先日、NHKだったと思うけど、ローカルニュースで、
「岡山の人の運転マナーの悪さ、とくに進路変更の
さいにウインカーを出さない人が多い」ということを
報道していた。警察もいろいろと啓発活動をしているようだ。
その報道によると、たしかに、道路交通法違反件数のなかで、
進路変更時にウインカーを出さない違反の割合が、
おとなりの兵庫県と比べて、やけに高いという数字が出ていた。
これは、実感として納得できる。
ウインカーを出さない、あるいは、
出しても直前だったり、一瞬だったり、
というドライバーが少なくない。
私は東京で高校卒業前後に運転免許を
とったので、当然東京での車の運転が基準だった。
しかし、岡山にきて、そのマナーの悪さにびっくりした
という経験がある。とくに、信号が変わっても突っ込む
ドライバーの多さ。これはもっと取り締まるべきである。
で、話はもどって、そのニュースの報道のなかで、
岡山人の運転マナーの悪い理由として、
名前は覚えてないが、岡山大学のある教授が
インタビューにこたえていて、いろいろ述べていた。
覚えている「理由」はこんなことだった。
①岡山は平地が多く、空間にゆとりがあるので、
運転がしやすく、緩慢(かんまん)になる。
→岡山の道の運転しやすさは、たしかにそうだと思うが、
これもイマイチ根拠のない話だと思う…。
②岡山は災害が少なく、協調性に欠ける県民性と
よくいわれている。そんなことも影響があるかもしれない。
問題は、この2つ目の話。
じっさい、
「岡山は災害が少ないので、協力しあわない県民性がある」
という話は、私もよく聞く世間話である。
しかし、これが運転マナーと関係があるかといえば、
はっきり言って疑問である。確たる根拠もなにもない。
そもそも、この理由でいくと、
「災害にあわなければ、人が助け合わず協調性も育たない、
そして運転マナーも良くならない」という話になる。
そんなアホな、である。
問題の原因を取り違えると、結局対策も科学的でなくなる。
そんな話を、「教授」と名のつく人が、テレビの前で
よくしゃべるなぁと思う。恥ずかしい。
私は、マナー問題の根幹のひとつは、
日本の運転免許取得のさいの教育不足と、
その後の恒常的な運転教育の欠如にあると思う。
私はいま思えば、その東京の教習所で、
運転にたいする「哲学」のようなものを
キチント教えられたという記憶がある。
岡山の教習所の評判をいろいろ聞く限り、
その運転に対する教育観点が弱いのではないか。
そこが大きいのではないか、と思う。
(これはあくまで仮説です)
夕方に、暗くなり始めているのに、
ライトをつけずに走っている人をよく見るが、
あれに象徴的にあらわれている。
車はある側面からいえば、走る凶器なのだから、
周りに、自分の車の存在と、どのように動こうと
しているのかを、つねに「知ってもらう」ということが
なにより大切なこと。
そのための、ライトであり、ウインカーなのである。
はきちがえていると思われる人が多すぎる。
これは、運転教育の問題であると考える。
(これだけが原因ではもちろんないですけど)
まあ、しかし、「災害が少ない岡山の県民性」という
話がここで出てくるとは。びっくりですわ。
こうした「あー、そうそう」と、いっけん思えるような、
根拠のない話は、もう、やめましょうよ。
協調性は、災害があろうがなかろうが、
私たちの社会的努力で、育ちますよ。ちゃんと。
人間なんだから。
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