先月から始めた『資本論』学習、
かなりゆったりしている。亀の歩みである。
いまやっと3章の「貨幣または商品流通」に入ったところ。
解説本などもあわせて読んでいるのも
あると思うけど、やはり『資本論』の冒頭部分は
もっとも難解なところだからか。
マルクス自身、初版への序言のなかで、
「すべてはじめはむずかしいということは、どの科学にも
あてはまる。だから、第1章、ことに商品の分析を収める
節の理解は、もっとも困難であろう」
と言っている。
第1章は、「商品」の分析をした、長い長い章である。
『資本論』を読むものを数多くたじろがせ、挫折させてきた、
恐ろしい「山」である。
私は、この第1章を「かちかち山」と名づけたい
が、タヌキやウサギは出てこない(笑)
「価値」という言葉が、やたらと出てくるのである。
「使用価値」「交換価値」「価値」「価値形態」「価値物」・・・
しかも、この「価値」は目に見えない、とくる。
マルクスは、顕微鏡を使っても、化学的試薬を使っても、
見えませんよ、「抽象力」が必要ですよ、と言っている。
目に見えないものを、抽象力でつかむのである。
第1章は、全体がそういうイメージだ。
人間はほとんど登場してこない。
登場してくるのは「上着」とか「リンネル」である。
面白みはまったくない(笑)
「かちかち山」は、登るのに難航度スペシャルA級で
あるだけでなく、登山途中の楽しみも、はっきりいってないのである(笑)
だから、多くの人が、ここで脱落するのである。
しかし、「価値」が理解できたり、
労働の二重性とか、貨幣形態への発展のこととかが
わかってくると、世の中の見方が、がぜん、違ってくるのである。
おもしろくなるのである。
「かちかち山」は、はっきりってエベレスト並みの
高い山だし、面白くないのだけれど、
何回も登ると、地上の世界が変わってみえてくる、
そんな矛盾した山なのである(涙)。
こんなように、『資本論』学習で考えたこと(妄想したこと?)、
これからも、ちょこちょこ書いていきたい。
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