。
だれが書いたんだろ?
山陽新聞ガンバレ!
(以下内容)
小林多喜二の小説「蟹(かに)工船」に、嵐の中、
付属船をさらわれないように漁民たちが命懸けの
作業をする場面がある。〈貴様らの一人、二人が
なんだ〉と漁業監督から怒鳴られ、船を守るため
に〈自分らの命を「安々と」賭け〉て働く▼小説が世
に出たのは昭和の初め。この約80年の間に経済
成長を遂げてきた日本だが、悲しいことに労働者
の“使い捨て”は今もなくならない。最近、よく耳に
するのが「ブラック企業」である▼長時間の労働を
強いて、暴言を浴びせたり、戦力にならないと見る
や嫌がらせで退職に追い込む。初任給に月100
時間分の残業代が含まれていた例もある▼企業
競争の激化で、人を育てる余裕やモラルが失われ
ている事情もあろう。だとしても許されることではな
い▼国は2年前、就職活動中の学生らに“自衛策”
として労働法令を学んでもらう講座を始めた。職選
びの参考にと、業種ごとの早期離職率も昨年、初
めて公表した。いま、大卒者の約3割が3年以内に
離職するという。辛抱が足りないというだけではな
さそうだ▼数年前に映画化など「蟹工船」のブーム
が起きたのは、真の豊かさを実感しにくい時代の
象徴だろう。きょうは多喜二没後80年の命日。厳
しい就職戦線をくぐり抜けた若者を待つのが使い
捨ての職場では、あまりに切ない。
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